お返しは「クラウドファンディング限定」の要素を強く印象付ける
峠氏:基本的には、まず「クラウドファンディング限定」の返礼品やサービスを設定することです。この点、内山社長 はすでに経験者ということもあっていいアイデアがたくさん出ていました。
内山氏:プロジェクトの成立以降もお店が何年も続いていくことに目を向けて、稲葉も交えてすり合わせをしました。当初、夜の料理33,000円コースを割引してお返しにしようかとも考えたのですが、それだと購入者が限られてくると思った。そこで出てきたのは、8,000円の朝食を割引にしてお返しの主軸にすること。決して安いと言えないですが、それでも夜のコースよりは手が届きやすいと思いました。
峠氏:それに加えて、ひとりではなくペアのお返しにしました。ひとりが購入すれば、必ずもうひとり来店して、店を知ってもらえます。さらに、「銀座稲葉」オープンから2か月間は、クラウドファンディングの購入者しか朝食を食べられない、ということにしたのです。これによって、「クラウドファンディングという期間限定の商品」かつ「『うぶごえ』で買わないと食事ができない」というふたつの「限定」をつけることができました。
峠氏:飲食に限らず、クラウドファンディング全体で5,000~10,000円くらいがちょうどいいと思います。あまり安すぎても 発送物は送料がかかることを考えると購入者にしてみると割高になってしまったりもするので、そのあたりは注意が必要です。
内山氏:でも、中には10万円とか、20万円、30万円といったものも買ってくれる人がいるのですよね。実際、「銀座稲葉」で言えば年末のおせち99,000円や、カウンターもしくは個室貸し切り30万円のコースなどもお返しに入れていたのですが、購入者はいました。
峠氏:例えば、毎日来る常連さんと、月に一回来る人では、店に対する熱量が違います。じゃあ、常連さんには10回使える利用券を3 0万円で、たまに来る人には3万円くらいのお試し1回 コース、みたいな。どのような人に買ってもらいたいか、というのも考えてお返しを設定した方がいいですね。
また、現場がお返しの対応に追われてパニックにならないよう、チームで取り組むことも重要です。この点も、私たちの方で現場の方とも話し合って、オペレーションの提案や購入者リストの作成などもフォローします。
内山氏:「うぶごえ」は、PCが苦手な経営者にはリストを紙ベースで出したり、少し触れられる人にはスプレッドシートを使ったりと、店舗側のITリテラシーも考慮して対応してくれます。この点も、すごくいいと思いますね。