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恵比寿に「とり料理 鳥者」がオープン。「創作鉄板料理 粉者」をグループ展開するタガタメの新業態、鮮度にこだわった銘柄鶏のとり料理で新境地を開拓

恵比寿に「とり料理 鳥者(ちょうじゃ)」が開業した。3月下旬からプレオープンし、4月8日に正式開業した形だ。経営は千葉県や東京都内で「創作鉄板料理 粉者(こなもの)」を多店舗展開するタガタメ。A5ランクの和牛ステーキやシャトーブリアンなどを使った上質な鉄板焼きコースを、高級店のおよそ半額で提供する高コスパで人気を博している。これまでは牛肉主体だったが、グループ6店舗目は初の鶏肉業態に挑戦。鮮度重視の銘柄鶏を使ったとり料理で、よりカジュアルな楽しみ方ができる店へと認知をはかる。店長に就任した中村雄太氏に、出店経緯や新店にかける思いを聞いた。

別社の鶏焼肉店を居抜きで活用。各テーブルの焼き台はそのまま利用し、高級感のある内装にチェンジした
入口すぐの場所にある完全個室。隠し扉のようになっており、人目を避けたいお客のニーズにも応える
とり焼肉、またはとり鍋コースがメインだが、前菜やアラカルトも充実。盛り合わせの「おまかせ」は3品、4品、5品を展開(いずれも時価)
お店イチオシのは鶏白湯スープの「鳥鍋」。〆はとり鍋に合う中華麺を入れて追い麺に
店長・総盛長を務める中村雄太氏。「総盛長」とはグループ内全店舗の盛り付けを監修する立場で、約1年前に拝命された

(取材=田窪 綾)


年1店ペースで開業。坪月商50万を突破する「粉者」が初の鶏肉業態に挑戦

「とり料理 鳥者」を運営するタガタメ(千葉県船橋市)、代表取締役の鈴木雅史氏はアパレルショップ勤務を経て、24歳で実家のお好み焼き店の経営に携わる。従来のアラカルトメニューから980円食べ放題のシステムを取り入れるなどのアイデアで売上拡大するも、一方で食材ロスの増加に苦しんだ。そこで鉄板を使った創作料理をメニューに加え、客単価や満足感の向上に取り組んだことが創作鉄板料理店への構想のきっかけになった。

その3年後「今までにない鉄板焼き店をつくりたい」と27歳で独立。2013年、同じ船橋市内に「粉者」を開業した。A5ランクの黒毛和牛は部位ごとに塊で仕入れ、端材は煮込みやそぼろに使うなどロスを出さない工夫でハイコスパを実現。高級ホテル等では4~5品で客単価10000円超えになる鉄板焼きのコース料理を、10品5000円前後に抑えた価格設定を打ち出し、一躍繁盛店の仲間入りを果たした。その後も「スタッフに挑戦の場を与えたい」と年1店のペースで「粉者」グループを拡大。社内独立で店舗を譲る環境づくりを整えている。

現在は船橋市内ほか、東京都内では錦糸町、人形町、田町などで創作鉄板料理店、焼肉店を展開。2019年には船橋の「創作鉄板焼粉者」と人形町の「粉者牛師」が坪月商50万超えを突破している。コロナ禍で既存店の売り上げは昨対5~6割ほどに落ち込んではいるものの、船橋や錦糸町などの住宅立地は7割ほどに盛り返している。

目指すは社員全員独立。幅広い経験を積むための新業態

これまで牛肉をメインに扱ってきた「粉者」。初の鶏肉業態へのチャレンジも、スタッフの経験値をアップさせ、将来的に独立へとつなげるためだという。「タガタメは“社員全員独立”が目標です。(代表の)鈴木は店舗展開を計画する中で、以前から鶏や豚を使った業態開発にも着手したいとの考えがありました。焼き手に技術が必要な鉄板料理とは異なり、お客様自らで調理する焼肉店が成功したのも後押しになっています。今回、鶏焼肉店の居抜き物件が見つかったので、コロナ禍でも思い切ってやってみようと」。そう話すのは、新店「鳥者」の店長を任された入社7年目の中村雄太氏。自治体の準公務員として安定した生活基盤を築いていた中村氏だが、もともと親交があった鈴木氏が有言実行で店舗展開していく姿に感銘を受け、未経験ながらも飲食業界に転身。以来、「粉者」で創作鉄板料理を、「牛者」では焼肉をと、接客・調理全般の経験を積んできた。同店では店長だけでなくグループ全体の盛り付けを総括する「総盛長」も兼任する。

