9月9日、新宿歌舞伎町に「原始焼 火鉢」がオープンした。今や歌舞伎町のランドマークとなっている新宿東宝ビルの至近にある飲食ビルの3階に入居する。運営は、「ろばた焼き 絶好調てっぺん」「燗アガリ」「ROBATA幸」など、新宿を中心に数々の繁盛居酒屋を展開する絶好調(東京都新宿区、代表取締役:吉田将紀氏)。代表の吉田氏は、“朝礼の神様”として知られる大嶋啓介氏とともにてっぺんグループを創業し、総店長としてその手腕を発揮してきた人物だ。同社では、いずれの店舗も坪月商40万~60万円を売り上げ、飲食業界でも一目置かれた存在として知られている。これまでは単価4000~5000円程度の居酒屋業態が主だったが、今回の「原始焼 火鉢」は客単価8000~10000円の業態。この新たなチャレンジに注目が集まっている。
歌舞伎町という立地で、既存店よりも高単価の店にチャレンジする絶好調。その理由を代表の吉田氏はこう話す。「この界隈では、客単価1万円程度の個室を備えたフルサービスの店がなかなかない。例えば新宿のオフィスワーカーが落ち着いて接待できる店を探すとなると、四谷や神楽坂まで足を延ばすことになる。さらに、土地柄、歌舞伎町ではキャバクラの同伴など、個室でゆっくり食事をしたいカップルも多いはず。そういったニーズを取り込めると考えたのです。また、すぐ近くの『ホテルグレイスリー新宿』に宿泊する富裕層のインバウンドに対しても、日本の伝統である原始焼きのアピール力は強いと思いました」。
コンセプトは「昔の船着き場で味わう、魚の原始焼き料亭」。凹型のカウンター内に鎮座する炉で焼き上げる原始焼きが主力商品だ。炉は他ではなかなか見ない規模の大きさのものを設置。炉とカウンター席には仕切りを設けず、お客の眼前でシズル感たっぷりに焼き上げる演出が最大の魅力だ。26坪の店内は、炉を囲むカウンター14席と、4室の戸のついた完全個室から構成される。内装デザインはスタジオムーンの乙部隆行氏が担当。「大人がしっとりと語らいながら酒が飲める場所」をテーマに、木・石・土を多用した和の趣の空間に、古家具を散りばめた。照明は落とし、あえて音楽を流さず、パチパチと炉の焼ける音、お客の会話をBGM替わりに杯を酌み交わす、ムーディな空間に仕上げている。
料理はコース利用をメインに想定し、アラカルトでも各種用意。接待で幹事にとって使い勝手のよいコース料理は5000円~で、八寸からお造り、原始焼きまで一通りが楽しめる内容だ。コース料理に合わせた日本酒のペアリングコースは3000円で用意する。アラカルトでは、「のどぐろ」(4500円)「新サンマ」(1400円)をはじめとした8品の魚の原始焼きが目玉だ。じっくりと時間をかけて、表面はパリッと、中はふっくらと焼き上げ、提供時はスタッフが客席で骨を外してサーブする。そのほか、刺身や冷菜・温菜、食事ものなど、およそ30品が並ぶラインアップ。ドリンクは、山口県の「雁木 純米 ひとつび」(徳利1100円、徳利大1600円)をはじめとする日本酒と、ワイン(グラス700円~、ボトル4500円~)を中心に各種アルコールメニューそろえている。
料理、空間だけでなく、接客面も抜かりない。同店のサービスは、飲食店のスタッフ教育事業などを行うウィルキープサイド事務所の脇 志保子氏が監修。着物の着付けから、接待や個室利用にふさわしい接客応対、ワインについての知識など多岐にわたり研修を実施し、高単価業態に見合ったサービスを提供する準備を整えた。
同社は今後も新宿を中心に店舗展開を進めたい考えだ。「将来的には50店舗ほどを展開できれば」と吉田氏は話す。年内には、神楽坂で新店舗を開業予定。客単価7000円、古民家を改装した和の空間で、箸を使って食べるフレンチを構想中だという。これまでとはひと味違う高単価業態へのチャレンジでどのような進化を遂げるのが、絶好調の今後の展開に目が離せない。
店舗データ
店名 | 原始焼 火鉢 |
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住所 | 東京都新宿区歌舞伎町1-19-3 歌舞伎町商店街振興組合ビル 3F |
アクセス | JR・丸ノ内線新宿駅から徒歩5分、西武新宿駅から徒歩4分 |
電話 | 03-6380-2238 |
営業時間 | 17:00~24:00 |
定休日 | 当面の間は日曜もしくは祝日 |
坪数客数 | 26坪32席 |
客単価 | 8000~10000円 |
運営会社 | 株式会社絶好調 |
オープン日 | 2018年9月9日 |
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