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全席に囲炉裏を設置、職人がお客の目の前で焼き上げる「炉ばた 相縁」が高円寺にオープン。店主自身の目利きで仕入れた食材と日本酒を豊富に取り揃え、飲食激戦区で勝負

高円寺中通りを歩けば、すぐに見えてくる赤い提灯が目印だ。入り口の脇にもその日のおすすめが貼ってある
テーブルとカウンター合わせて18席全てに囲炉裏を設置した。目の前で焼くことで、客との会話のフックにもなるという
「金目鯛開き焼き」(800円)。焼きあがった後は串を抜いて、火から少し遠ざけて網の縁に置く。お客はそこから直接とって食べるスタイルだ
「野菜盛り合わせ」(600円)は、旬の野菜を各地から仕入れている。ときには「マコモタケ」なる珍しいタケノコが入ることもあり、会話のネタにもしているという
左から髙橋氏、二階堂氏。二階堂氏は生まれも育ちも高円寺。店を開くと決めてからは、二人がそれぞれ得意な分野で食材や仕入れ先を探して回っていた

(取材=髙橋 健太)


JR中央線高円寺駅の北口から徒歩3分。この界隈でも特に多くの飲食店がひしめき合う高円寺中通りに8月8日、「炉ばた 相縁」がオープンした。オーナーの髙橋啓介氏は、3年前にも高円寺で和食居酒屋「潮鶴B&M」(現在は閉店)をオープンさせ、今回は独立2店舗目。現在の共同経営者・二階堂大相(だいすけ)氏は、同店の常連客だった。店内全ての客席の前には囲炉裏を設置し、産地や質にこだわった食材を職人が焼き、一番の焼き頃で提供する。髙橋氏は、「このスタイルにすることだけは絶対に譲りたくなかった」と語る。

髙橋氏は、高校を卒業後、ステーキレストラン「スエヒロ館」などで有名なスエヒロレストランシステムに就職。入社2年目には店長を務め、店舗のオペレーションから売り上げの管理、新メニューの開発まで、幅広い業務をこなす日々を過ごしていた。特に商業科出身なこともあってか、数字の管理に強く、売上は毎年前年比の102%を上げ、次第に他店の売上管理と経理も任されるようになる。店舗経営の基礎は、同社に勤めていた4年間で、一通り培った。そんな髙橋氏は、数字の管理だけではなく接客でも才能を発揮する。「僕との会話を楽しみに来てくれるお客さんがたくさんいらっしゃったんです。それが嬉しくて、自分でお店を開きたいなと思うきっかけになりました」と、笑う。

おぼろげながらも独立することを目標とした髙橋氏は、料理の腕を磨きたいと思うようになるが、そんな折、ナイツ・アンド・カンパニーからヘッドハンティングの話を受けた。当時、新業態だった「焼はまぐり 青山八番」の副店長として入社し、手腕を振るう。ここで勤めている時に、炭の扱いや魚介類の料理などを学んだ。3年ほど勤めて起業のメドが立ち退職をすると、待っていたかのように知人から声がかかった。話を聞くと、中野でオムライス屋を立ち上げるのだが、軌道に乗るまで手伝ってほしいという。本格的な店舗の立ち上げを経験するいい機会だと感じ、これを快諾。店の名は「kurumari」。髙橋氏が自分の後釜を育てて辞めるころには、メディアに取り上げられるほどの人気店になっていた。

こうして、本格的に自店舗を探し始めた髙橋氏は、1年後、高円寺で居酒屋「潮鶴B&M」をオープンさせる。5坪14席と手狭なうえ、2階の店だった。しかし、持ち前の商才と接客を武器に常連を増やし、平均月商100万以上、時期によっては150万を売り上げる人気店舗に。「もう少し広い店を探そう、と思い始めた時、別の居酒屋で働いていた二階堂(現・共同経営者)から独立を考えてるって話をされて。じゃ、次の店は一緒にやろうかってなったんです」と、髙橋氏。お互いに馴染みのお客がいる高円寺で物件を探し、「炉ばた 相縁」をオープンする。

「相縁」では、「潮鶴B&M」の頃よりも、料理にもっと力を入れる店にすることにした。その時期折々で旬の魚介や肉、野菜を炭火焼にする。人気の干物は日替わりで、二階堂氏が懇意にしている福岡の漁港からの直送だ。「さわら味醂干し」(600円)、「真いわし干し」(350円)のような定番から、「長崎俵物あじ」(580円)や「ゴロイカ」(780円)などの珍しいものも。また、「鶏盛」(500円)は、臭みが少なく柔らかな千葉県産の錦爽鶏(きんそうどり)を使用。ももやつくね、なんこつなど6つの部位を提供。さらに、「シメ鯖お刺身」(780円)や「肉厚エイヒレ」(600円)、「塩卵かけご飯」(500円)など、つまみやご飯ものも20種以上と充実だ。

ドリンクは、「酒屋も舌を巻いてしまうほど」愛を注ぎ、精通している髙橋氏が選ぶ約20種もの日本酒が名物だ。色々な種類を飲み比べできるように半合での提供。「舞美人 酒粕再発行酒」(520円)や、「天明 純米大吟醸」(500円)など、季節折々の酒を日替わりで。一方、二階堂氏は焼酎が詳しい。芋、麦、米、泡盛が400円~で約20種類。「村尾」(700円)と「佐藤」(700円)も揃えている。その他、「生ビール」(500円)や「生レモンサワー」(480円)など、居酒屋では定番のドリンクもまた、20種類ほど揃えている。

今後は、2年以内に3店舗ほどは展開したいと語る髙橋氏。そのうち1店舗は、1年以内に高円寺で焼肉店を出そうと考えている。「相縁」のように、客席の前で職人が炭火で焼くスタイルで、本当においしいタイミングでお客に食べてもらいたいという一心だ。「お客さまがその日の気分で『今日は相縁で魚食べたいな』『今日は肉の気分だな』って、店を使い分けるようになったら面白いなと思うんですよ」と、楽しそうに話す。

店舗データ

店名 炉ばた 相縁
住所 東京都杉並区高円寺北3-1-15高円寺ビル1F

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アクセス JR中央線・総武線高円寺駅北口より徒歩3分
電話 03-6265-5758
営業時間 【平日】17:00~翌2:00 【土日祝】16:00~翌2:00
定休日 無休
坪数客数 9.5坪 18席
客単価 4000円
オープン日 2018年8月8日
関連リンク 炉端 相縁(Instagram)
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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