カフェ開業を夢見て25歳で上京
吉祥寺から三鷹方面に向かって続く中道通り。井の頭公園からもほど近く、観光客が多いエリアではあるが、商店街の利用客には地元住民も多い。この中道通りにあるビルの地下にオープンした「小料理酒場 小さな巨人」は、そんな地元住民をターゲットにしたカウンターのみの小さな店だ。
オーナーの真船氏は、学生時代から自分の店を持つことを夢見ていたという。「もともとはカフェをやりたかったんです。大学の研究室でコーヒーを淹れていたら、自然にみんなが集まってきて、雑談が始まって……ということがよくあって。この光景がすごく素敵だな、いつかこんな雰囲気のお店をやりたいなと思っていました」。
大学卒業後は茨城県の企業に就職してデザイン関連の仕事に就くが、社内の飲食事業部門を手伝うようになり、いずれカフェを開業するなら本格的に料理を学びたいという思いが高まり25歳で上京。東京で初めに働いたのが「ura ebis.(ウラエビス)」だ。「先輩にいろんなことを教わっていくうちに、料理がどんどん楽しくなっていきました」と真船氏は32歳で独立するという目標を掲げ、さらに腕を磨くために秋葉原でワインを軸に多ジャンルの業態を展開する「葡萄屋」グループに入社。真船氏は焼鳥をメインとする「やきとりwine炭葡萄」、小料理屋風「和食葡萄屋」、ワインバー「酒場 晩葡(バンブー)」(現在は閉店)の3店舗で経験を積んだ。「独立しようと思ったタイミングでコロナの影響を受け、実際には予定していたよりも1年遅れての開業になりました。本当はホールスタッフと2人で店を回すことを考えていたのですが、先が見えない状況の中で人を雇うことに不安があり、ひとりでも回せる規模の店に変更しました」。
初めて店を構える地に吉祥寺を選んだ理由を尋ねると「吉祥寺は比較的、ゆとりのある方が多い街。この道は住宅街に向かって続いているので、地元に住んでいる方が多く通ります。そんな地元の方が常連さんになってくれたら、自分ひとりでもやっていけるかもしれないと考えました」と真船氏客席はカウンター7席。どの席からもキッチンに立つ真船氏の一挙手一投足が良く見える。「本当はスチームコンベクションオーブンも置きたかったのですが、場所がなくて……」と真船氏は苦笑するが、大型冷蔵庫をはじめ、キッチンの設備はかなり充実している。カウンターや通路もゆとりを持った設計にし、訪れる人に窮屈さを感じさせないよう、工夫されている。
店舗データ
店名 | 小料理酒場 小さな巨人 |
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住所 | 東京都武蔵野市吉祥寺本町2-19-7みすずビルB1F |
アクセス | 吉祥寺駅から徒歩5分 |
電話 | 0422-27-1887 |
営業時間 | 平日18:00~24:00、土日祝14:00~24:00 |
定休日 | 水曜 |
坪数客数 | 約8坪7席 |
客単価 | 4000円 |
オープン日 | 2022年3月12日 |
関連リンク | 小料理酒場 小さな巨人(Instagram) |