スペシャル企画

スペシャル企画 第6回 目からウロコの「分煙術」


あらゆる客層をターゲットにする飲食店の代表格、カフェ。そこでは、タバコを吸う人にも吸わない人にも居心地よく過ごしてもらうための様々な先駆的取組みが行なわれていた。"喫煙者と禁煙者の共存"をテーマに、飲食業界関係者の分煙に関する知識向上を目的とした同連載第5弾では、分煙導入に躊躇する経営者が抱える三つの壁、導入費、集客への懸念、デザイン性の悩みを解消し、「分煙=ハードルが高い」という先入観を払拭してくれる多彩なアイデアが詰まった都内のカフェ3軒の事例に学ぶ。

Case1/見栄えもよく、財布と地球に優しい分煙環境

"デザイン性"と"低コスト"を兼ね添え、メンテコストもタダ!

アーティスティックなラインのガラスで店内がふたつに分断されているユニークな空間設計の「MAM CAFE」。一見、ヘアサロンのような洒落たデザインのこの店は、羽田空港第一ターミナル南ウイング3階にある"カフェであり無料喫煙所"というふたつの顔を持つ空間である。

"デザイン"と"コスト"の2大問題を解消

お金をかけずに分煙環境が作れるなら教えてほしい…そんな経営者の方々に参考にしてほしいモデルがこちら「MAM CAFE」。最大のポイントは"デザイン""コスト"という分煙導入時に頭を悩ませる二大ポイントを見事にクリアしている点だ。

デザイン面においては、一般的に見られる"喫煙者を囲って閉じ込める"形式ではなく、むしろ喫煙者に開かれた空間の中で「非喫煙スペースを守るように囲う」という逆転のレイアウト。仕切りに、デザイン的なカットを施したガラスを用いることで、無機質感のあるアーティスティックな空間に仕上げるとともに、直線のガラスより視覚的に広々と感じさせることができるため居心地のよさも格段に向上。さらに喫煙室においては、入り口から部屋の奥の換気口へと空調が流れるようにして匂いや煙の外部漏れを防ぐという設計上の工夫も取り入れられている。

気になるコストは、リニューアルや居抜きを除き、新店であれば設計時に空調さえ配慮すれば特殊な分煙環境創りのアイテムは一切必要ない。さらにランニングコストもガラス清掃に掛かる手間賃程度と、ほぼノーコストで創れる現実性の高い分煙モデルとして大いに参考になる。

また、空港という様々な人が集う場所ならではの工夫として、喫煙と禁煙のスペースをあえて双方が見渡せるガラスで区切った点もユニーク。これにより両者のコミュニケーションが容易となり、例えば、家族連れのお父さんが一服したい時も子供から目を離さずタバコを吸うことができるなど、通常とは逆の発想で、視界に入るメリットを重視している。

"ひと目で分かる"というのが最も重要

「他の場所(第2ターミナルや他施設)に系列店はないのか」という質問がでるほど、ゲストに重宝されリピート率の高い同店。課題は、「無料喫煙所」としての利用方法が伝わりにくいこと。一見、普通のカフェであり、空港内の規則として店の告知をできる場所が最小限に限られていること、世の中にカフェと無料喫煙所が同じ空間にある店というのがほぼ存在しないことなどが浸透しない理由だ。「店の前で戸惑っている方にはお声掛けするなどして対応してますが、やはり"分かりにくさ"を払拭することが最大の課題。サービスがひと目で分かるというのがゲストに対して最も丁寧な接客です。皆様にとても喜んでいただいているので、もっと多くの方にご利用いただきたい。告知の方法など、今後も、色々と工夫します」(店長:須田氏)

◇「MAM CAFE」がすすめる分煙環境作りのポイント

「タバコを吸われる方も吸われない方も、どちらもお店にとっては大事なお客様です。どちらのお客様にも快適に過ごして頂くため、中途半端に分煙し、禁煙席にタバコの煙が流れたり、吸われる時に禁煙者の方の目を気にしたりしなくても良いよう、しっかりと仕切ってしまう方が、結果としてどちらのお客様にも快適に過ごして頂けるのではないかと思います」(須田氏)

◇タバコの匂いに効くアイテム!

空気洗浄機マジックボール
導入コスト:39000円~
TEL:03-5756-6366

洗練された丸いフォルムの空気洗浄機。植物成分主体の香り付き専用液をマジックボールに入れると細かいミストが発生。空気中に浮遊している有害物質を取り除き除菌してくれるほか、嫌な匂いを取り除く働きも持っている。香りや灯りも楽しめる1台3役の優れアイテムだ。空気洗浄適用範囲:33㎡(約20畳)

株式会社グローバルフォルムコンクリート(WEB

【店舗データ】
店名;MAM CAFE
住所;東京都大田区羽田空港3-3-2 第1旅客ターミナルビル3F
電話;03-5756-6366
営業時間;6:30~20:00
定休日;施設に準ずる
客単価;700円

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