ルーチェグループ(東京都港区六本木、代表取締役:佐藤 光氏)が今年5月にオープンした、六本木芋洗坂のイタリアン「Saluce(サルーチェ)」が、リピーターを中心にいま人気を集めている。オーナーシェフである佐藤光氏は、数々の著名イタリアンで修業を積んだ後、「ダルマット」恵比寿店にて料理長兼店長を務めていたという実績を持つ。独立に至った経緯を尋ねたところ、「最初は自分で店を持つという気持ちはなかったんです。幾つかお話はいただいたのですが、組織に属していると自分のやりたいことがすぐに実行できるとは限らない。ならば、こじんまりでもいいから自分で店を構え、自分のやり方で理想の店を追求したいと思うようなりまして……」と佐藤シェフ。オープン当初はダルマット時代や以前からのお客様が多かったが、3ヶ月以降から新規客が続々と増えはじめ、今では同店を既に体験したリピート客の比率が非常に高い。
提供されるメニューは6500円の「シェフのおまかせ」コースを基本とするが、必要に応じて4500円、10000円という価格設定にも対応する。これは、「基本のコースでも結構ボリュームがあるので、少なめの品数をご希望のお客様もいらっしゃいますし、あるいは普段以上に特別感のあるコースをお求めの方もいます。そんな個々のご要望はできる限り叶えたいんです」というシェフの計らいによるものである。供されるのは、各名店で磨き上げた技術に佐藤氏ならではの感性が加わった、オリジナリティ溢れる料理の数々。これらのメニューはすべて、食材を吟味し何パターンも試作を繰り替えしながら、毎週のように考案される。特に最近は、日本の旬の素材を使うことを意識していて、調理法に和の要素を取り入れることもあるという。その象徴的なメニューのひとつが、コースに登場する「からすみ、松茸、酢橘のパスタ」。アルデンテのパスタにからすみと松茸を惜しげもなく混ぜ込み、最後にスダチをサッと一削り。ほのかな柑橘の香りが上品にひき立つ、贅沢かつ味わい深い一品だ。また、コースに食前酒が含まれているのも同店ならでは。スパークリングワインか生ビールを選択できる。ワインはイタリア産のみを揃え、グラス700円、ボトル4800円から提供し、こちらも要望に応じて様々なマリアージュを提案しているという。そして注目は、シェフが自ら蔵元に足を運んで厳選したという日本酒(グラス1000円~)。いま一番のおすすめという「常きげん 純米吟醸 無濾過生原酒」などの銘酒を、イタリアンに合わせるという斬新な提案も行っている。
白を基調とした店内には、柔らかい照明が注がれ、洗練されつつも温かみを感じるような空間演出がなされている。ポイントとなるのは、奥の壁面に飾られた東京タワーのグラフィック。シェフが大好きだというタワーの特徴的なシルエットと輝きは、非日常感を効果的に盛りたてる。
「期待を裏切らない自信があるので、まずはより沢山の人に食べに来て欲しいです」と佐藤シェフ。今後の展望として、「お客様にとって常に心地いい店であるために、引き続きご要望には柔軟に対応していきたい。そんな皆様のご意見を蓄積していく中で、いまの時代に求められている店のあり方を確立できればと思っています。そして、様々な“出会い”を大切にして、どこまで行けるか、試していきたいです」と力強く語ってくれた。
「サルーチェ」という店名は、シェフの名前である「光」を意味する「ルーチェ」、そして「乾杯」を意味する「サルーテ」をかけたものだという。ミッドタウンや六本木ヒルズとはまた違う独特の情緒を見せる芋洗坂に、新たな光が放たれてから約半年。同店の挑戦は始まったばかりだ。
店舗データ
店名 | Saluce(サルーチェ) |
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住所 | 東京都港区六本木6-7-15 ( 永和ビル1F ) |
アクセス | 地下鉄 六本木駅A3出口より徒歩3分 |
電話 | 03-6459-2588 |
営業時間 | 19:00~翌3:00 (前日まで予約をすれば18:00~も対応可) |
定休日 | 月曜・第3日曜 |
坪数客数 | 14坪・18席 |
客単価 | 約8,000円 |
運営会社 | 株式会社ルーチェグループ |
関連リンク | サルーチェ |