神戸で「Mother Moon Cafe」やカフェのお弁当屋さん「マザームーンデリ」などを展開するマザームーン（兵庫県神戸市、代表取締役：木村亮介氏）が、東京で展開する「中目黒 マザームーン」の既存店を「Positive Imbalance 歩路庵 NAKAMEGURO」として、10月にリニューアルオープンした。オーナーシェフとして迎えられた林祐宣氏は、オレゴン、カリフォルニアなどアメリカ各地を4年半旅しながら現地の寿司屋で働いてきた経歴を持つ。帰国後、フレンチ、イタリアンで2年間修行し、2001年、林氏の地元、神戸六甲で「Positive Imbalance 歩路庵」を開店した。フレンチと和食をミックスした当時はまだ少なかったカリフォルニア・フュージョン系の料理が特徴で、和食をベースにフレンチやイタリアンのエッセンスを料理に忍び込ませる。メニューならびに料理構成は一見アンバランスだが、それらを積極的・前向きにまとめ上げて行きたい、という思いより「ポジティブ アンバランス」を略して「ポジアン」と命名。店のコンセプトは、「良い食材をカジュアルに提供すること」。かしこまったお店では2万円かかるものを、同店では1万円で楽しめるのがうれしいところだ。シェフの林氏は、最高の素材を少しでも安く提供できるよう、神戸の中央卸売市場の仕入れルートを独自開拓した。「六甲は明石や淡路に近く、自然と新鮮で旨い魚が手に入ります。瀬戸内の魚に関しては、良いものを自分で目利きできるように一から勉強し、仕入れルートを開拓。地元から直送しているので、コストパフォーマンスの良さは抜群です。中目黒でも東京にいながら神戸が体感できるのは、本店が仕入れているものを毎朝送ってもらっているからなんです」と同氏。神戸では、午前11時半からせりが始まる昼市「昼網」があり、ここからも仕入れている。「加えて、中目黒店は、東京の築地や大田市場からも仕入れています。その日の最高のものを選び、お客さまに提供しています」（林氏）。買い付けた鮮魚はすぐさま生け簀へ。ピチピチの鮮魚を、こだわりの一皿でもてなしてくれる。料理は、魚介類メインで、和+仏+伊の様々な料理法。小さなポーションで何皿も出てくるおまかせコースは、表現するならば「フージョン懐石」。「料理の構成・内容も、お客様のニーズ・予算に応じて5000円より用意します」と林氏。魚介類以外にも、こだわりが見られ、牛肉は地元神戸のブランド牛「神戸牛」の希少部位（イチボ・三角・ハネ下・みずじ・ヒウチ）のみを使用。鶏は、播磨加美町産、赤鶏肉・百日地鶏・若鶏。丹波産、ヒネ鶏などの厳選したこだわりの品種が並ぶ。アルコールのオススメはカリフォルニアワイン。本日のグラスワイン赤、白は（500円～1200円）。林氏は、大のワイン好きで、サンフランシスコに本拠を持つ「カリフォルニア・ワインインスティテュート」の好意により、カリフォルニアの名門ワイナリーツアーにも、昨年参加した経験を持つ。「近年のカリフォルニアワインのクオリティー、生産者のスキルは、どんどん高まっている。気候がほぼ安定している現地では、品質、価格が当然安定する。食事と共にお出しする飲み物も、安定供給したいので、当店のワインラインナップはカリフォルニア中心になった」と同氏。その他、地元兵庫県の地酒、飲み口、材用の異なった焼酎各種も人気がある。神戸本店の客層は50～60代の方が多く、東京でも30～70代の幅広いお客様に来ていただきたい。特に女性がターゲット。「本店では、8割のお客様がおまかせコースを注文頂く。ここ東京でも、お客様の信頼を得て、料理を任せて頂けるように頑張りたい」と林シェフ。東京でも今後の活躍が期待される。
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