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スペシャル企画

激化する飲食採用マーケットでどう生き残るか? 採用DXプラットフォーム「FoodsLabo(フーズラボ)」のクオレガ・佐藤康成社長が飲食業界の採用事情と今後の打ち手を語る

コロナ禍の猛威も落ち着きを見せ始めた今、各業界が力を入れているのは採用だ。飲食業界においても、コロナ禍以前から続いていた慢性的な人手不足の状況は変わらず、ひと際重要な課題であると言えるだろう。そこで、飲食業界特化型の採用DXプラットフォーム「FoodsLabo」が注目を集めている、株式会社クオレガ(東京都港区)による連載企画がスタート。第1回は、同社代表・佐藤康成氏のインタビュー。プロの目線から見た飲食業界の採用の現状を伺った。


株式会社クオレガ https://cuolega.co.jp/
FoodsLabo https://foods-labo.com/
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クオレガ代表取締役社長:佐藤康成氏

1983年、宮城県生まれ。20代で上京、ITメガベンチャーにてスタートアップを経験。その後、担当していたクライアント企業からのヘッドハンティングに応じて転職し、人材コンサルティング会社に。トップ成績を収め、営業部長として会社の売上規模を10倍に押し上げる。2017年に株式会社クオレガを創業。飲食業界に特化した採用DXプラットフォーム「FoodsLabo」を運営する。

現在は回復基調も、コロナ禍以前・以後も飲食業界は慢性的な人手不足

―今回は、「飲食業界の採用のプロ」ということでお話を伺えればと思います。早速ですが、飲食業界の人材市場の現状と課題を伺えますか?

まず、業界全体が慢性的な人材不足なので、求人が多い。この状況自体はコロナ禍以前も現在も変わりません。
もともと飲食業は新卒採用が難しい業界。調理師専門学校を卒業した人材は絶対数が少ないし、大学生は別の業界に行ってしまう。企業はなかなか人が取れず、足りない穴を外国人労働者で埋めている、という状況が続いていました。
コロナ禍では状況が一変し、採用意欲を燃やしていた企業も売上が激減したことにより、採用はおろか既存の人員を整理せざるを得なくなった。2020年は弊社にもリストラに遭った求職者の応募が殺到していました。一方で、「お客様との接触が多い」という点から、自ら飲食業界を離れ、異なる業界へ流れた人材も多かったですね。戦力であった外国人労働者もコロナ禍を機に帰国したりといったことも起こりました。

とはいえ、2021年の夏ごろにはいち早くコロナ禍に適応し、再起を図るために採用を行う企業も一定数いたんです。そこから、求人の数自体は徐々に回復傾向で、2023年現在ではコロナ禍以前を超える求人依頼を頂いております。

採用のカギは「繁盛店づくり」。求職者は“店への憧れ”が最大の応募動機

―現在、どのような求人・求職が多いのでしょうか?

求人側では、店長や料理長、シェフといった責任者クラスの募集が多いです。今、コロナ禍の影響で空いた店舗物件が多く、新規出店が増えていることが理由でしょう。コロナ禍で人員整理した結果、人数が少なくなった社内から繰り上げの店長を出すよりも、新たに即戦力の人材を採用する動きが増えています。
一方で求職側の応募は、20代の若手や未経験者が増えています。業態でいうと、カフェスタッフやパティシエが人気ですね。

―実際に採用がうまくいっている企業の特徴はありますか?

採用の細かいテクニックはあれど、一番はやはり「繁盛している」というところでしょうか。求職者のニーズはシンプルで、店への憧れから入る人が多く、「忙しくても、繁盛店で働きたい」という思いが強い。待遇面も大事ではありますが、まずはお店としてのサービスや料理の良し悪し、お客様が入っている店なのか?をとてもよく見ています。

ちなみに魅力的な繁盛店をつくることは、自店だけでなく、引いては業界全体の人材不足の解消につながると私は考えています。というのも、飲食は人材の流動性の高い業界ですが、同じ人が業界の中で店を転々としているだけでは人手不足は解消されません。他の業界から人材が流入し、市場の絶対数が増えることが必須。外の業界から見て「働きたい」と思えるような業界にしていくこと=魅力的な繁盛店を作ること。当社のサービス「FoodsLabo」を通じて、そのためのお手伝いをしている最中です。

飲食業界でも「ダイレクトリクルーティング」が進む!

