地元の人が落ち着いて飲める場所を作り、沖縄の酒場文化の底上げを――老舗企業3代目の地元愛からスタート
「+hacchi」のオーナーは、創業昭和23年の老舗材木店である鉢嶺材木店。その四代目、鉢嶺慶人氏が発起人だ。1階のテナントリーシングは「酒呑気まるこ」の小嶋崇嗣氏が中心となって進めたという。というのも鉢嶺氏と小嶋氏は長年の付き合い。鉢嶺氏は、20年以上前、小嶋氏が独立前に働いていた楽コーポレーションのお客だった。やがて小嶋氏は独立し、一方、鉢嶺氏は沖縄へ帰り地元でアパレルや飲食の事業を展開しながらも親交は続いていたという。
小嶋氏が鉢嶺氏から「+hacchi」の計画を聞いたのは5年以上前だ。鉢嶺氏は以前から目を付けていたというこの土地を取得。ここで同氏がやりたかったのは「地元の人が落ち着いて飲める“飲食ビレッジ”」だ。小嶋氏はこう話す。「鉢嶺君にとって那覇は生まれ育った街で、彼の地元愛はひとしお。コロナ前までの近年、那覇には観光客が急増して観光客向けの店が目立つようになり、地元の人が落ち着いて飲める店が少なくなっていたことを寂しく思っていたそうです。そこで、地域密着の飲食店を集めた“飲食ビレッジ”を作りたかった。最近では、一度は県外に出るものの那覇に帰ってくる人も多いんです。そうした地元の30代~50代の大人が、ゆっくりと落ち着いて飲める場所を作りたい。那覇の酒場文化の底上げをし、魅力ある街を作っていきたいという思いを聞きました」。