「鳥者」には、鈴木氏と親交が深い有名焼肉店のオーナーが内装やメニューの監修を手掛けているという。店舗は恵比寿駅から徒歩3分のビル5階に立地。4名掛けのテーブルほか、他のお客と顔を合わせたくないお忍び芸能人にもぴったりな扉付きの完全個室も備える。各テーブルに設置された無煙ロースターはそのまま使用するが、グループ全体が掲げる“和モダン”のコンセプトに合わせ、壁は黒に塗り替え、木の温かみを感じる扉を設置。シックで落ち着いた雰囲気を演出する。

銘柄鶏を丸ごと仕入れて使う、多彩なとり料理

メニューの要となる鶏肉は、山梨の銘柄鶏。現地の農場で1番遅い時間に屠殺し、丸鶏のまま東京に運んでいる。契約の鶏業者にトリミングしてもらう鶏肉は鮮度が良く、繊維質を残しながらもやわらかく食べられる。

イチオシは「とり焼肉」と「とり鍋」。「焼肉セット」は1人前で肉各5切れがついて2500円。ここに「サンチュセット」や「名物北京バードセット」(いずれも6枚500円)など好みのセットを追加する。「とり鍋セット」は1人前でネギ、麺、肉各5切れがついて2500円。2人前から注文を受け付ける。こちらは試行錯誤して作り上げた鶏白湯スープが特徴で、「追いゴマぽん」「追いポン酢」(各280円)や「自家製ごま醤油」(280円)などで味変も楽しめるメニューだ。また、仕込みに2時間をかけるこだわりの「特製ねぎ」(100g 500円)や、とり鍋のための特製麺(500円)も用意する。

その他、アラカルトも充実。「とりのたたき」(薄切り6切れ880円、厚切り6切れ880円、2種盛り各4切れ980円)や「鳥軟骨の梅水晶」(580円)も自慢の一品だ。色々楽しみたいお客のために、5品前後の「必殺」(1名4800円)「飛切」(1名3800円)という2コースも揃えている。

ドリンクは既存店とほぼ同じ構成。「粉者」ブランドで人気の「どっさり生レモンサワー」(638円)ほか、オリジナルワインも並ぶ。赤・白ともにグラス1000円~、ボトルは3000円~でイタリア産中心。店内には40~50本ほどを収納するワインセラーも設置されている。

注文はお客が備え付けのQRコードを読み込むセルフオーダー式。メインとなる鳥焼肉、鳥鍋も基本的にはお客自身の調理で、会計も完全キャッシュレスになるためオペレーションの簡素化も叶う。スタッフは2~3人ほどで営業する予定という。

営業基盤を固め、今後はFC化も視野に

プレオープンを踏まえ、4月8日に正式開業した「鳥者」。「今後は営業基盤を固めながら、FC化を視野に入れていければ」と中村氏。自身も3年後に独立を目指しており、タガタメ初の業態を軌道に乗せるべく尽力するという。

 

店舗データ

店名 とり料理 鳥者(ちょうじゃ)
住所 東京都渋谷区恵比寿西1-7-2 ビッグストーンビル5F

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アクセス 恵比寿駅西口から徒歩1分
電話 03-6433-7949
営業時間 17:00~23:00 (料理L.O.22:00 ドリンクL.O.22:30)※コロナ禍のため変更あり
定休日 無休
坪数客数 17坪 テーブル28席(ほかカウンター4席あり、コロナ禍のため密を避けて閉鎖)
客単価 5000~6000円
運営会社 株式会社 タガタメ
オープン日 2021年4月8日
関連リンク 粉者グループ(HP)
関連リンク とり料理 鳥者(Instagram)
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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