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ワイン酸化防止装置の会社が仕掛けるスタンディングバー「國酒文化振興酒場 佐賀」が大井町に開業。佐賀の日本酒200種以上を揃え、常に開けたての鮮度で提供!

9月20日、大井町に「國酒文化振興酒場 佐賀」がオープンした。佐賀県の酒蔵で造られる日本酒を200種類以上取り揃えるスタンディングバーだ。運営は、ワインの酸化防止装置「WHYNOT」の国際特許を持つフレッシュテック・スタイル。創業者・吉田英治氏の「日本酒の魅力を世界へ発信したい」という思いの元に開業した。同店では「WHYNOT」を日本酒に応用し、数多くの銘柄を扱いながらもすべて開けたての鮮度で提供しているのが特徴だ。

大井町駅から徒歩4分。大通り沿い、閑静な住宅街付近に立地する
奥に伸びる店内にはロングカウンターが鎮座。立ち飲みで思い思いに日本酒を楽しめる
元はワイン用に開発された酸化防止装置「WHYNOT」を日本酒向けに改良したものを使用。この装置に日本酒瓶をはめて窒素に満たされた状態でグラスに注ぎ、酸素に触れさせない仕組みになっている
佐賀県の酒蔵に限り、有名どころから稀少な銘柄まで200種類以上の日本酒を揃える
フードは「有明海のおいしい海苔」「佐賀ぎょろっけ」「鯛ちくわ」など、佐賀県ゆかりの品々を用意。盛り付けるだけなどオペレーションの軽いものが中心
写真左から、スタッフの長郷章子氏、國酒文化振興協会理事でステキ代表取締役の上島 亨氏、スタッフの澤柳麻理亜氏

(取材=大関 まなみ)


ワイン酸化防止装置が日本酒蔵で使用されていたことに着想を得る

フレッシュテック・スタイル(東京都世田谷区 )が企画を手掛けるワインの酸化防止装置「WHYNOT(ワイノット)」は、今から約20年前、当時サラリーマンだった創業者の吉田英治氏が企画・開発し国際特許を取得した。窒素で満たした空間でワインを開栓することで酸化せずに開けたての風味を保つ仕組みで、2000年に事業化し、以降、販売会社サンデン・リテールシステムのもと世界中の飲食店向けに販売されている。

「國酒文化振興酒場 佐賀」開業の経緯について、吉田氏はこう話す。「私は現在49歳ですが、この年になってきたからか日本酒の良さを感じるようになり、“日本が誇る日本酒を世界に発信したい”という思いが沸いてきました。当社の『WHYNOT』はワイン用に設計されていますが、ある酒蔵では日本酒に使用されているということを聞きました。私自身も思いつかない使い方でしたが、ワインと同様、日本酒も開栓から時間が経てば酸素に触れて味わいが変化してしまうこともあるので理に適っている。そこに着想を得て、『WHYNOT』を日本酒用に改良し、これを使って常に開けたての美味しさを提供する日本酒専門店を開業することで、日本酒の美味しさをより多くの方に伝えることができると考えたんです」。

佐賀県の日本酒のポテンシャルの高さに注目

開業に際しては、コンサルやシステム開発、クリエイティブ事業を行うステキ(東京都目黒区)の上島 亨氏らとともに國酒の文化発信事業を目的とする國酒文化振興協会も立ち上げた。あまたある日本酒専門店の中でも差別化できる要素を模索した結果、目を付けたのが“佐賀県”だ。「佐賀の日本酒専門にしたのは、同県の日本酒に大きなポテンシャルを感じたから。佐賀県では酒蔵同士のつながりが強く、それがクオリティの向上にもつながっている。近年、佐賀は密かに注目を集めている酒どころなんです。店舗はもちろん、協会の活動を通じてその魅力を伝えたいと思いました」と吉田氏。

物件は住居とオフィスが混在する落ち着いたエリアを希望した。大井町はそれに当てはまるうえ、羽田空港も近く、海外からのゲストも多いため「日本酒を世界に発信」というミッションに沿う。駅から徒歩4分ほど、住宅街に近い元すし店だった物件を契約した。

「WHYNOT」があるからこそ200種ものの取り扱いが可能に

店内にはロングカウンターを配置し、ダークトーンでシンプルにまとめた中にアート作品を散りばめ、落ち着いた空間に仕上げた。「気軽に、自由に日本酒を楽しんでほしい」と、立ち飲みスタイルを採用している。

店内のショーケースには、佐賀県の日本酒が常時200種類以上、ズラリと並ぶ。「鍋島」、「七田」など有名どころはもちろん、県外ではめったに飲めない銘柄まで、佐賀県首都圏事務所、佐賀酒造組合などのバックアップがあり取り揃えを実現している。価格は1杯400円代から用意し、中心価格帯は500~800円。一部、1杯2000円代の高級品もラインアップ。3種の飲み比べセットも1000~1300円で用意する。

日本酒を注ぐ際はもちろん「WHYNOT」を使用。「当店は10坪で最大で20人ほどが入る広さ。この規模で200種類以上の日本酒を一度に扱うとなると、通常は鮮度の管理が難しいと思われますが、『WHYNOT』により、常に新鮮な状態で提供することが可能になっています」と吉田氏は話す。

フードは「有明海のおいしい海苔」(250円)、「佐賀ぎょろっけ」(1枚200円、2枚380円)、「鯛ちくわ」(500円)、「佐賀牛カレーパン」(580円)など10品、佐賀県の特産品を集めた。すぐに出せるオペレーションの負担の軽いものが中心だ。

日本酒の魅力を発信、日本酒データベース構築の事業も視野に

オープンから間もないが、早速、近隣の住民やワーカーを中心に賑わい、外国人客も少なくない。加えて、佐賀県出身者や、佐賀をテーマにしたアニメ「ゾンビランドサガ」のファンなど、“佐賀”と聞いてわざわざ訪ねる人も多いという。「先日、山口祥義佐賀県知事にも公務後にご来店いただきました。期待を寄せていただいてスタッフ一同、身が引き締まる思いです。今後も美味しいお酒を通じて、佐賀県全体の魅力を一人でも多くの方に伝えたいです」と吉田氏は話す。

今後は國酒文化振興協会を一般社団法人化させ、同じく佐賀の日本酒業態を店舗展開したい考えだ。縁があれば、他の都道府県の日本酒業態の開業も考えているという。さらに國酒文化振興協会では、日本酒のデータベース構築などの事業も構想中。世界に誇れる文化である日本酒の発信に努めていく。

店舗データ

店名 國酒文化振興酒場 佐賀
住所 東京都品川区大井1-25-3 シティハイツ大井町1F

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アクセス 大井町駅から徒歩4分
電話 03-6451-8098
営業時間 15:00~23:00
定休日 不定休
坪数客数 10坪20名
客単価 2500円~3000円
運営会社 株式会社フレッシュテック・スタイル
オープン日 2019年9月20日
関連リンク 國酒文化振興酒場 佐賀(HP)
関連リンク 國酒文化振興協会(HP)
関連リンク フレッシュテック・スタイル(HP)
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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