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学芸大学のカウンタービストロ「Et-Ça-Qu’est(エサケ)」が業態変更し、「洋食ノスリ」として新装オープン。フレンチ×洋食と自然派ワインで大人がくつろげる場を目指す

駒沢大学の人気店「bistro-confl.(ビストロ コンフル)」の姉妹店として2月13日、学芸大学に「洋食ノスリ」が開業した。ハンバーグや海老フライなど馴染み深い定番の洋食がメインだが、使用する食材やソースづくりにひと工夫。姉妹店で培ったフレンチのエッセンスを加え、ユニークな特徴を打ち出している。お酒も自然派ワインを中心に“飲める洋食店”として展開する。同店はもともと昨年までシンプル&カジュアルをテーマにしたビストロ「Et-Ça-Qu'est(エサケ)」として営業していたが、コロナ禍を機に改めてコンセプトを見直し、洋食業態へとリニューアル。コロナ禍にもマッチした店づくりを行っていく。

二面ガラス張りと、新装オープンで塗り替えた白い外観が特徴的。地名の“鷹番”にちなみ、小さな鷹の仲間“ノスリ”を店名とロゴに冠している
パリの街角をイメージした店内。前身の店「Et-Ça-Qu'est」から内装はほぼ変えていないが、今後床をタイル張りにするなどの構想がある
鴨ミンチと手切りの鴨むねを合わせた「鴨ハンバーグ」。オレンジを加えたデミグラスソースでじっくり煮込んだ一品
一尾まるまる使う「オマール海老フライ」。甲殻類と相性の良いトロピカルなマンゴーソースと一緒に。付け合わせはブロッコリーときゅうりのサラダ
「ノスリ」シェフの岡田伸之氏と、オーナーの倉田俊輔氏(右)。平日は2人体制で切り盛りし、土日祝のみ倉田氏が「ビストロ コンフル」へ、岡田氏はワンオペで営業を行う

(取材=田窪 綾)


駒沢大学で息長く続くビストロの2号店、試行錯誤を経てリニューアルオープン

立地は学芸大学駅から徒歩5分、駒沢方面に出るバス通り沿いの路面角地。カウンター席のみ6坪のこぢんまりとした店内で、一人客でも気軽に入りやすい雰囲気になっている。

運営は倉田家(くらたや/東京都世田谷区)。駒沢大学で地元客を中心に人気を博す「ビストロ コンフル」も経営する。取締役社長の倉田俊輔氏は大学時代、「モンスーンカフェ」でのアルバイトをきっかけにグローバルダイニングに入社。メキシコ料理店「ZEST CANTINA」、イタリア料理店「Cafe La Bohéme」などでサービス経験を積み、4年後には「より専門的な知見を身に着けたい」と「フミーズ・グリル」などを展開するエーディーエモーションに入社。 “カリフォルニア・キュイジーヌ”と呼ばれる業態の「カーディナス・チャコール・グリル」(現在は閉店)で料理やワインも学んできた。その後、西麻布のダイニングでの店長や大手企業でのカフェ・レストラン業態も経験し、28歳でフレンチシェフと2人で独立。「ビストロ コンフル」の前身となる「ル・ソルシエ」をスタートさせた。同店はプレフィックスコースのみで営業していたが、共同経営の難しさに直面し1年後に閉店。倉田氏は個人で独立し、同じ場所に「ビストロ コンフル」を立ち上げ再出発をはかる。季節ごとの食材を使った30種ほどのアラカルトとともに自然派ワインを提供。前身の店とは一転し、自由さを売りにした同店は40代~60代の近隣客を中心に徐々に認知され、13年目の現在は毎年増収増益の堅調ぶりを見せている。

