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西荻窪にビストロ「Pic Nic Tokyo(ピクニック トウキョウ)」が開業。京都・四条烏丸で固定客をつかんだ「Cuisine Bar Café Picnic」に続く2店舗目として東京に進出

11月2日、西荻窪に「Pic Nic Tokyo(ピクニック トウキョウ)」が開業した。オーナーはフランス料理店やすし店、ケータリングなど国内外で多様な料理経験を積んだ増子裕樹氏。京都・四条烏丸で固定客をつかんだ「Cuisine Bar Café Picnic」に続く2店舗目として東京に進出した形だ。フランス伝統の加工肉食品を中心に、看板メニューの「パキスタンカレー」はじめ様々なエッセンスを加えた創作料理を提供する。

西荻窪駅北口から徒歩5分、バス通りから1本入った路地だが、通勤・通学の地元住民が多く通る道沿いにある。ガラス扉や黒板にメニューを書きアピール。フランスの国旗はお客からのアドバイスで取り付けた
ライティングや天井のカーテンレールはブティックの名残をそのまま生かした。異国情緒も感じられる内装は京都の店を踏襲している。テーブルや椅子、スピーカーは1960年代のヴィンテージで、お客との会話にのぼることも
フランスの古典レシピ通り豚肉100%で作る「パテ ド カンパーニュ」(右/780円、)はピスタチオ入り。ほか、3時間火入れする「地鶏レバーのレバーパテ」(左/600円)などが並ぶ
オーナーシェフの増子裕樹氏。多彩な修業経験があり、すしも握れるという

スタイリストから料理人へ転身。国内外で得た幅広い食経歴を活かす

服飾専門学校を卒業後、スタイリストとして雑誌や映画で活躍していた増子氏。その後学生時代からのアルバイトで馴染み深かった飲食業界へ進み、フランス料理店からすし店まで多種の業態を経験した。フランスに渡ると出張料理人として勤務。ヨーロッパで腕を磨き、アジアでも食文化を学んだ。のちに知人から「店を手伝ってほしい」との依頼を受け、東京から京都へ移り住む。「その店は期間限定だったので、その後は別の店で働きました。でも京都の賃金は東京よりも安い。雇われで稼げないなら自分で店をやろうと思ったんです」と増子氏は当時を振り返る。

土地勘がないまま物件探しを始めたが、半年後には京都の人気エリア・四条烏丸に良物件を見つける。旧知の仲間をスタッフに迎え、2014年に「Cuisine Bar Café Picnic」をオープン。フランス伝統のパテドカンパーニュやソーセージをメインに、ワインを楽しむコンセプトで始めたバー&カフェは、地元情報誌で表紙を飾るなど開業時から話題になった。7年目の現在は固定客がつき売上は安定している。

2店舗目の出店を視野に入れたのは、東京オリンピックを間近に控え、大阪万博も決定した約2年前。「コロナ禍になる前はインバウンド消費への期待で、京都には東京だけでなく中国資本も流入し、家賃が値上がりしてきていました。新たな稼ぎ口が必要と考えたんです」と増子氏。「それに、私は同じ場所で同じことをしていても飽きてしまう性分なんです。新しくチャレンジがしたいという思いもありました」とも。京都と東京2拠点の物件探しを同時進行で進め、契約したのは、西荻窪駅北口から徒歩5分の場所にある元ブティックの物件だった。「もともと杉並区に12年住んでいたので地域の様子はよく分かっていました。ここは駅から近いし人通りもある。軌道に乗った京都の店は既存スタッフに任せ、しばらくは東京の店舗に注力するつもりです」と語る。

