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「しぞーかおでん」と「にっぽん酒」で地方活性化に貢献。祐天寺テラ通りに「にっぽん酒 しぞーかおでん E-ra 〜いいら〜」が3月29日オープン!

軒先には杉玉。扉を開けると「喜久酔」の菰樽が
見事に並ぶ静岡の地酒
しぞーかおでん。手前が一番人気の「黒ハンペン」
静岡県出身の店主 山下治希氏

(取材=下前 ユミ)


八代将軍徳川吉宗の時代に建立された浄土宗の寺院「名顕山祐天寺」の門前町として栄え、5つの商店街から成り立つ歴史ある街、祐天寺。新旧が調和し、都会っぽさの中に居心地のよい落ち着いた雰囲気で人気のエリア。“からくり時計大アーチ”がシンボルの“祐天寺栄通り商店街”、通称テラ通りに「にっぽん酒 しぞーかおでん E-ra ~いいら~」が、3月29日にオープンした。軒先に、新酒のできたことを知らせる「杉玉」が吊り下がる店内に一歩足を踏み入れると、おでん鍋から立ち上る湯気の向こうにネタの刺さった串が顔を出す。正面には、静岡の地酒「喜久酔」(青島酒造)の「菰樽(こもだる)」が、ひと際、存在感を放っている。カウンター席とテーブル席の他に、ソファ席があり、ひとりでも気軽に来たり、仲間とテーブルを囲んだり、恋人とゆったり過ごしたりといろいろな使い方ができる。日の丸カラーの赤と白を基調とした粋な空間は「NYにある日本酒BARをイメージしました」という店主の山下治希氏は、静岡出身。店名の「E-ra(いいら)」とは、静岡弁で「いいでしょ」という意味。 静岡市のご当地グルメ「しぞーかおでん」。真っ黒な煮汁のおでん鍋の中で、一本一本串に刺さったタネがグツグツと煮えている。このビジュアルを初めてみた人は、きっと驚くだろう。「しぞーかおでん」は、牛すじからとったダシを濃口しょうゆで調味する。この煮汁を長年継ぎ足していくので、“真黒な煮汁”となっていく。全てのタネを竹串に刺し、ご当地食材の“黒ハンペン”や“なると”が入っていて、“だし粉”と呼ばれるイワシの削り節や鰹節、青のりをふりかけて食べるのが特徴。見た目こそ濃いが、ひと口食べてみると、あっさりしていてタネの持ち味がまろやかに口中に広がる。「焼津名産のイワシやアジを骨ごとすり身にした“黒ハンペン”は、独自の歯ごたえと味わい深さがある“静岡ならでは”のおでんダネで一番人気」と店主の山下氏。「出身地である静岡のよさをもっと広めたい。静岡の食材と地酒を味わって欲しい」との想いで、念願の独立を果した。静岡から上京して10年間、飲食店で働き経験を積んだ同氏。和食居酒屋BARから始まり、ニュージーランドの日本食レストラン、日本橋のそば居酒屋、ロンドンの日本食レストラン、渋谷の寿司屋と日本と海外を行き来するグローバルな経歴の持ち主だ。「もともと、日本酒は好きでしたが、そば居酒屋で出会ったオーナーが日本酒マニアで、いろいろと勉強させてもらいました。そこから日本酒に魅了されていきました」と日本酒との出会いを振り返る山下氏。 35種ほど揃う日本酒のうち20種ほどが静岡の地酒、「食中酒」を中心に静岡の酒屋から仕入れるという徹底ぶり。「静岡には、美味しいものが沢山あるので、食事と共に静岡の日本酒を楽しんで欲しい。華やかすぎず、主張しすぎない“喜久酔”は、まず飲んでもらいたい」と話す、値段を気にせず、飲んでもらいたいとの想いから、グラスは120mlで提供する。おだやかで上品な香りと、瑞々しいあじわいにファンの多い「喜久酔」は、「特別本醸造」(グラス 120ml、450円/片口 1.5合 900円)、「特別純米」(グラス 120ml、550円/片口 1.5合 1100円)、「純米吟醸」(グラス 120ml、700円/片口 1.5合 1400円)が揃う。「開運 無濾過純米」(グラス 120ml、550円/片口 1.5合 1100円)、「臥龍梅(がりゅうばい) 純米吟醸超辛」(グラス 120ml、600円/片口 1.5合 1200円)、「英君 純米吟醸」(グラス 120ml、650円/片口 1.5合 1300円)などの静岡の地酒や、三重の「而今(じこん) 純米吟醸」(グラス 120ml、700円/片口 1.5合 1400円)、宮城の「山和 純米吟醸」(グラス 120ml、650円/片口 1.5合 1300円)など他県の地酒も食事に合うものをセレクトする。「尾瀬の雪解け純米桃色にごり)(グラス 120ml、650円)など、季節ごとに変わる限定酒も紹介する。日本酒以外には「ビール」(600円)、「本格焼酎」(500円~)、「果実酒」(600円)、「ソフトドリンク」(300円)など。「静岡の緑茶」は、なんと「0円」と嬉しいサービス価格だ。 「しぞーかおでん」は、「黒はんぺん」(200円)をはじめ、「牛すじ」(250円)、「フワ」(牛の肺)(250円)、「豚もつ」(200円)、「なると」(150円)、「大根」(100円)、「卵」(100円)、「厚揚げ」(150円)など14種。「鮮魚を直送で仕入れるのは、道路状況などによるリスクはありますが、いいものが出せない時は出さない」という山下氏のこだわりの駿河湾直送鮮魚が味わえる「本日の鮮魚刺身盛り合わせ」(1200円)。今の時期は、プリプリした食感と、トローリと上品な甘みの「生桜えび」を堪能することもできる。人気の「豆富のコロッケ おろし玉ネギソース」(500円)、静岡ながらの食べ方「黒ハンペンのフライ」(500円)なども、日本酒と合わせて食べてもらいたい品々。 「まずは、静岡の良さを知ってもらうこと。日本酒を苦手とする20代・30代の若い世代に、美味しいちゃんとした地酒の良さを知ってもらいたい。将来は、学芸大学にも店を持ちたい」と熱い想いを語る山下氏。日本酒新時代到来の今、出身県のよさを広めたいと日本酒と郷土料理を揃え、地方活性化に貢献。ブームで終わらせたくないと立ち上がる“地方活性化”酒場の店主がここにいた。長年継ぎ足していく“真黒な煮汁”の「しぞーかおでん」、色濃くなって行く同店のおでん鍋が楽しみだ。

店舗データ

店名 にっぽん酒 しぞーかおでん E-ra 〜いいら〜
住所 東京都目黒区祐天寺1-22-6 中村ビル102

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アクセス 東急東横線 祐天寺駅東口より徒歩1分
電話 03-3715-1620
営業時間 火〜日 18:00~02:00
定休日
坪数客数 14坪・16席
客単価 4000円
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※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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