2号店オープンも、迷いの中でコロナ禍に。テイクアウトをきっかけに洋食に商機を見出す

「2店舗目は、『コンフル』の魅力がギュッと詰まった小さなビストロに」と2019年7月に開いたのが「洋食ノスリ」の前身となる「エサケ」。しかし実際にオープンすると、倉田氏自身の思い描く方向性と差異が出てきたという。「多彩な店や人が集まる学芸大学エリアにせっかく店を開いたのだから、もっと面白い店づくりがしたい」と、迷いが生じ始めた頃にコロナ禍に。倉田氏は「テイクアウトを始めると、鴨のコンフィや牛ほほ肉の赤ワイン煮込みよりも、馴染みのあるハンバーグやチキンカツの方がお客様は喜んでくれるんです。ならばこの機会にいったん休業し、改めてコンセプトを見直そうと考えました」と当時を振り返る。

このエリアにはもともと洋食店がほとんどなく、さらに言えばお酒が飲める洋食店自体が少ない。「コンフルで培ったフレンチをベースに、エッジの効いた洋食をつくってみてはどうか。好みのワインと一緒に2~3品を楽しむ業態なら一人客でも訪れやすく、数時間しか営業できないコロナ禍でも無理なく提供できるのでは」と2021年2月、「洋食ノスリ」としてリニューアルオープンを果たした。

「鴨×オレンジ」など、フレンチの要素を加えた洋食を提供

「洋食ノスリ」イチオシの品は、フレンチの定番食材である鴨を使った「鴨ハンバーグ」(1800円)。オレンジを加えたデミグラスソースで煮込み、鴨×オレンジという相性の良さを洋食の形で表現している。また、倉田氏が「看板メニューにしたい」と意気込むのは、オマール海老をまるごと一尾揚げる「オマール海老フライ」(2500円)。「原価率は50%ほどになりますが、見た目のインパクトも抜群。お客様に楽しんでもらえたらと考えています」と語る。その他、「チキンカツ ウスターソース」や「ポークソテー にんにくバターしょうゆソース」(各1500円)、「ハヤシライス」(1000円)などを揃える。さらに「ビストロ コンフル」でも人気の「ふきのとうとじゃがいものコロッケ」(1個400円)なども並び、季節を感じられる一品を提供していく。

ドリンクはグラスワインが中心。野生酵母を用いた銘柄を基準に、赤・白・スパークリングなど800円~1300円前後で個性豊かに揃える。その他、「ハートランド小瓶」(600円)、食後酒は甘・辛(各種1000円~1500円)、ノンアルコールビールやフランス産ブドウジュース(各600円)をラインナップ。上質な料理を適正価格で提供することをモットーに、客単価は7000円~8000円を想定する。

洋食を通して、多くの人に楽しんでもらえる空間に

コロナ禍のため現在は席数を減らし、稼働率6割ほどで営業中。開業当初は人手が足りず倉田氏がワンオペで7席ほどを回していたが、最近になり岡田伸之氏が入社し2人体制に整った。

倉田氏は「私が飲食業界に入ったのは、レストランという空間に憧れ、グローバルダイニングで楽しみながら働く人たちを恰好良く感じたから。独立した今もその気持ちを忘れず、働く自分たちも楽しめるお店をつくりたいと思っています。まだ手探り状態ですが、『洋食ノスリ』独自のカラーをつくり、お客様に親しんでもらえる店に成長させていきたいですね」と笑顔を見せる。すでに3店舗目の構想もあり、新たな業態にチャレンジしていきたいと今後の展望を語ってくれた。

店舗データ

店名 洋食ノスリ
住所 東京都目黒区鷹番3-14-20

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アクセス 東急東横線 学芸大学駅西口から徒歩5分
電話 03-6874-7682
営業時間 17:00~25:00(L.O.24:00)※コロナ禍のため変則営業中
定休日 火曜、第一月曜
坪数客数 6坪カウンター12席(現在は7席に縮小中)
客単価 7000~8000円
運営会社 株式会社 倉田家(くらたや)
オープン日 2021年2月13日
関連リンク 洋食ノスリ(Instagram)
関連リンク 洋食ノスリ(Facebook)
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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