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三軒茶屋に「大衆フレンチ酒場 ぼんくら」が開業。武蔵小山「手打蕎麦 ちりん」などそば居酒屋を手掛けるBプラスが、独自のフレンチ業態に挑む

三軒茶屋の雑居ビル2階に立地。同物件の3階ではオーナー石川氏が蒐集したレコードが並ぶミュージックバー「酒場ぁ ドーコレ」がひと足先にオープンした
赤いチェック柄のテーブルクロスが印象的な、フレンチテイスト漂う店内

同店名物の「森林鶏 骨付モモ肉のコンフィ」(800円)
大きな鍋で提供される「数種類の貝の白ワイン蒸し」(850円)。季節の貝がてんこ盛りの一品
写真左からオーナーの石川雅規氏、スタッフの吉田直樹氏、シェフの長尾信也氏

三軒茶屋駅の南口から徒歩5分、栄通り商店街の雑居ビル2階に、5月12日、「大衆フレンチ酒場 ぼんくら」がオープンした。熟練のシェフによるフランス料理がリーズナブルな価格で楽しめる酒場だ。運営はBプラス(東京都品川区、代表取締役:石川雅規氏)。同社は、武蔵小山の「手打蕎麦 ちりん」、学芸大学の「立呑地酒蕎麦 学大角打」、五反田の「地酒・肴・蕎麦 まほろば」の3店舗のそば居酒屋と、同物件の3階でミュージックバー「酒場ぁドーコレ」を展開している。

代表の石川氏は現在47歳。30歳まで音楽関係の仕事に従事していたが、自らで事業を興したいと飲食店開業を決意。当時、石川氏が住んでいた深大寺周辺には多くのそば店があり、脱サラして開業するオーナーの話も多かったことから、「これなら自分にもできるかも」とそば店で修業を開始した。そして6年後の2006年11月、武蔵小山に「手打蕎麦 ちりん」をオープン。しかし、開業当初は鳴かず飛ばず。「そば屋は、“立ち食いそば”から”高級手打ちそば“までさまざまな業態がありますが、ラーメン屋のチャーシュー麺のように、手打ちそばの天せいろを1000円で提供すれば、お客さまは来てくれるという目算だったのですが、外れました(笑)。そば屋らしくない内装など他の要因もあったと思いますが…」と石川氏。そこで打開策として利益率の高いアルコールを売ろうとつまみを増やして「そば居酒屋」へ業態変更を行った。「昔は“昼飲みができる場所と言えばそば屋”という時代もありましたが、現代では、そば屋に限らずあらゆる店舗で昼飲みはすっかり定着。昭和のそば屋が担っていた役目はなくなりつつあります。そこで、現代的なエッセンスを加えつつ、当時の酒が飲める“街場のそば屋”をテーマとして、店を刷新しました」と石川氏。そうしたコンセプトがウケて売り上げは次第に向上。好調につき、現在はそば居酒屋を3店舗運営するまでに成長した。

「今後の展開を考えるうえで、人材の確保は大きな課題。“そば業界は細く長く”とはよく言ったもので、街に必要とされる存在として安定的な売り上げは確保できるものの、爆発的に伸びることはない。創業から11年が経ち、私やスタッフも年を取り、新しい風を吹き込む人材の必要性を感じつつも、飲食業界は未曾有の人手不足。とくに、ビストロやレストランなどの華やかな洋食業態に比べ、そばは人が集まりにくい業態なんです」と石川氏は話す。そんな折、料理人として20年のキャリアを持つ長尾信也氏と出会う。「レストラン&ワインバー ロゼッタ」、「スペインバル ジローナ」などで修業を重ね、2012年10月に広尾に「ラ キュイエール」でオーナーシェフとして独立、その実力は折り紙付きの人物だ。

長尾氏と意気投合したことを契機に、そば業態から一転、フレンチ業態の構想を開始した石川氏。求人で人気のフレンチ業態の店を開業することで、人材確保をはじめ売り上げの拡大など、強い組織づくりにつなげたい考えだ。「洋食業態でも、今流行りの“大衆ビストロ”や“大衆イタリアン”業態はもう飽和状態。そこで、長尾シェフの実力を生かした本格的なレストランレベルのフランス料理を、リーズナブルに提供する酒場、“大衆フレンチ酒場”という業態に行きついたのです」と話す。

長尾氏は物件の都合により自店を閉店し、同店のシェフに就任した。客単価8000円~1万円程度のレストランの経験が長かった長尾氏だが、石川氏と議論を重ね、客単価4000円程度のメニュー構成を考案。「キャロットラペ」「ウフマヨネーズ」(各400円、税込み・以下同)などの前菜から、定番メニューとして「テリーヌドカンパーニュ」(800円)、「数種類の貝の白ワイン蒸し」(850円)、メイン料理には「テットドコション」(1500円)、「カスレ」(2名分1800円~)など常時40品ほどがそろう。コンセプトは、「フランス料理初心者の入門編となる店」。敷居の高いフランス料理を、気軽な大衆酒場で楽しんでほしいというのが願いだ。ドリンクはワインはグラス500円~、ボトルは2900~5000円で赤・白・泡あわせて15種類ほど用意。そのほか、「生ビール」「瀬戸内レモンサワー」「ウーロンハイ」(各500円)をはじめ、各種カクテルや食後酒などを用意。そば居酒屋と同様、料理だけでなく、「酒場」としてアルコールの売り上げをしっかりと確保し、利益を上げていきたい狙いだ。

「まだオープンしたばかりで試行錯誤の状態。『本格的なフランス料理をどう崩すか』は大きなテーマ。まだ日本では知名度のない定番料理も、当店からの発信でいつか世の中のスタンダードになれば嬉しい。そのために今後も改善を加え、ブラッシュアップしていきます」と石川氏は話す。「私の店づくりは、いつもマーケットの“スキマ”を考えることから始まる」と、世の中の流れを鋭く察知し、スキマから確かなニーズを探り当ててヒットを飛ばしてきた石川氏。フランス料理という同社にとっては新しいチャレンジだが、今回もその手腕による店づくりに期待がかかる。

(取材=大関 愛美)

店舗データ

店名 大衆フレンチ酒場 ぼんくら
住所 東京都世田谷区太子堂1-15-13 2F
アクセス 三軒茶屋駅から徒歩5分
電話 03-6453-4562
営業時間 【平日】17:00~24:00(LO23:00)【土・日・祝】15:00~24:00(LO23:00)
定休日 月曜
坪数客数 12坪強26席
客単価 4000円
運営会社 株式会社Bプラス
オープン日 2018年5月12日
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