恵比寿に「MERCER CAFÉ(マーサーカフェ)」「MERCER CAFÉ DANRO」、表参道に「MERCER CAFÉ TERRACE HOUSE」を経営するMERCER OFFICE(東京都渋谷区、代表取締役:羅直 也氏)が、今度は白金台の駅近く、外苑西通りから少し奥へ入った静かな路地に、2階建て和建築を改装した1・2階別業態という2店舗を同時オープンさせた。エントランスで予約名を伝えると解錠され、飛び石のある中庭へと通じる扉が開かれる。入口を入ると1階が「MERCER LOUNGE」、階段を上がると2階は「牛鍋アイロン」と、2業態に分かれている。内装は築80年の古民家を活かし、古き良き日本建築にモダンな要素を見事に融合させた「MERCER」 らしい個性的なデザインへ生まれ変わった。2階の「牛鍋アイロン」は全て個室だが、部屋ごとにデザインや見える景色が異なる。寒椿・桜・しだれ桜など、日本の四季や風情を感じる植物をそのまま残し、足しげく通っても飽きさせない演出が細かな点にまで及んでいる。この内装デザインを手がけたのは、関西で最も人気のあるデザイナー森井 良幸氏だ。「彼はアバンギャルドなデザイナーだが、日本建築の基礎もわかる貴重な存在の1人です。京都には、外観は昔ながらの木造家屋、中はスタイリッシュでモダンな店というのが多く、そこからヒントを得ました。京都に行ってなかったら、このような発想は生まれてなかったと思う。」と、大阪出身の同社副社長でクリエイティブディレクターの森野 成貴氏は言う。神楽坂のような雰囲気を港区で感じてもらいたいというのも、森野氏のねらいの一つだ。同社のコンセプトは「『FASHION』というテイスト」。「MERCER CAFÉ」はまさしく“カジュアルリッチ”な大人のファミレスで、日常のデイリーユースとして使える店である。「今の時代はミシュランで星を取るような高価格帯のレストランとカジュアル店の二極化が進んでいると感じるが、そうではなく、お客さんが頑張りすぎなくても入れる、でもデートなどにも使える『決め店』として使ってもらいたい」と森野氏。料理のコンセプトは他店同様「高級食材をカジュアルに食す」ことだ。「国産霜降りの牛肉を使うため、原価が高く、コストもかかるが、肉の質は絶対に落とせない。」と森野氏。もつ鍋は安すぎる、かと言ってしゃぶしゃぶ、すき焼きはやや価格が高め。その中間の価格設定を目指したのは、「MERCER CAFÉ」の「レストランとカフェの中間」というコンセプトと同様だ。メニューは「牛鍋」(5000円)の1コースのみ。東京では珍しい「白味噌ベース」の出汁に、霜降りの国産和牛肉でいただく。この霜降りの牛肉が味を出し、スープの旨みが食べるにつれて増していく。〆のうどんを食べる頃には、最初とは違うコクのあるスープに変化をする。「牛肉を使った鍋は、どこへ行ってもすき焼きかしゃぶしゃぶしかないので、この白味噌ベースのスープにこだわった。添えてある野菜も白菜やキャベツなど、白っぽい色のものを皿に並べ、デーブルの上までトータルにコーディネートしている。」と森野氏。ドリンクメニューは幅広く、鍋に合う日本酒はボトルもスタイリッシュな「オオミネジュンマイ」(800円)、焼酎はグラスで700円から。1階のラウンジもあるので、ワインリストも充実している。リッチ感を出しながらもカジュアルで、この贅沢な空間と料理を多くの人に楽しんでもらいたいとの想いが強い森野氏。オープンな雰囲気でニューヨークのような海外のレストランを目指している。今の時代の流れにも乗り、次々と店を当てている今後の更なる活躍が期待される。
店舗データ
店名 | MERCER LOUNGE(1階)、牛鍋アイロン(2階) |
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住所 | 東京都港区白金台5-15-10 |
アクセス | 地下鉄 白金台駅より徒歩4分 |
電話 | 03-5420-4551 |
営業時間 | 17:00~23:00(22:00L.O) |
定休日 | 月曜 |
坪数客数 | 1階20席・2階42席(テラス含) |
客単価 | 7500円 |
運営会社 | 株式会社MERCER OFFICE |
関連リンク | 株式会社MERCER OFFICE |
関連ページ | MECER CAFÉ DANRO |