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【セミナーレポート】変態生産者参戦!「食の循環」イノベーターたちに聞く!漁業と農業と地域創生と未来の飲食店経営と

1月20日、「居酒屋ジャパン」内にてセミナー「変態生産者参戦!『食の循環』イノベーターたちに聞く!漁業と農業と地域創生と未来の飲食店経営と」が開催された。IT事業を手掛ける傍ら、地方創生にも取り組むペライチ会長の山下翔一氏、佐賀の牡蠣生産者の梅津 聡氏、農業も絡めた飲食店展開をする和音人代表の狩野高光氏とALL FARM代表の古森啓介氏をゲストに、漁業と農業と地域創生と飲食店経営の課題や未来について対談を実施。その様子をレポートする。


写真左からペライチ会長の山下翔一氏、牡蠣生産者の梅津 聡氏、和音人代表の狩野高光氏、ALL FARM代表の古森啓介氏

漁業に農業、地域創生の専門家がそろい踏み

-では、セミナーを始めます。まずはそれぞれ自己紹介をお願いします。

山下翔一氏(以下、山下氏):株式会社ペライチ会長の山下です。ペライチ社はIT畑の会社なのですが、私自身が佐賀県出身で、田舎に生まれて田舎で育ち、田舎が大好きでして、地方創生に取り組んできました。具体的には全国の市区町村長の連合がありまして、その企業代表を約7年間務めています。食の領域で言うと、環境省主導の「地域循環共生圏(通称「ローカルSDGs」)」と呼ばれる国家プロジェクトに取り組んでいたり、レストランテック協会の顧問や飲食店向けのITスタートアップ企業も経営しています。

-今回のセミナーは「生産地の課題」というテーマもあり、地方創生の専門家ということで山下さんをお呼びしました。現在、「東かがわ市わくわく課」というプロジェクトも進めていると思うんですが、こちらの経緯も教えてください。

山下氏:香川県東かがわ市の要請を受けて、2020年12月に「東かがわ市創生総合戦略アドバイザー」に就任し、そこから「東かがわ市わくわく課」を立ち上げました。いま国が進めている地方創生というのは、学校で例えると優等生をさらに優等生にするようなもので、先進的な取り組みをしている地域を評価し紹介することが多いです。ただ実際には、歴史も人口も高齢化率も地域資源もあらゆる前提が地域によってそれぞれ違うわけです。そうなると、マラソンで例えるとほんのごく一部のトップ集団と2位以下集団が離れすぎているような状態が起きてしまっていて、ほとんどの地方の自治体は「◯◯市だからできる、私たちには関係ない」とやる気すらなくなってしまう。でも、やり方次第では誰も知らないようなマイナー地域でも短期間でガラリと変わるんだよ、と。地域活性の世界でのビリギャルを生むためにいま、全国から1000人くらいの人が集まってコミュニティを形成して、地域活性の最先端事例を作ろうとしています。

そうした様々な活動を進めている中で、今回登壇されている梅津さんとも出会い、牡蠣の養殖等を通して海の環境改善をするための活動をご一緒させていただいています。

そうした様々な活動を進めている中で、今回登壇している梅津さんと出会い、牡蠣を養殖することで海洋の環境改善をするための活動を進めているというわけです。

-では、続いて梅津さん。自己紹介をお願いします

梅津聡氏(以下、梅津氏):株式会社海男代表の梅津です。佐賀県で「おとふせ」という牡蠣を育てて、ネットで卸しています。もともと私は港湾建設業出身でして、その作業で海に潜ることが多かったんですが、そこで海の環境はどんどん悪くなっていることを目の当たりにしたんです。このままでは、漁師さんもどんどんご飯を食べられなくなっていっていく。そうなったら、港湾を作る仕事だって、そのうち成り立たなくなる。ならば、漁師さんをもっと豊かにしよう! ということで2009年に牡蠣の種苗を作ることから始めて試行錯誤し、2016年から本格的に牡蠣の養殖を始めました。

-ありがとうございます。梅津さんの「海男オイスター」は、2020年度「にっぽんの宝物グランプリ」のJAPAN大会でグランドグランプリを受賞していて、飲食業界のなかでは非常に有名な生産者さんです。のちほど、海が荒れてしまったことや、漁協との関係など、漁業における根深い課題についても深掘りさせていただきます。

さて、残るお二方は飲食店の経営と農業の両立をされています。飲食店経営者と生産者、両方の視点からのお話を聞ければと思います。それでは、狩野さんお願いいたします。

狩野高光氏(以下、狩野氏):はい、株式会社和音人代表の狩野と申します。私は三軒茶屋で5軒の飲食店とパティスリー1軒を営みつつ、山形でワイン用ブドウ栽培の事業を行っております。2015年から始めたので、7年目になりますね。私たちは、食の社会的課題に向き合って解決していくために、「ストーリー」「ガストロノミー」「ローカルフード」「食育」「地産地消」の五つのコアコンセプトを掲げていて、今年に入って水産の製造の業者も立ち上げました。食のサプライチェーンとして全国の地域と密接にかかわって行こうと思っています。

-農業にまつわるエピソードなどものちほど伺わせてください。それでは、古森さん、お願いします。

古森啓介氏(以下、古森氏):株式会社ALL FARM代表の古森です。千葉県の佐倉市と、群馬県の安中市で野菜を作り、それを「WE ARE THE FARM」という飲食店で消費者に届けています。都内で直営6店舗、FC2店舗というかたちで運営しています。また、「FARM TO GO」というサラダのテイクアウト業態を銀座で2店舗、「KELE FARM」というケールに注力したオンラインショップも運営しています。従来は野菜の生産、流通、加工から消費者が口にするまでが分断されているような業界だったのですが、私たちはそれらを自社で一気通貫してやりきるということに力を入れています。

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