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着物姿が雅な26歳女将が切り盛りするネオ小料理屋「おさけと小料理 non」が高円寺に開業。和モダンな店内で、四季折々の日本酒&素朴な日替わり酒肴を提供

6月9日、高円寺に「おさけと小料理 non(のん)」が開店した。店主の大塚美咲氏は、東京・大阪で和食を中心に展開する「きちり」(東京都渋谷区、代表取締役:平川昌紀氏)で約3年修行を積み、26歳で独立。1人で切り盛りするにあたり、敢えてカウンター7席のみの物件を選んだ。店内はモダンな内装で、従来の小料理屋像からアップデート。着物を着こなす大塚氏の温かなおもてなしで、早くも老若男女の幅広い層から支持を得ている。

夜は明るいファサードが閑静な住宅街に煌々と光る。外からも中の雰囲気が見えるようにと、壁の一部を抜いて窓を多く設置した
「まずは入る物件の大きさから考えました」と、大塚氏。お客へのパフォーマンスの向上を重視し、4.5坪カウンターのみの物件を選んだ
定番の「あじ南蛮」と日替わりの「モツ煮込み」(400円)。酒の肴にぴったりの料理だが、「ごはんセット(白米・味噌汁)」(500円)を合わせることで定食需要にも応える
大塚氏お気に入りの九朗右衛門と菊鷹。「私はどちらかというと燗酒の方が好みで」と、カウンターには燗器も埋め込まれている
店主として、穏やかで温かみのある人柄と、経営者として、次の展望を常に考える鋭さや意気込みを併せ持つ大塚美咲氏

20代での独立を目指し、きちりに入社、最短距離でキャリア形成

大塚氏が飲食の道を志したのは、大学在学中に大衆居酒屋でアルバイトをしたことがきっかけ。接客の楽しさを知り、いつか自分の店を持ちたいという気持ちが芽生える。「体力勝負の仕事なので、40代になってから始めるのは無理だな、と思ったんです」と、大塚氏は笑う。20代のうちに独立することを心に決め、経営を学ぶため、大学卒業後は和食を中心に多業態を展開する飲食企業、きちりに入社。キャリア形成に社員の自主性を重視した「立候補制」を導入している同社の方向性が、スピード感を求める大塚氏にとって決め手となった。入社4か月後には店長業務に携わり、3年弱の在籍中、店長として2店舗の運営を経験した。「特に、数字の管理や従業員教育などが勉強になり、今に繋がる自信となりました」と語る。同社を退職後は、カフェや居酒屋などの別業態も経験しながら、開店準備に奔走。自身が拠点としていた中央線沿線で物件を探し、約2年後、目標に掲げていた20代での独立を実現することができた。

カウンター7席の小さな空間で、気軽な日本酒の楽しみ方を発信

大塚氏は1人で切り盛りすることを前提に、5坪程度の広さを想定して物件を探した。そこを起点に業態とメニューも決定、自身が好きな日本酒をメインに定める。接客に力をいれるため、料理は仕込みに時間をかけ、注文後に手間をかけず提供できるものを中心に揃えて、オペレーションを簡略化。加えて、「和食」や「割烹」と銘打つよりお客が気軽に足を運べるよう、業態は「小料理屋」と謳った。さらに、若者も多い高円寺で、老若男女幅広いお客を取り込めるよう、モダンでほどよい抜け感の内装。一般的な小料理屋像との差別化をしつつ、接客は着物姿で行う。「ちゃんと着物を着ていると、それだけで少し雰囲気が締まりますよね」と、小料理屋が持つ雅な風情も忘れない。

揃えている日本酒は20種以上で、食事に合わせやすい純米酒に限定。仕入れ先の酒屋に出向き、相談して決める。ラインナップは頻繁に変わるが、基本は大塚氏が惚れ込んだ酒を、それに合う惣菜とともにおすすめ。お客と楽しみを共有するスタイルだ。大塚氏のお気に入りは長野の「九郎右衛門」(1000円)で、酒蔵に赴いたこともある。そのほか、「上喜元」(800円)や「くどき上手」(800円)、「鍋島」(1000円)などの名だたる日本酒が並ぶ。「今まで日本酒が苦手だったというお客様が『これなら飲める!』と言ってくれて、この業態にして良かったと感じました」と、開店間もなく好評の様子だ。また、「瓶ビール」(サッポロ赤星・アサヒ 各700円)や「明るい農村」、「おこげ」、日本酒で知られる「七田」の吟醸酒粕焼酎(各700円)などの本格焼酎。「お茶ハイ」、「レモンサワー」(各500円)、「竹鶴ハイボール」(700円)など、日本酒以外のメニューも豊富。日本酒好きでなくとも楽しめる品も用意している。

肴は、「あじ南蛮」(500円)や「お豆腐屋さんの冷奴」(400円)、「甘酒からあげ」(500円)などの定番と、日替わりメニューで構成。「わらびの煮物」(400円)や「ハラミポン酢」(500円)、ナス揚げびたし(400円)など、日本酒に合う素朴な家庭料理を中心に、呑兵衛好みの品ぞろえでお客の心をつかむ。

女性の活躍できる場作りを目指し、別業態のアイディアも常に思案

さらなる店舗展開も目論む大塚氏。今後は別の業態も視野に入れている。「色々な店を展開する中で、『飲食店をやってみたい!』と志す女性に、道を示すことができたら」と、語る。自身が着物で店に立つのは、雰囲気作りはもちろんのこと、女性らしさを生かそうという思いがあってのことだ。「例えば着物とカフェは、親和性が高いと思います。別に着物でなくとも、笑顔や細やかさ、若さなど、人それぞれの強みを活かせるような業態を考えていきたいですね」。いつかは大塚氏の元で学び、同じように熱く真っ直ぐな気持ちで走る女性経営者が現れるかもしれない。

(取材=髙橋 健太)

店舗データ

店名 おさけと小料理 non(のん)
住所 東京都杉並区高円寺南3-16-21
アクセス 高円寺駅から徒歩13分、新高円寺駅から徒歩3分
電話 03-5929-9948
営業時間 【月~金】16:00~23:00、 【土日祝】14:00~22:00
定休日 不定休
坪数客数 4.5坪 7席
客単価 5000円
オープン日 2019年6月9日
関連リンク おさけと小料理 non(FB)
関連リンク おさけと小料理 non(Instagram)
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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