飲食店展開中のベアードブルーイングに入社。4年間店長を経験
「学生時代から普通の会社員には向いていない気がして、飲食店経営の道を考えていた」と語るのは、オーナー中山仁志氏。新卒でブリティッシュパブの「HUB」を全国展開するハブ(東京都千代田区、代表:太田 剛氏)に入社し、店舗スタッフとして3年ほど働いた後に退職。その後1年弱、バックパッカーとしてアジアを中心に世界を渡り歩いた。帰国後も居酒屋など飲食店に勤め、直近はベアードブルーイング(静岡県伊豆市、代表:ベアード ブライアン エッシェルマン氏)の「ベアード タップルーム」に在籍。「転職先を探していたとき、ちょうどクラフトビールブームが盛り上がりはじめた頃でした。興味が湧いて、当時関東エリアに店舗展開をはじめていたベアードブルーイングに飛び込みました」と中山氏。店舗スタッフとして、焼鳥とクラフトビールをコンセプトにした原宿店、ピザとクラフトビールの中目黒店で、計7年間勤務。中目黒店では店長職を4年間全うし、2019年5月、自身のステップアップのために退職。独立開業へと歩みを進めた。
バックパッカーとクラフトビール業界の経験から業態を考案
店の構想が生まれたのは、約4年前。バックパッカー時代に魅せられたタイに何度も足を運び、現地の飲食トレンドを肌で感じたのがきっかけだ。「ここ数年、バンコクはオシャレでかっこいい飲食店が増えていて面白い。日本でタイ料理店というと屋台のイメージが強いですが、もっと現地のトレンドをピックアップした感度の高い店を作りたいと考えました」と同氏。さらに自身が得意とするクラフトビールを組み合わせれば、幅広い提案ができると閃き、タイ料理×クラフトビールの業態が生まれた。
「女性が男性を連れてきたくなる」、おしゃれな空間に
当初、物件は同氏の地元である中目黒、恵比寿周辺エリアを希望。細かな条件を定めず、間口の広い路面店を探すも家賃が高く断念したという。同時期に「こんな物件が理想」とベンチマークにしていた幡ヶ谷の焼菓子店が閉店。偶然にも空き物件となり、飛びついたという。「駅近の路面店で立地がよく、天井が高くて開放感もある。駅周辺に住んだ経験から、クラフトビール専門店が少なく、近隣住民は独身で20代〜40代が多いことも知っていました」と同氏。店がエリアの需要にマッチすると考え、契約に至った。
店内は14坪21席。居抜きで引き継いだものの飲食スペースや調理設備が整っておらず、ほぼスケルトンにしてイチから作り上げた。厨房には本格的なタイ料理を作るために焼き台を設置。内装は”女性が男性を連れてきたくなる店”を意識。コンクリート打ちっ放しの高い天井を活かしつつ、白と木目を基調に仕上げ、カフェのような抜け感のある雰囲気を演出した。
つまみ料理を中心に現地に忠実なタイ料理を用意。コアな品もラインナップ
料理は一皿2、3人前で、酒に合うつまみ料理を多めにラインナップ。名物は、タイのグリルチキン「大山鶏のガイヤーン」(1200円)、限定5食のタイ式ビーフステーキ「クライングタイガー」(1700円)、豚串焼き「ムービン」(2本 700円)など、肉のグリル料理。加えて、定番メニューの春雨サラダ「ヤムウンセン」(850円)、青パパイヤのサラダ「ソムタム・タイ」(750円)から、揚げ卵のタマリンドソースがけの「カイルーククーイ」(650円)、ドライビーフの素揚げ「ヌアデートディアウ」(800円)まで、コアな料理も揃える。どれも中山氏がタイで食した味わいをベースに研究を重ねたという。「メニュー表には現地のメニュー名をそのまま使い、あえて写真も載せていません。スタッフとコミュニケーションをとりながら、新しい料理に挑戦する感覚も楽しんで欲しい」と同氏は話す。
クラフトビールは全て国産。タイ風サワーも人気
ビールは6タップあり、全て国産のクラフトビールで揃えて樽替わりで用意。450mlが1000円〜1200円の価格帯で提供する。「タイ料理とよく合うラガーを1種類仕入れることは決めていますが、それ以外はメーカーやビアスタイルのこだわりはありません。店のインスタグラムを通じて、様々な醸造所から売り込みがあるので、先入観にとらわれず、美味しいと思ったビールを仕入れていきたい」と中山氏。
クラフトビール以外にも「チャーン」(650円)、「シンハー」(650円)などタイでメジャーなビールも揃え、タイ風のサワー類やハイボール、タイ米焼酎「モンシャム」(550円)、タイウイスキーなども用意。特に、トムヤムクンで使用するハーブを焼酎に漬け込み、炭酸水で割った「トムヤムハーブサワー」(550円)、チューハイにタマリンドを加えた「タマリンドサワー」(500円)が人気だという。
現在の客単価3500円ほど。狙い通り20代から40代の女性客が中心で、近隣住民が多く訪れる。また、元店長の独立を聞きつけた「ベアード タップルーム」の常連や、業態の面白さに惹かれて来店する同業者、クラフトビールマニアも少なくない。
今後店舗としては、オペレーションをブラッシュアップし、メニュー数を増やしていく予定。売上の動向によっては、店舗展開もやぶさかではないという。加えて中山氏は「色んな料理を経験してきたので、全く別の業態もやってみたい。店を走らせながら考えていきます」と語った。
店舗データ
店名 | LaLa Chai thaifood & craftbeer(ララチャイ タイフード&クラフトビール) |
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住所 | 東京都渋谷区幡ヶ谷2-18-4カナデール幡ヶ谷1F |
アクセス | 幡ヶ谷駅から徒歩2分 |
電話 | 03-6383-4431 |
営業時間 | [月・水・木・金] 17:00~24:00 [土・日] 12:00~24:00 |
定休日 | 火曜日 |
坪数客数 | 14坪21席 |
客単価 | 3500円 |
オープン日 | 2020年2月1日 |
関連リンク | LaLa Chai thaifood & craftbeer (FB) |
関連ページ | LaLa Chai thaifood & craftbeer (Instagram) |