独立を見据えてベイシックスに入社。独立の地として選んだのは、学生時代から慣れ親しんだ北千住
都心へのアクセスの良さと住みやすさで、幅広い層から支持される街・北千住。駅の西口は“飲み屋横丁”があり、古くからのん兵衛の街として知られているが、東口は大型商業施設が並ぶ駅前を抜けると住宅地が広がっている。その東口から徒歩で約7分、大型団地を通り過ぎるとようやく「千住 かたすみ」はある。駅から距離はあるものの、店の目の前には東口と西口を結ぶトンネルがあり、交通量が多い。地元住民をはじめ、北千住を拠点に通勤、通学する人々をターゲットにした店をつくりたいと考えていた桶本氏にとって、この立地は好都合だったという。「このトンネルは地元の方が近道としてよく利用されるんです。移動中に目について、気になった方が来てくれたらいいなと思って」。
桶本氏は荒川を挟んだ向かい側、埼玉県の出身。学生時代にはこの街で遊び、ベイシックスに入社する前は北千住のダイニングバーで働いていたという。「この頃、お客として通っていたのが『六本木ジョウモン』です。鶏肉、豚肉、しゅうまい・・・いろんな食材を串に刺して野菜で巻く“野菜巻き”という業態は、すごくおもしろいなと思いました。ほかにはないし、すごくおいしい。いつか自分で店を持つときに、野菜巻きをやってみたいと思ってベイシックスに入ったんです」。当初は、5~6年間の修業を経て独立する予定が、実際に働いたのは11年間。「ついつい楽しくて、やめられなくなってしまって。気づいたら10年目を迎え、独立を決めたタイミングでコロナ禍になりました」と桶本氏は苦笑する。
なじみのある北千住を第一候補に、さまざまなエリアで物件を探すがなかなか見つからない。飲食店可であっても、炭火調理を理由に断られるケースも少なくない。現在の場所に辿り着くまで、相当な時間を要したという。「もともと駅前ではやりたくないと思っていたんです。想像以上に離れてはいますが(笑)、駅から離れるほど家賃は下がるし、その分、人件費や食材費に回せます。大家さんが変わるまで、重飲食不可の物件だったので、ご近所の方には『飲食店ができてうれしい』と声をかけていただきました」。
店名の由来はもちろん、この立地から。お客との距離を縮めたいとの思いから、内装はキッチンとカウンターをフラットに設計した。ミントグリーンに塗られた壁や、キッチン側の壁に埋め込まれた白いタイルが爽やかな印象を与え、アクセントの明るいオレンジが効いている。ゆったりと座れるテーブル席もある。外を通る人から店内が見えるよう、入口側の壁には大きな窓を配置した。「自分が働いていた『吉祥寺ジョウモン』は、お一人様も、学生も、社会人も、ファミリーも、みんなが集うお店でした。この店もあんな風に、誰でも気軽に来られる店にできたらと思っています」。
店舗データ
店名 | 千住 かたすみ |
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住所 | 東京都足立区日ノ出町39-3センターコーポ北千住1F |
アクセス | 北千住駅から徒歩7分 |
電話 | 03-5284-7939 |
営業時間 | 17:00~23:30 (料理L.O. 22:30 ドリンクL.O. 23:00) |
定休日 | 不定休 |
坪数客数 | 12坪26席 |
客単価 | 4500円 |
オープン日 | 2022年3月21日 |
関連リンク | 千住 かたすみ(Instagram) |