―まず、採用をしたい飲食店が始めるべきことは何でしょうか?

基本的なことではありますが採用過程での応募者へのケアを手厚く行うことです。面接やその後の連絡が迅速で丁寧な企業、面接で業務内容や店舗の実情などを解像度高く求職者に伝える企業などは採用がうまくいっています。当たり前のことように思えますが、実情として飲食店の現場は業務量が多く、目の前のことで手一杯。採用業務が後手に回っているお店も多いと思います。

―具体的な方法はありますか?

「人事部」を置くことですね。特に3~4店舗以上を展開している企業は検討してみてほしいです。従来、飲食業界の採用では「オーナーの独断」や「現場の店長まかせ」という状況が多く見られます。そうした状況だからこそ、採用業務が後手に回って杜撰になり、人を採用できないという悪循環に陥ります。

―今後の採用トレンドは?

社会全体の採用市場では、企業が求職者のプロフィールを見て、気になる求職者にスカウトという形で個別アプローチをする、いわゆる「ダイレクトリクルーティング」が主流になってきました。
今後、飲食業界でもダイレクトリクルーティングは進むでしょう。優秀な人材をスカウト採用するためには、自社がどのような企業で、どのような人材を求めているかをビジョンとしてあらかじめ持っておく必要があります。そのためには、オーナーや社員個々の考えではなく、企業としての判断ができる人事部をつくるべきなのです。

今後の日本の経済成長を担う、インバウンド需要を狙え!

―では、現在採用を考えている企業の方にアドバイスをお願いいたします。

私からの提案としては、インバウンドをターゲットにした業態やサービスの開発です。今後の飲食業界はインバウンドが分かれ目になると考えています。例えば、京都のような観光地では単価10万円を超えたり、完全予約制だったり、ホテルからの紹介でなければ入れなかったりなど、観光客に向けた飲食店のスタイルがたくさん出てきています。単価を上げることで、従業員にも還元でき、結果、採用も有利に進む。インバウンドに向けたサービスはそのポテンシャルがあります。

―そもそも「FoodsLabo」は、日本のインバウンド需要の可能性の高さから立ち上げた飲食特化型の採用プラットフォームですよね。

私は長らく採用業界にいましたが、起業にあたり飲食業界に特化しようと考えた理由は、まず、飲食は私たちの生活を根底から支えてくれているものであること。そして、世界に誇るべき高い水準の文化であることです。
現在、かつて1位だった日本のGDPは世界3位に、しかも4位以降と僅差で、強みだったIT業界も外資に押され始めている。この調子でいくと、日本の景気停滞は5年先、10年先に、今よりもっと影を私たちの生活に落としていくでしょう。そのような状況を打破するため、今後はインバウンドに力を入れていく流れになる。そのとき、世界と闘っていく武器となり得るのが飲食業であると考えています。
業界の人材採用や就職の在り方を、良い方向に変える。それがジャパニーズクオリティを支えていくことにつながる。そういった想いを込めたのが、「FoodsLabo」。人手不足でお悩みの飲食店や企業の力になれるよう、今後もサービスを磨き、新しい機能のリリースも予定していますので、ぜひご期待いただければと思います。

「FoodsLabo」とクオレガについて

「FoodsLabo」は、飲食業界に特化した、運用型・成功報酬型の採用プラットフォーム。飲食店側で掲載内容の編集が可能で、思い立ったらすぐに募集開始できることがメリット。編集方法がわからない飲食店に向けてはサポートも行う。UI / UXデザインにもこだわりプラットフォームとしての使いやすさも追及。求職者にとっても魅力ある採用サイトを目指している。
クオレガは採用に関する包括的なサービスを提供。「FoodsLabo」含め、クライアントに対し、日々、最適な採用戦略の提案を行っている。

株式会社クオレガ https://cuolega.co.jp/
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