原価度外視で質にこだわる刺盛や魚料理で勝負
店内はカウンター10席と4人がけテーブル2卓。1人でも、グループでも、家呑み気分でラフにくつろげる雰囲気にした。主力メニューは、「三茶で一番」と自負する刺盛(3点盛り780円、5点盛り1380円)。魚は仕入れた日に、鮮度、大きさ、水分、温度などを確認しながら、どの部位をなんの料理に使うかを考える。そのスキルは、言葉で言い表すには難しく、経験と感覚、感性が頼りだ。さらに、山川氏は、魚の寝かせや熟成の研究にも熱心で、独自の新しい味を生みだす。「今日はカンパチ20キロ、アオリイカ3キロを仕込んだほかに、2週間前に仕入れたマグロが、まだおいしく提供できることを発見できました」と、顔をほころばせる。
味だけでなく、盛付やSNS効果を狙ったビジュアルも意識している。旨みをとじ込めた看板メニューの「カニクリームコロッケ」(2個780円)や、真っ黒になるほど時間をかけて煮込む「ブリ大根」(2人前980円)、通常は冷めたままで提供されることが多い「自家製さつまあげ」(680円)は、「一度揚げて二度目は揚げません。ふっくらしたボール型で仕込んで、食べやすくスライスして出します。これが香ばしく美味しいんですよ」と、山川氏。一期一会、その時だけのサービスを、山川氏自身が楽しみながら提供するスタイルは、他店との差別化にも繋がっている。
ドリンクは、生ビール(小480円~大1180円)、甘口や辛口までお客のお好みに合わせてバランス良く取り揃えた本日の日本酒(グラス980円、片口1580円)、海鮮と合うウイスキーやジンのハイボール(580円~)、人気のレモンサワー(中580円、大980円)までひと通りスタンバイ。メニューにはない、アッパークラスの客を意識した特別な酒(一杯3000円のテキーラ)は、ロックで提供。熟成したマグロとの相性は抜群、赤酢を使うにぎり寿司「おまかせ寿司4カン握り」(1280円)にもピッタリだという。誰かに教わったわけでもなく、自分の舌や感性を頼りに、お客との会話やニーズに答えながら、こうしたスペシャルな提案ができるのがオーナー店の醍醐味だろう。
店舗データ
店名 | お魚ダイニング ZUYA |
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住所 | 東京都世田谷区太子堂1-12-29 ダイアパレス三軒茶屋102 |
アクセス | 東急田園都市線三軒茶屋駅から徒歩5分 |
電話 | 080-3588-1434 |
営業時間 | 平日17:30 ~ 24:00(フードLO23:00、ドリンクLO23:30)、日・祝日17:00~23:00 (フードLO22:00、ドリンクLO22:30) |
定休日 | 水曜 |
坪数客数 | 10坪18席(カウンター10席、4名テーブル2卓) |
客単価 | 5000~6000円 |
オープン日 | 2024年1月28日 |
関連リンク | お魚ダイニング ZUYA(Instagram) |