西荻窪に「LORO KITCHEN（ロロキッチン）」がオープン。小皿イタリアンと居酒屋的アットホーム感で地域のランドマークを目指す

目指すスタイルは“居酒屋流イタリアンバル”。地道に、泥臭く街に溶け込んでゆく

オープンから間もない現在だが、売上、お客の満足度ともに上々の滑り出しを見せているという。「オープン景気もあって、今まで繋がってきた方々の来店が多いです。本当に地域住民の方々に受け入れてもらうには、これが落ち着いてからが勝負」と、井上氏。自身が大切にしてきた“地元に根差す店づくり”を続けていく考えだ。「私の店づくりのスタイルはビジョン先行型。まず『こういう店でありたい』という絵を浮かべるんです。でも、ズレたらすぐに微調整、ときには大胆に変えてしまうことも厭わない。結局、集客ができなかったら店は存続できませんから。そのためには事前のリサーチも重要ですが、やはり現場で得られる情報に勝るものはない。お客様の声、街の風情、人々の暮らしといった現場の情報をキャッチしていく。受け入れていく。私も、米田夫妻も居酒屋で“不屈の精神”を培ってきたので、そういった泥臭い闘いも楽しんでやれてしまうんです」。洒落た店構えに内包されたアツい雑草魂と、多様な来店客を受け入れる懐の広い接客は、まさに“居酒屋流”。「西荻窪に『LORO LITCHEN』あり」と名を馳せる日は、決して遠くはないだろう。

左からオーナーの井上和哉氏、米田七夏氏、米田尚之氏。仕事は丁寧なのに、トークは緩い。3人の心地よい距離の詰め方は、日を追うごとに着実にファンを増やしている

（取材＝髙橋 健太）

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