■「JOY弁」とは?
「JOY弁」とは、オフィスで弁当を求めるユーザーと弁当販売を行う店舗のマッチングアプリ。特徴は、ひとりのユーザーが同僚数名分のお弁当を一度に注文し、まとめて引き取りに行くというもの。引き取りに行くユーザーには、報酬として「おつかいポイント」が付与され、引き取りに行く方も、引き取りに行ってもらう方も、互いに心理的負担がない仕組みだ。
https://www.joy-ben.co.jp/
■Offisis代表 田野宏一氏
東京大学卒業後、三菱商事株式会社にてスーパー・コンビニエンスストア・外食等の食品小売り事業および 財経・投資審査業務に従事。現場の運営や物流網構築、商品開発や経営管理まで幅広く担当するとともに、企業M&Aや国内外での新規事業開発等様々な案件に携わる。その後独立し、2016年にOffisis創業。
田野氏:三菱商事で店舗ビジネスに関わる中、僕自身、最も興味があり研究していたのは、店舗のモノやサービスを消費者へとつなぐ“ラストワンマイル”(最終拠点からエンドユーザーへの最後の物流)の在り方です。既存の消費習慣の中で考えると、提供効率の向上に限界が生まれ、モノやサービスの提供方法が非合理的・非効率的なものとなってしまうのです。
色々と模索する中、あるべきラストワンマイルの形を実現するためには、「消費者の消費習慣そのものをアップデートする必要がある」と考えるようになりました。
そして、理想的な消費習慣およびモノやサービスの効率的な提供方法を検討した結果、消費者が参加するコミュニティを活用してモノやサービスを消費者に届ける“Community Based Approach”による提供モデルが最適であるとの結論に至りました。
Offisisを創業後、まずは「サービス提供の効率化」にチャレンジし、人が集まり、ニーズが集積するコミュニティに向けてサービスを効率的・効果的に届ける事業に取り組みました。具体的には、働き方改革推進に取り組む企業に対して、オフィス内遊休スペースを活用した各種サービス(マッサージや靴磨きなど)を提供し、企業・ワーカーともに高い評価をいただきました。
そして現在、「モノ提供の効率化」を実現する新たなプロジェクトとして、ソーシャルデリバリーサービス「JOY弁」を考案しました。
「ソーシャルデリバリー」とは、消費者同士が他の用事で移動するついでに物を届け合うデリバリーモデルです。従来のデリバリーモデルとは異なり、「人の役に立ちたい」と思っている一般消費者が移動するついでに配送する、効率的な仕組みです。
日本において、オフィスワーカー同士で同僚の弁当もついでに届けるというソーシャルデリバリーに似た行為が日常的に見られることから、信頼関係を構築できているコミュニティを活用したソーシャルデリバリーが日本で展開されたら、新たなデリバリーモデルとして普及していくと確信しました。
ウィズコロナ時代に拡大しているUber Eatsをはじめとしたフードデリバリーサービスですが、配送員が受け取る報酬は低く、飲食店の手数料負担は重く、消費者が負担する配送料は高いという三重苦のビジネスモデルとなっています。当社は、“Community Based Approach”の考えを取り入れたサービスを通じて、日本に「ソーシャルデリバリープラットフォーム」を構築し、デリバリー業界が抱える三重苦の解決に挑みます。
田野氏:「JOY弁」は、お弁当の注文と、注文したお弁当の受け取りを誰かにお願いできるアプリサービスです。JOY弁 アプリ上でコミュニティ内(友人、家族、同僚等)のメンバーが注文したお弁当を、代表者が自分の分を取りに行く「ついで」に仲間の分も「まとめて」受け取りに行く仕組みとなっています。「ついで」に受け取りに行く代表者には、“おこづかい”として、注文金額合計の10%のポイントが付与され、次回お弁当注文時の支払いに充当できるのが特徴です。
①代表者(=代表して受け取りに行く者)のメリット
「ついで」の配送にも関わらず、10%のおつかいポイントが付与される。
更に、複数名分まとめておつかいすることで、10%×人数分のポイントGET。
②注文者のメリット
「ついで」に「まとめて」配送してくれるため、10%の配送料で利用可能。
③飲食店のメリット
カード決済手数料を含めて10%という業界最安値の手数料で利用可能。
▲アプリでの注文の流れ
田野氏:「JOY弁」は2020年内に5つのエリアや自治体での展開を予定しています。今後も「JOY弁」を通じて日本にソーシャルデリバリープラットフォームを構築することで、あるべきラストワンマイルの形を世の中に提供したい。将来的には日本各地の消費活性化・地域活性化を目指していきます。