高円寺に「en（エン）」がオープン。「高円寺アッカ」や「たべごと屋 のらぼう」などを経験したオーナーが開いた、旬の和食と日本ワインの店。こだわりを表現しながら高円寺の街に馴染む店づくりを意識

日本ワインで旬の和食を楽しむ酒場。ワインは「高円寺価格」を意識し990円均一に

そんな「en」のコンセプトは旬の和食と日本のナチュラルワイン。「Lanterne」や「たべごと屋 のらぼう」で学んだ和食の知識と「アッカ」で習得したワインの知識を掛け合わせたお店となっている。

フードは、齊藤氏の地元・群馬のブランド豚を使った「上州麦豚の角煮」（1200円）や、注文を受けてから炊き始める季節の食材を使った「土鍋ご飯」（1400円～）が人気メニュー。合わせて、「本日の刺身」（880円～）や、一人呑みにうってつけな「おひとり様限定ぜんざい盛り合わせ」（1200円）など、旬の魚や杉並区産の野菜を使ったメニューを提供している。基本はアラカルトだが、各カテゴリから一品ずつ注文すれば自ずとコース仕立てとなるメニュー構成に。

味付けはワインに合う味を意識し、チーズを使用したり、少し濃くしたり。基本的にワンオペのため、提供時の工程をシンプルにするべく仕込みを重視している。

人気の「土鍋ご飯」をはじめ、高級すぎる食材を使わず、大衆居酒屋が根付いた高円寺でも抵抗感なく注文してもらえる価格帯を意識している。その理由については「この価格で食べられることが高円寺だと大事なんですよね。月に数回、日常使いしてもらうというのもコンセプトの一つなので、手ごろな価格にしています」と話す。

ドリンクは「日本のナチュラルワイン」「ビール」、「サワー」、「日本酒」、「ノンアルコール」と幅広く用意。なかでも一番のウリである日本のナチュラルワインは、白・オレンジ・ロゼ・赤といった多種多様なものを一律990円で提供。フードと同じく高円寺に合った価格帯を意識して1杯1000円を超えないようにし、そのぶん銘柄ごとに量を60～100mlほどの間で調整。手ごろ感を演出した。日本産に限定したのは、和食の出汁に合う優しい味わいであることと、「日本人として日本人が造ったワインを売りたい。より多くの人に日本ワインの良さを知ってもらいたい」という思いから。「たべごと屋 のらぼう」で得た日本ワインを取り扱う酒屋とのつながりを活かし、常時10種類程度を揃える。ボトルワインも用意はあるが、その希少性から大量確保が難しいため、リスト化せずに問い合わせがある際に都度説明する。

「上州麦豚の角煮」（1200円）。JA前橋に直談判し、前橋出身ということでレアケースながら直接取引できるようになった、新鮮な上州麦豚を使用。濃いめの赤ワインに合うように、甘さを効かせしっかりした味付けに

「焼き鯖と長芋の土鍋ご飯」（1500円）。宮城県産の真鯖を塩焼きにして土鍋ご飯に。長芋のねっとりホクホク感が楽しめる一品となっている

店舗データ