店舗流通ネット出身・冨田氏&繁盛もつ焼き店オーナー・沼田氏のタッグで開業
オーナーの冨田 健氏は、飲食店の不動産事業を中心に展開する店舗流通ネットで8年ほど勤務したのち、2011年に不動産事業で独立。2013年からは並行して飲食店事業も開始し、現在はラーメン2店舗と「焼肉ホルモン食堂 とみ田」の計3店舗を展開する。
同店の開業のきっかけは物件との出合いだ。飲食店激戦区である新宿三丁目の片隅にある元喫茶店だった6坪ほどの同物件は、2年ほど空いた状態だったという。冨田氏はこの物件に目を付け、交渉の末に獲得。人気もつ焼き店を展開する沼田慎一郎氏に「ここで『もつやき処 沼田』のようなもつ焼き店をやりたい」と相談した。
ホルモン流通革命を起こす“パーシャルスノー液”を活用したもつ焼き酒場
そこで沼田氏が提案したのが、パーシャルスノー液という独自開発の技術を使ったホルモンが主役のもつ焼き酒場だ。「『もつやき処 沼田』など、当社が展開するもつ焼き業態は串打ちなどオペレーションが重いものが多く、業績は好調でありながらも人材不足が叫ばれる昨今ではそれがネックになり思うように店舗展開が進められなかった。それをこの激戦区の6坪の物件でやるには効率面で無理があった。そこで、ホルモンの長期保存を可能にするパーシャルスノー液を活用し、オペレーションの負担を減らして小体なハコにも向く業態を作りました」と沼田氏は話す。
パーシャルスノー液とは、い志井グループと鹿児島大学、食肉加工や卸を行うカミチク(鹿児島県鹿児島市)の3社が共同開発した、ホルモンの保存液。もとは人間の臓器移植で臓器の輸送時に使われるパーシャル液の技術を応用したものだ。「ホルモンは鮮度が命で、挽いたその日に提供するのが定石でした。ですが、このパーシャルスノー液に浸しておくことで、11日間ほどの長期保存が可能となり、ホルモンの流通革命を起こすと期待されています。さらに良いことにパーシャル液に漬けることで、味わいの面でも臭みが減り、肉質がやわらかくなるなど、差別化にもつながっているんです」と沼田氏は話す。
ホルモンをジンギスカン鍋で提供。採算度外視の「和牛焼きすきブリスケ」も
同店では、このパーシャルスノー液を使ったホルモンをジンギスカンスタイルで提供。お得な「おまかせホルモンMIX」(980円)をはじめ、「はつ」「れば」(各500円)、「シマチョウ」(700円)など各部位9品を揃える。ホルモン以外にも、名物として用意する「和牛焼きすきブリスケ」(1500円)は、皿からはみ出るほどの長さがある和牛カルビで、採算度外視のインパクト狙いの一品だ。極薄にカットした肉でネギを包んで食べる「ネギタン塩」(980円)も人気。それ以外にも「野菜入りもつ煮込み」(480円)、「冷奴」(300円)、「ポテトサラダ」(450円)など、酒のつまみに最適な一品料理が8品揃う。
ドリンクは「生ビール」(500円)、「ホッピーセット」(450円)、「レモンサワー」(450円)、焼酎(500円)など12品と各種ソフトドリンクを揃える。肉にしっかりと原価をかける一方、酒場としてアルコールで利益を確保するメニュー構成だ。
人材難の時代に合わせ、オペレーション負担の少ない業態に
ホルモンはカットした状態で納品されるものもあり、スタッフは長時間の仕込みに追われる必要がなく、営業中はスタッフが2名いれば十分に回すことが可能。狙い通り、オペレーションの負担軽減を実現した業態に仕上がっている。
新宿三丁目の外れに立地しながらも、連日、多くのお客で賑わい業績は好調だという。沼田氏も、今後パーシャルスノー液を活用したこのホルモン業態の展開に意欲的。「大きな負担なく開業できる業態なので、特に長年企業に勤務してきた社員がキャリアの出口として独立するのに向いていると思います。今後、その支援ができれば」と話す。
店舗データ
店名 | 焼肉ホルモン食堂 とみ田 |
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住所 | 東京都新宿区新宿3-11-2 村木ビル 1F |
アクセス | 新宿三丁目駅から徒歩3分、新宿駅から徒歩5分 |
電話 | 03-6380-0145 |
営業時間 | 【月~木】17:00~24:00(LO23:00)【金】17:00~29:00(LO28:00)【土】14:00~24:00(LO23:00)【日・祝】14:00~23:00(LO22:00) |
定休日 | 無休 |
坪数客数 | 6坪18席 |
客単価 | 3500円 |
運営会社 | 株式会社キャメルプランニング |
オープン日 | 2018年11月15日 |
関連リンク | 焼肉ホルモン食堂 とみ田(Instagram) |