9月1日、個性的な住宅や店舗が並ぶ中目黒の一角に佇む商業施設2Fに、イタリアン「Felicelina(フェリチェリーナ)」がオープンした。手がけたのは、イタリアンの名店『アロマフレスカ』原田氏のもとで、10年に渡り研鑽を積んだ料理人、大関淳士氏 と 濱本直希氏。先輩後輩の関係にあった彼らが意気投合し、出店の目標を掲げたのが5年前――それから温め続けてきた構想がようやく実現に至ったという。スタッフはこの2人の料理人のみ。オーダー、調理、そしてサービスに至るまですべて彼らが担うという、家庭的なスタイルが特徴だ。「今までは、作った料理はすべてサービスマンがサーブしていたので、お客様の反応を我々が直接体感する機会は殆どありませんでした。だから作り手と食べ手がダイレクトに接することができる、固定概念を打破したスタイルに挑戦してみたかったんです」と言う濱本氏の発言に大関氏が頷く。 そんな同店で供される料理は、新鮮な旬素材を使ったアラカルトメニュー。「毎日でもふらっと足を運んでもらえるように」その日揃った食材に合わせて、日替わりのメニューを提案する。オススメは「秋刀魚のカルパッチョ」(1600円)や「伊勢えびのキタッラ」(1800円)、「のどぐろのココット」(2800円)といった、築地から仕入れたばかりの魚介類を使った品々。アロマフレスカで習得した技術と感性を駆使し、素材の持ち味を活かした料理が、調理したその手でテーブルへ運ばれる。価格は、前菜1600円、パスタ1800 円、メイン2800 円で統一しており、明瞭かつリーズナブル。居抜き店舗を使って内装コストを抑えることで、良心的な料金設定が可能になったという。ワインはすべてイタリア産。個性的なラインを赤白各10種類程度取り揃え、グラス800円~、ボトル3800円~より提案する。ランチは冷菜、温菜、パスタが選べる2500円のコースと、それにメインが追加された3900円のコースの2種類の展開となっている。 内装はシンプル且つ透明感を感じさせるイメージ。ガラス張りの空間は開放的で、14坪の店内も全く狭いと感じさせない。また、厨房の様子がよく見渡せるオープンキッチンは、料理人と客との距離をぐっと縮めてくれそうな設計だ。「“リストランテ”というかしこまったものではなく、“旨いもの屋”みたいな感覚でふらっと気軽に来てほしい」という二人の想いが反映された、温かく飾らない空間演出がなされている。 「お客様に直接料理を届けることは、愉しみではありますが、その分、責任感も増します。特に、我々にはサービスの経験がないので、とにかく誠意で対応したい」という大関氏と濱本氏。まったく違ったタイプの2人ではあるが、濱本氏の大胆な性格を大関氏の繊細さがカバーし、かなり強力なタッグが組まれているようだ。「とにかくこの一店舗を、長く愛される店に育てたいです。そして、お客様と一緒にじっくり歳を重ねていきたいですね」と、口を揃えて展望を語ってくれた。 「Felice(フェリーチェ)」とはイタリア語で「幸せ」を意味しており、店名「Felicelina」には「お客様に小さな幸せを届けたい」という想いが込められている。駆け出したばかりの同店が、訪れる人にどのような幸福感をもたらしてくれるのか ―― 今秋、注目のニューオープンだ。
店舗データ
店名 | Felicelina(フェリチェリーナ) |
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住所 | 東京都目黒区青葉台1-15-2 AK-3building 2-A |
アクセス | 東急東横線 中目黒駅より徒歩約8分 |
電話 | 03-6416-1731 |
営業時間 | 12:00~15:30(L.O.14:00) 18:00~23:30(L.O.22:00) |
定休日 | 月曜 |
坪数客数 | 14坪・13席 |
客単価 | ランチ3000円~、ディナー8000円~ |
関連リンク | Felicelina |