ワインに合うフレンチ寄りの創作料理。京都と東京で好まれるメニューが異なることも

料理は京都と同様、フレンチをベースにした創作料理だ。「パンとチーズ、サラミ、生ハム以外はすべて自家製」と増子氏。「焼きナスのディップ」(500円)「あおさのバタートースト」(500円)といった前菜に、「真鯛とオレンジのスープ」(700円)、「舞茸と金柑のグラタン」(850円)などの変わり種も提供。「アンチョビ赤カブの乗ったポテサラ」(650円)はロシア料理をアレンジしており、見た目にもインパクトのある一品になっている。売れ筋は「パテ ド カンパーニュ」(780円)ほか、鶏出汁で煮込んだリエット「豚肩のディップ」(600円)など、シャルキュトリと呼ばれるフランス伝統の加工肉料理。2種類の自家製ソーセージやベーコンが楽しめる「シュークルート」(2400円)や「カスレ」(1500円)など煮込み料理も並ぶ。

また、増子氏が現地で食べたカレーをもとに再現した「パキスタンカレー」を提供していることも特徴的だ。骨付き鶏もも肉を丸ごと1本のせる「昼のパキスタンカレー」(1200円)は同店の人気メニューに成長し、オリジナルパッケージとして商品化することに。骨付きのままではパウチが特注になってしまうため、鶏むね肉を使った「夜のパキスタンカレー」(800円)を新たに開発。現在では2種類のパキスタンカレーを提供する。レトルト商品は京都・東京の両店で500円で販売するほか、卸販売(600円/税抜き)も行っているという。

その他、土日祝はランチも営業中。メニューは上記のカレーほか、ハンバーグを3種展開している。

東京店オープンから約2ヶ月、増子氏は京都と東京で注文されるメニューに違いがあると感じているという。「京都は『京都平井牛のステーキ』(100g/1600円)や『ラムチョップ』(100g/800円)など分かりやすいスタンダードな料理が好まれますが、東京では先に挙げたパテやリエットなど日本人にとって目新しいものがよく出ます。『アンチョビ赤カブの乗ったポテサラ』は東京用に開発しました。どちらも良く出るのは自家製ソーセージやカレーですね」と違いを話す。

ドリンクはビール、ワイン、ハイボール、割り物と多彩だが、ワインが主力に。グラスワインは赤白それぞれ300円、500円、800円、1000円の値段別に4種類を用意し、フランス、イタリア、スペインを中心にそのときどきの銘柄を提供する。ほか、ボトルワインは3000円~、「ホットワイン」(700円)など。どれも必ず試飲し、増子氏自身がおいしいと記憶に残っているものをラインナップに選んでいるという。京都にしか卸さないインポーターのワインを提供することも。12月からはコロナ禍の時短営業により3種の昼飲みセットを考案。「Aセット ワイン3杯+1品」「Bセット ワイン1杯+3品」「Cセット 生ビール1杯+2品」(各1000円)が好調で、お客の要望により夜でも提供を開始している。

今後は商圏拡大とスタッフの育成、物販強化に注力

客層は近隣住民が中心で、とくに50代前後がよく訪れるという。ソーシャルディスタンスを意識し席を間引いてはいるが、毎日1度は満席になる。今後は西荻エリア以外からの集客に注力していく。

また、現在アルバイトや広報スタッフはいるが、料理は増子氏がほぼひとりで担当しているため「店を任せられるスタッフを育成していきたい」と話す。自身は「パキスタンカレー」の物販を強化していきたい考えだ。「今は食品会社に製造を依頼していますが、ゆくゆくは自ら工場をもち製造から販売まで一元化したいと思っています。地方であれば土地代も抑えられ雇用も生まれる。出身地の福島に建てることも視野に入れています」と増子氏。業態やジャンルにこだわらない同店の展開に注目だ。

(取材=田窪 綾)

店舗データ

店名 Pic Nic Tokyo(ピクニック トウキョウ)
住所 東京都杉並区西荻北3-31-7石田ビル1F

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アクセス 西荻窪駅北口から徒歩3分
電話 03-5311-1031
営業時間 17:00~24:00(LO23:00)※コロナ対策のため変動の可能性あり 土日祝ランチ12:00~15:00(LO14:30)
定休日 不定休
坪数客数 10坪18席(内テーブル10席、カウンター8席)
客単価 3000円
オープン日 2020年11月2日
関連リンク Pic Nic Tokyo(Instagram)
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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