新・編集長コラム

R30オーナーの台頭!「飲食第六世代」の時代はもうすぐ

30歳以下の若いオーナーの躍進が目覚ましい。今回は2022年にオープンした注目の若手オーナーの新店をチェック。さらに新世代「飲食第六世代」の特徴とは?考察してみた。勢いと時代の潮流をつかむ感性は必見だ。

PROFILE

大関 まなみ

大関 まなみ
1988年栃木県生まれ。東北大学卒業後、教育系出版社や飲食業界系出版社を経て、2019年3月よりフードスタジアム編集長に就任。年間約300の飲食店を視察、100軒を取材する。


2022年オープン、若手オーナーの注目すべき5店!

注目株は「串焼きと煮野菜 下北沢の零や」。オーナーは現在23歳の達川京平氏。なんと高校3年時から父親から受け継いだ飲食店の経営をしていたというサラブレッドだ。京都で4店舗を繁盛店に育て上げ、この度、念願の東京進出として今年4月に「串焼きと煮野菜 下北沢の零や」をオープン。自分達と同世代の20代をメインターゲットにしつつ。クオリティの高さからその上の世代からも評価され、すでに下北沢で人気店の仲間入りをしている。

「串焼きと煮野菜 下北沢の零や」が開業。京都で4店舗を展開する23歳の若きオーナーが東京初出店。オリジナリティに富んだ“煮野菜”で若い世代に訴求する

「酒場つむぎ堂」も注目の店。運営会社のLINK STYLE代表、馬淵和也氏は大学時代に居酒屋キャッチの仕事で飲食業へ。大学卒業後の2017年、23歳で川越に「個室居酒屋 鶏の吉助」をオープン。マーケティングに長ける馬淵氏はWEB使った販促を駆使して同店を人気店にした。その後、コロナ禍も経て「マーケティングの力だけで集客するのではなく、地域に愛される“本当にいい店”を作りたい」と改めて方針を固め、3月、西新宿七丁目にオープンしたのが「酒場つむぎ堂」。マーケティングによりSNSで話題を集めつつ、コロナ禍で仲間に加わった同世代の村野寛騎氏の力による骨太な商品力やサービスで20代から人気を博している。

西新宿七丁目に「酒場つむぎ堂」がオープン。23歳で起業した若手オーナーによる4店舗目。“ワンランク上の大衆酒場”をコンセプトに都内に初出店

国分寺・立川でドミナント展開するArmy Antが渋谷に出店した「鳥とサワー 鳥どシ」も、SNSを起点に火がついている。グラスからあふれるフルーツサワーを筆頭に若者のツボを押さえた商品や内装が人気の要因。こちらもオーナーは28歳の船木崚氏。学生時代に飲食店を創業し、勢いに乗っている若手の一人だ。

「鳥とサワー 鳥どシ渋谷店」がオープン。国分寺・立川エリアで4店舗を展開するアーミーアントが渋谷に初出店!

いま業界注目度ナンバー1と言っても過言ではないのが、8月、渋谷にオープンしたばかりの「大人気(おとなげ)」。30歳の兄・砂田健太氏と28歳の弟・康太氏の兄弟で立ち上げた店だ。「渋谷で遊ぶ20代」をターゲットに、トレンドを交えたキャッチーな店づくり。印象に残る「特別じゃない日に特化した、特別なお店」というコンセプトやロゴデザイン、あえてメニューや内装など具体的なことは紹介せずに雰囲気を匂わせる写真だけを投稿するInstagramなど、ターゲットに何が刺さるのか「わかってる」ブランディングが秀逸だ。

渋谷に「大人気(おとなげ)」がオープン。亡き父の夢を叶えるべく兄弟が立ち上げた「特別じゃない日に特化した、特別なお店」。トレンド感満載、渋谷らしさあふれる新名所!

都心だけでなく郊外でも活躍する若手が。国分寺に4月オープンした「猿乃拳(モンキーパンチ)」は、同エリアでドミナント展開する猿屋一家の新店舗。同社は「35歳定年制」を提唱し、若手の独立を促進。店づくりは26歳の栗原 遼氏が担っており、栗原氏の独立支援店舗として出店した。「毎日来れる大衆食堂」をコンセプトに、「国分寺にこんな店が欲しかった」を栗原氏なりに体現している。

国分寺に「食堂 猿乃拳(モンキーパンチ)」がオープン!猿屋一家から社内独立、26歳若手オーナーによる、「うまい白米」と米に合うつまみを揃えた食堂酒場

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