渋谷に海鮮居酒屋「渋谷 きときと」がオープン。数多くの店舗でマネジメントの手腕を発揮してきた31歳の経営者が、緻密なマーケティングとSNS戦略を駆使してスタートダッシュを切る

店舗運営と派生するビジネスのパッケージ化で、飲食業界の働き方改革を目指す

10月8日の開業からそれほど期間は経っていないが、オープン景気に加えてSNS戦略での認知の広がりが大きく、順調な推移で進めているという。「インスタを見ていらっしゃるのは女性のお客さまですね。二人組できて、日本酒をしっかりと飲んでくれるパターンが多いです」と、横手氏。

今後については、飲食業界のイメージアップへの貢献を視野に入れている。「一般的に、飲食業界は労働環境が過酷であるイメージを持たれていて、実際にそういった環境の店舗も多いのだろうと思います。けれども、コロナ禍があって、お店の運営をしているだけでは今後苦しくなる、ということに多くの人は気づいたはず。きっと、従来の飲食業界のイメージにある、『馬車馬のように働く』という働き方とは、別のスタイルを見出していくときが来ているのだと思うんです」。例えば、店舗へのお客の流入が増えたら、そこからグッズ制作などの新たなインカムに派生。さらにはそれらをパッケージ化して広く展開するなど、収益の流入経路を増やすことで、働く人の収入と自由な時間を増やしていく考えだ。「現実的にみて、40代、50代と現役を続けていくことは難しいと思うんです。心身の負担を減らして、長期に渡って働いていく方法を考えていく。もちろん、それには店舗の黒字化は大前提ですが、そこは、数々の店舗で利益を出してきた私の得意とするところ。培ってきたマネジメント能力とマーケティング戦略を活かしたサポートをパッケージに加えることもできるでしょう。今は、そういった構想を『きときと』でカタチにすべく、『自店舗のマーケティングの途中』といったところですね」と、横手氏は語る。新進気鋭の経営者は、飲食業界での働き方や経営スタイルに新たなロールモデルを作るに違いない。今後の展開に、期待が膨らむ。

左から料理長の坂野裕平氏、オーナーの横手和愛氏、演出プロデューサーの高嶋優氏。三者三様の強みを活かして店舗を盛り立てる！

（取材＝高橋 健太）

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