コロナ禍を機に独立を決意。8年勤めた古巣に加えて、武器を増やすべく和食でも修業
高円寺駅南口に伸びる高円寺パル商店街の先、ルック商店街の一角に「en」がオープンした。古着屋や喫茶店が軒を連ね、昔ながらの様相を残す商店街で、ひときわナチュラルで柔らかい雰囲気を放つ同店。
オーナーの齊藤剣氏が飲食業を始めたのは25歳のとき。もともと美容師をしていたが、手荒れが原因で仕事を続けることができず会社員に転身。そのタイミングで、専門学校時代のアルバイト先の店長だったアッカの代表・林憲二氏から、「『高円寺アッカ』をオープンするにあたって、週1日でいいから手伝ってほしい」と声をかけられたことがきっかけだった。働くうちに飲食業の面白さに気づき、正社員として入社。そこから約8年、接客から料理まで、一人ですべての業務をこなせるほどに研鑽を積んだ。
入社当時は林氏を慕う気持ちが強く、独立願望はほとんどなかったという齊藤氏。しかし、コロナ禍で一人で考える時間ができたことで、「自分で物事を考え判断していかないと、生きていけなくなるときが来るかもしれない」と思うようになり、独立を考え始めた。
とはいえ、「アッカからの独立だと、林さんの店を超えることはできず、二番煎じのような店になってしまう」と考えた齊藤氏は、自分が好きな和食で独立するべく転職先を検討した。まずは、フレンチや和食居酒屋を展開しているシェルシュが運営する代々木上原の「Lanterne」にて1年間勤務。その後、料理や店の雰囲気が気に入っていたという西荻窪の「たべごと屋 のらぼう」にて、2年ほど料理人として経験を積んだ。
そうして準備を進めていくなかで、コロナ禍が明け、独立の機運が高まった。物件探しにあたっては「13年ほど杉並区に住んでいて、そのうち8年間暮らしている高円寺を中心に、1人でお店を回せる10坪程度の物件を探しました。土地勘もありますし、『高円寺アッカ』時代の常連さんをはじめ、知り合いが多いことから、独立店としてベストなエリアだと考えました」と齊藤氏。当初は、高円寺の不動産屋を巡るもなかなか空きがなかったが、インターネットでたまたま見つけたのが現在の物件だった。10坪の広さで、商店街に面した路面店。ほかにも複数の申込が入っていたほど人気物件だったが、幸運にもオーナーに齊藤氏の思い描くコンセプトが気に入られ、契約に至った。
店舗データ
店名 | en(エン) |
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住所 | 東京都杉並区高円寺南3-23-18 1F |
アクセス | 丸ノ内線新高円寺駅から徒歩6分、JR高円寺駅南口から徒歩8分 |
電話 | 03-5913-9522 |
営業時間 | 17:00〜24:00 |
定休日 | 水曜 |
坪数客数 | 10坪12席 |
客単価 | 5000~6000円 |
オープン日 | 2024年5月15日 |
関連リンク | en(Instagram) |