2月2日のプレスプレビュー&夜の関係者レセプション。昼間のプレスはガラガラだったので、じっくりとお店を観察することができた。夜の部はなんと 1,500人が押しかけ、タダでさえ天高が低い収容所のような空間が、芋洗い状態だったという。真ん中にあんなに贅沢な吹き抜けの空間をつくるなら、地下 鉄のラッシュ以上の混雑必至の狭いエスカレーターを何とかして欲しかった! まあ、それはともかくとして、表参道ヒルズデビューを果たした飲食店、なかな か面白いではないか。私的には、いろいろ因縁があった渡邉明さんのメジャー復帰が何よりの喜び。中目黒の隠れ家パスタ屋さんは、彼の再起1号店だが、見事というほかな かった。そして、プロデュース絡みの新店を追い続けてきたが、一番好きなのは麻布十番の「焼きの匠KOTATSU」だった。店長が渡邉さんの心酔者で、本 当に正直に自分のあずかる店の長短をさらけ出す。でも、私はそこで出される野菜の力強さが記憶に残っていた。 その野菜が今回の「やさい家 めい」の主力商品だ。店名も渡邉さんらしい。かつて某企業で和食店を出したときも「日月(ひづき)」と名づけた。その 語源はなんてことはない、自分のファーストネーム「明」を解剖したものだ。今回の「めい」も要するに「明」の音読みではないか。なんと分かりすい人だろ う。しかし、自分の名前をさりげなく店名にするということが、この人らしい。正直だし、自信がある。かといって肩に力が入っていない。グローバルダイニン グの総料理長のポジションを捨てて真っ先に野に出た職人・渡邉明が、いま完全によみがえった。
コラム
2006.02.04
渡邉明、表参道デビュー!
表参道ヒルズに行ってきました。2月2日のプレスプレビュー。どの店も肩の力が抜けて良かった...。
佐藤こうぞう
香川県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、日本工業新聞記者、雑誌『プレジデント』10年の編集者生活を経て独立。2000年6月、飲食スタイルマガジン『ARIgATT』を創刊、vol.11まで編集長。
その後、『東京カレンダー』編集顧問を経て、2004年1月より業界系WEBニュースサイト「フードスタジアム」を自社で立ち上げ、編集長をつとめる。