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三世代が楽しめる酒場をコンセプトに「orq.」が誕生 オーガニック×クラフトで荻窪の可能性を広げていく

空中階にある「orq.」。シンプルな看板が来店する客の期待感を煽る
様々な表情を持っている店内空間なので、何度来店しても新しい発見がある
一つひとつのメニューが作り込まれているため、その背景を理解すると食の楽しみがさらに増す。昼からワインなどのアルコールをオーダーできるのも売りの一つ
レモン味のエスプーマを楽しみながら飲むスタイル。有機檸檬を丸ごと使っていて旨みが凝縮されているため「中」としてサワーだけの注文も可能
オーシリーズの代表取締役社長・村松剛氏(右から3番目)と同店のスタッフのみなさん

(取材=三輪ダイスケ)


JR新宿駅から中央線快速に乗車して4駅で辿りつく荻窪駅。青梅街道が走る北口側は、バスロータリーやファッションビルなどもあって、駅の表玄関の役割を担う一方、南口には複数の商店街があり、数多くの個性的な店でにぎわう。3月21日、南口の商店街の一つ「荻窪南口仲通り」に一軒のビストロがオープンした。それがオーシリーズ(静岡県焼津市、代表取締役社長 村松剛氏)の運営する「orq.(オーク)」だ。現在、同社は静岡県葵区呉服町で「OHESO(オヘソ)」と「ODECO(オデコ)」、そして吉祥寺で「ORCHESTRA(オーケストラ)」を運営しており、同店が4店舗目の展開となる。

「orq.」では、できる限りケミカルな素材を排除して、野菜と炭焼料理を中心にしたメニューの提案を行っていく。コンセプトは「三世代が楽しめる酒場」で、メインターゲットとして、周辺地域に住んでいたり、勤めていたりする女性を狙う。44坪で70席ある店内は、テーマに基づいてインテリアや内観を緻密に計算しており、いくつもの表情を持つ。幼い子どもが座っても安心なように奥行きのある椅子を備えたテーブル席に非日常的を堪能できる重厚な雰囲気を放つソファ席、そしてキッチン内の様子を一目で見渡せるカウンター席など、幅広い利用シーンに対応できる造りになっている。しかも同店の魅力は、そうした席が選べる楽しさだけではない。食べるもの、見るもの、触るもの、すべてに新鮮な驚きがある。おいしいのは当たり前。楽しくて、おいしく、そして安全。それが「orq.」ならではの魅力なのだ。今回のオープンの背景について、代表の村松氏は、このように話す。「実を言うと当初、荻窪での展開は考えていなかったんです。だけど物件の内見で、はじめて降り立ったとき、なんて魅力的な街なのだろうと感じました。それと同時に、こんな街で愛される店を作りたいと思って出店を決意します。これまで当社はメイン通りの一本裏に出店し、あえて足を運んでくれる店作りを行ってきました。どの店舗も違うコンセプトを持っていて、女性客のリピーターも少なくありません。こうしたノウハウを生かしながら、永く愛される店を荻窪でも作り上げていきたいですね」。

そもそも村松氏がはじめて飲食の仕事を経験したのは、大学時代のアルバイトだった。都内の大学に進学した氏は、居酒屋やバーなどで働きながら飲食業界の魅力に気がつく。しかし、大学卒業後は、インテリアやアンティーク家具などに興味があったこともあり、地元・静岡県の住宅メーカーに営業職として就職した。そこで住宅関連の知識を身に付けてから、24歳のころに改めて飲食の世界に飛び込む。そして27歳のとき、岡むら浪漫(静岡県藤枝市、代表取締役 岡村佳明氏)へ移ると、瞬く間に頭角を現す。同社は「看板のない居酒屋」などで全国的に名前を知られており、静岡県を代表する飲食企業の一つだ。氏は3年で副社長まで登りつめて、同社の驚異的な成長を先頭に立って牽引した。34歳で起業した後は、エリアに合わせた店作りを行って、業界内外から高い評価を獲得している。

「orq.」の料理は、ランチとディナーで注目のメニューが違う。まずランチの目玉となる「お野菜中心のオークの選べるプレートランチ」(1280円)は「パテカン入りクロワッサン卵サンド」と「キャロットラペ」、「トマトのムース バジルソース」、「バター不使用の野菜ケーキ」、「週変わりスムージー」、「週変わりスープ」の定番メニューのほかに、「サラダ」と「ココット」、「ごはん」、「お冷」の内容が選べるようになっている。どの料理もオーガニックであるだけでなく、その全てが店内で手作りされており、メニューの完成度は圧倒的に高い。一方、ディナーでは野菜中心の炭焼き料理「有機人参まるごと1本 豚肉巻き バルサミコノソース」(680円)や静岡県産の美桜鶏(みおうどり)とフォアグラを一緒にパイに包んだ「フォアグラと美桜鶏のパイ包み焼き」(1480円)など、一つひとつの料理にストーリーが詰め込まれたメニューが揃う。皿も一枚一枚こだわっており、料理の背景が際立つような提案を行っていく。ドリンクは「金谷茶フローズンカクテル」(680円)や「しずおかあらごしみかん」(500円)といった静岡のお茶やみかんを使ったメニューや、20種類近くのワインなどが並ぶ。中でも「檸檬のエスプーマ(泡)と広島県森崎農園、ノーワックスの有機檸檬を丸ごと使ったレモンサワー。」(600円)は、新しいレモンサワーの在り方の一つとして見逃せない。

細部まで作り込んだ飲食店を運営してきたオーシリーズ。一つひとつの店舗に圧倒的な個性を持たせるためには、スタッフの力は欠かせない。ただ実をいうと、今回の出店はスタッフからの提案で実現したそうだ。こうした状況を踏まえて、氏は今後の展開について、こう語る。「現在、当社には高いポテンシャルを秘めたスタッフが大勢います。物件次第になりますが、そうしたスタッフの活躍の場を増やしていきたいですね。店舗のアイデアもたくさんあって、例えば、静岡県の方が東京に来たときに来店しやすい店を作るのもいいでしょう。都内でさらに店舗展開ができるように取り組んでいくつもりです」。現在、「orq.」は積極的なPRをしていないにも関わらず、感度の高い客でにぎわっており、特にランチ帯は満席が続く。静岡で芽吹いたビジョンが東京で花咲いて、今、さらに大きく広がろうとしている。

店舗データ

店名 orq.(オーク)
住所 東京都杉並区荻窪5-29-10 2F

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アクセス JR中央線・総武線・東京メトロ丸の内線「荻窪駅」南口より徒歩1分
電話 03-6383-6039
営業時間 【平日・土・日・祝】
ランチ 11:30~17:00 (L.O.16:00)
【平日・土・日・祝】
ディナー 17:00~23:00 (L.O.22:30)
定休日 不定休
坪数客数 44坪・70席
客単価 ランチ 1400円
ディナー 3500円
運営会社 株式会社オーシリーズ
オープン日 2017年3月21日
関連リンク orq.(FB)
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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