スタッフが「長く、楽しく働ける会社づくり」を目指して起業
再開発により、著しく変化している下北沢エリア。駅北側の路地裏に佇むビルの2階にオープンした「呑み処 タナカたなか ハナレ」は、文字通り、駅前ながらも人でにぎわう通りからはやや離れ、隠れ家感が漂う。
オーナーの森下暁央氏は、かつて三軒茶屋にあったバー「モリッシーん家にイコイコ!!」の店長を経て、2018年に幡ヶ谷に創業店のバー「モリッシー」(2022年に閉店)で独立。2019年に三軒茶屋のカラオケバー「モリッシーん家」、2021年には下北沢に居酒屋「呑み処 タナカたなか」を開業する。コロナ禍の開業にもかかわらず、「呑み処 タナカたなか」が好調だったことから、2号店となる「ハナレ」をオープンすることになった。森下氏は飲食店以外にも事業を展開しており、都内を中心に4店舗展開する古着屋「sui」、美容室運営など美容業にも力を入れているという。
そのユニークな事業体系に驚いていると「19歳の頃から、いつか飲食店も古着屋も、美容室も自分でやりたいと思っていました」と森下氏。
「飲食業と美容業、ともに離職率が高い業態ですよね。自分も飲食店で働きながら、その背景には、一般企業と比べて労働環境が整っていないことなど、色々な課題があると感じていました。みんなが10年、20年安心して働ける環境、会社を目指して起業したのですが、やっぱり自分が好きな分野じゃないと継続できない。そういった経緯で、僕自身が好きで、身近でもあった3つの事業をスタートさせました。といってもまだ、途中なんですが」と森下氏。
既存のバー業態に加えて、食事もしっかり楽しめる店をと出店したのが「呑み処 タナカたなか」だ。料理長を務める橋本進一氏はもともと「モリッシー」の常連客で、独立開業を目指していた際、森下氏に相談を持ちかけたところ、「だったら、一緒にやってみよう」という流れになったのだとか。
長年、料理に携わってきた橋本氏が作る料理の確かなおいしさや、古民家をリノベーションしたようなモダンな空間、さらに店名にちなみ“田中”姓のお客には1品サービスなど、遊び心のあるサービスも話題になり、瞬く間に14坪で平均月商500万を超える繁盛店に。特に若い世代から評判がよく、平日でも満席になることが多い。一方で、それによって店内が慌ただしくなったこともあり、早い段階から接客、料理ともにワンランク上の店を出すことを考えていたという。
「ここは偶然見つかった物件です。住宅街に近いこともあって、立地的には居酒屋が少なかったり、まだまだマーケットは弱いと思います。ただ、今後、下北沢が変化するにつれて人の流れが変わり、『下北沢 居酒屋』などのキーワードで検索をする人も増えるでしょう。そこに魅力を感じ、空中階でも十分にネットで集客ができると思いました」。
“ハナレ”の内装は1号店同様に和がベースではあるが、麻のランプシェードなどリゾートのような印象も与える。決して広くはないが、窓が大きくベランダがある点も気に入っており「いずれ、このベランダも活用できたら」と森下氏は話す。
店舗データ
店名 | 呑み処 タナカたなか ハナレ |
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住所 | 東京都世田谷区北沢2-29-16 マガザン下北沢 201 |
アクセス | 下北沢駅から徒歩2分 |
電話 | 03-5790-9026 |
営業時間 | 17:00~24:00(L.O.フード22:30、ドリンク23:00) |
定休日 | なし |
坪数客数 | 9坪20席 |
客単価 | 5000~6000円 |
運営会社 | 合同会社TRUNK OUT |
オープン日 | 2022年10月21日 |
関連リンク | 呑み処 タナカたなか ハナレ(Instagram) |