震災の影響にも負けない！「宮崎地鶏炭火焼車新宿店」、昨対を上回る売り上げの秘策に迫る！

節電や自粛ムードなど震災の影響もまだまだ残る5月、靖国通り沿い、新宿駅から徒歩5分に位置する「宮崎地鶏炭火焼車新宿店」は、連日予約で席が埋まり、炭火焼きを楽しむ人々で賑わっている。運営のイデア（大阪府吹田市、代表取締役淀井三智氏）は、「宮崎地鶏炭火焼車」、「宮崎地鶏と旬菜とり神楽」、「鉄板やかんろ」、「鉄板や御堂」、「串かつ Dan家」を経営。宮崎出身の淀井氏の実家は、炭火焼の飲食店を経営していた。ご主人でもある、オーナーが初めて宮崎地鶏炭火焼を食べた時、真っ黒な見た目の衝撃、美味さに感動し、「宮崎の地鶏を食べてもらいたい」そんな気持ちで「車」は誕生し、今では大阪に6店舗、東京に8店舗（銀座一丁目、銀座八丁目、丸の内、有楽町、浜松町、恵比寿、渋谷南口、新宿）を展開する。宮崎の地鶏は「地頭鶏(じとっこ)」と呼ばれ、宮崎県および鹿児島県が主たる産地である。「地頭鶏」という名前は、島津藩の地頭職に献上していたことに由来する。一般の地鶏や銘柄鳥と比べて育成が難しく、種の保存のため昭和18年に天然記念物に指定され「幻の地鶏」とも言われている。イデアでは、この「地頭鶏」を宮崎の自社契約農家から毎日取り寄せる。飼育は、燦々と降りそそぐ太陽の下でのびのびと放飼いで、抗生物質や成長ホルモンなど化学物質を一切使用していない。また、歯ごたえ、肉質、脂ののり加減などを吟味し、通常より60日長く180日飼育したものを出荷している。安全安心にこだわり、美味さを最大限引き出した状態で供給する「地頭鶏」は身に弾力があり、噛めば噛むほど味がでるそうだ。「宮崎地鶏炭火焼車新宿店」は、2002年7月に東京では2号店としてオープンした。ほっこり感が漂う掘りごたつ座敷や、炭火焼きが見られるカウンター席があり、全体的に落ち着いた大人の雰囲気溢れる空間。宮崎地鶏炭火焼の店として男性を中心に常連も多い店ではあったが、空中階ということもあり、新規客を増やしたいとの課題もあった。そこで「宮崎地鶏炭火焼車新宿店」は、2月10日ポンパレのチケットを販売。500枚が、わずか7時間で完売した。販売当日から問い合わせがあり、3日後の利用可能日から予約が入った。チケットを買えなかったお客も店に興味を持って来店したり、ホームページのアクセスが前月比30倍となった。最初の販売が圧倒的だったこともあり、3月10日に追加で1000枚のチケットを販売。こちらも10時間で完売した。販売したチケットは現在のところ、1カ月に200枚のペースで予約が入る。最初に販売したチケット分は、80～90%の利用が終了している。購入したのは20代後半～40代の層で、2～3人での利用が多い。チケットの影響で女性の来店が増えた。新規で訪れたお客の特徴や会話した内容は、顧客リストを作成し詳細に記載。その後もDMを送ったりするなど、再来訪につなげていく取り組みも行ない、すでにリピーターもいるという。「今回のチケット販売では、多くのお客様に『宮崎地鶏炭火焼車新宿店』を知ってもらうきっかけができ、震災後も一定のお客様で席は埋まり、昨対以上の結果を出すことができた」と店長の綿抜晃氏。新宿店での人気メニューは、黒い炭火焼を鍬形鉄板で提供する「地頭鶏炭火焼」。炭は岩手のものを使用し、うちわ片手に炎を高く舞い上げ、煙が肉を包み込んで一気に焼き上げる。最後は肉の表面の焼き色具合を見ながら完成する。「地頭鶏チキン南蛮」は、揚げてから自家製の甘酢に潜らせ、マヨネーズから自家製のタルタルソースをたっぷりかけた女性に人気の逸品。「鶏とアボカドのわさび醤油」は、鶏とアボカドの相性が抜群で、特に女性ファン急増中の一品。宮崎の郷土料理で〆のご飯物「宮崎郷土料理冷汁」は、2種類の特製の味噌を備長炭で焼きあげ風味を増し、いりこの出汁、胡麻の風味で仕上げている。その他、宮崎や鹿児島の地焼酎「霧島」や、「車」オリジナル麦焼酎など60種以上取り揃える。現在は、日本の復興のための限定キャンペーン中。「被災地救援！地頭鶏キャンペーン」として、地頭鶏地鶏の料理1品につき100円を日本赤十字社を通じ寄付をする。「地頭鶏炭火焼」は通常1785円が特別価格1312円、「地頭鶏チキン南蛮」は通常1050円が特別価格892円、そのうち1品につき100円を義援金として寄付する。募金活動期間は7月31日まで。その後の展開としては、2015年を目標に海外、特にアジアへの進出を考えている。また、串の炭火焼き専門店の郊外展開も計画中だとか。「21世紀をリードするレジャー型外食産業」を目指すイデアは、新しいものを次々と取り入れながら、新規の開拓に今後も取り組んでいくだろう。