フレンチ島田哲也シェフは、恵比寿で12年間営業してきた“身体に優しいフランス料理”がコンセプトの人気レストラン「irreel(イレール)」を、白金高輪駅直結の路面店舗にリプレイスして、“肉とワイン”がテーマとなる大人のフレンチダイニング「ARVINARD(アルヴィナール)」に生まれ変わらせ、7月29日にオープンした。島田シェフの経歴は、23歳でフランスへ修行に渡ったことから始まる。「ルキャキャルトン」や「アルぺージュ」といった三ツ星レストランを始め、パリを中心に4年半程修行を積んだ後帰国。「ロアラブッシュ」で1年半を部門シェフ、「トラントトア」で5年の間、料理長を勤めた。33歳で「irreel(イレール)」を立ち上げ、晴れてオーナーシェフになり、恵比寿で12年間営業を続けてきた。今回は、美味しい料理を気軽に楽しめるフレンチダイニングへと、従来のコンセプトやスタイルから変貌を遂げての出店となる。昨今のフランス料理店は、コース料理中心の展開が多く、特別なシーンでしか利用されないことが多い。「irreel(イレール)」も、例外ではなかった。そこで、年に1回しか利用されないような特別なレストランから、月1~2回利用してもらえるような普段使いの気軽なレストランへとシフトさせている。今回の店名となっている「ARVINARD(アルヴィナール)」とは、「木」をフランス語で意味する「アルヴル」と、「ワイン」を意味する「ヴァン」、「肉」を意味する「ヴィアンド」という、3つの言葉を織り交ぜた造語だ。店名通り内装は、床の木目を基調とした、ウッディーテイスト。ウォールナッツの素材感をそのまま出している扉など、上質さを打ち出している。また壁面は、今回初の試みとなる木目を付けたコンクリート壁を施工。スタイリッシュな中に、どこか温かみと優しさが感じられる。また、厨房はオープンキッチンにすることで、活気も演出。ニューヨークにあるフランス料理店の雰囲気を出したかったという。“肉とワイン”をテーマにしているのは、島田シェフが“フランス料理の強み”に立ち返った際、“フランス料理は、やっぱり肉が醍醐味だ”という発想に行き着いたことが起点となっている。そして、フランスで修行してきた時の経験を活かすべく、“身体に優しいフランス料理”から逸脱して、“肉を上手に扱う料理”を志向することとなった。“景気が悪い時こそ、肉をがっつり食べて、酒をたっぷり飲んで、元気になろう”というのが、コンセプトだ。「自分自身やスタッフも、力まず肩の力を抜いて、楽しめる店を作りたい」とシェフの島田氏は語る。ランチは、2,900円と4,500円の2コースで、ターゲットを女性中心に設定している。ディナーは、アラカルト中心で、ハーフポーションから受け付ける。オードブル1,000円代~と、値頃な価格設定に。アラカルトをメニューの中心に据えたのは、「フランス料理と言えばコース料理が定番だから、約束に遅刻できないから面倒……」といった考えを払拭することが狙い。「散々食べ歩いてきたような、レストラン慣れしている40~50代の大人の男性にも、利用してもらいたい」と話す(シェフ島田氏)。店内には、カウンター席も設け、食後に1杯だけでも、気軽に利用できるよう配慮されている。また、サービススタッフにフランス人男性を設けたことで、近隣に住む外国人にも来店を促す考えだ。肉料理が主体となったメニューは、牛や豚、羊を始め、鳩やうさぎ、うずら、ジビエに至るまで、肉系は全般取り扱う。世界中の美味しい肉を、ベストな熟成度合と調理法で、提供する。お勧め料理は、「グリエ・デギュスタション」(3,600円)。入荷状況により異なるが、日替わりの品や短角牛、プラチナポーク、シャラン鴨、十勝仔羊など、厳選された食材を、シンプルに網焼きで調理する。ワインは、フランスやイタリア、スペイン、オーストラリア、カリフォルニア、チリなど、世界各国の銘柄を、常時150種程(ボトル4,500円~)取り揃える。グラスでの提供も日替りで6種(840円~)を用意する。テーマは、“肉とワイン”。この店は、フランス料理の原点回帰を図った島田シェフの熟年の経験とノウハウが凝縮された、新業態だ。
店舗データ
店名 | ARVINARD(アルヴィナール) |
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住所 | 東京都港区白金1-27-6 白金ステーションビル1F |
アクセス | 地下鉄白金高輪駅3番出口より直結 |
電話 | 03-5793-5757 |
営業時間 | ランチ11:30~15:30、ディナー18:00~23:30 |
定休日 | 不定休 |
坪数客数 | 48坪・40席 |
客単価 | ランチ4,000円、ディナー6,000~10,000円 |
運営会社 | 株式会社ブランシェ |