京急川崎駅から徒歩2分。駅前の賑わいからやや離れた場所に1月9日、居酒屋「魚炉魚炉(ぎょろぎょろ)」が開業した。運営は、現在27歳の菊池厚志氏率いるSunrise(神奈川県川崎市)だ。川崎で生まれ育ち、20歳で飲食業界に飛び込んだ菊池氏は、24歳のときに川崎に「肉巻き野菜串 華火」を開業し独立。現在、「魚炉魚炉」を含め川崎エリアで3店舗を展開し、飲食業界の「第5世代」として注目が集まっている人物だ。「5年で5店舗」という目標を掲げ、川崎エリアでドミナント展開を行っている。
新店舗のテーマは、“鮮魚と炉端”。「近年、東京では炉端焼き業態が盛り上がっていますが、川崎では炉端業態の店がまだ少ない。また、もっと川崎に魚がおいしい店があってもよいのではないかと思っていました。加えて魚料理をやりたいというスタッフの声があったことが、この業態を開発するきっかけです」と菊池氏は話す。
鮮魚は毎朝築地から仕入れたものを使用。刺身にしてお通しとして提供し、鮮魚は必ず食べてもらうことで「魚のおいしい店」として認知を上げたい考えだ。炉端焼きに関しては、菊池氏の尊敬する先輩である國屋代表の國利翔氏にお願いをし、居酒屋激戦区の新宿で人気店として知られる國利氏の「ろばた 翔」にて、スタッフの研修を実施した。日替わりの一本魚の炉端焼き(1480円~)は常時3品をそろえるほか、「千寿ねぎ」(480円)、「まこも茸」(580円)など野菜の炉端焼きも豊富にそろう。サイドメニューには、低温調理した牡蠣を和牛で巻いた「牡蠣の黒毛和牛巻き」(580円)、イクラとトビッ子を贅沢にのせた「イクラととびっ子の魚卵ポテトサラダ」(680円)など、原価高めのアピール力の強い商品も用意する。〆として「雲丹ぎり」(680円)、「味噌バターおにぎり」(480円)などの焼きおにぎりも用意し、バラエティ豊かなラインアップだ。
ドリンクの目玉は日本酒。魚に合うものから「獺祭」「醸し人九平次」などの高級ラインなど、常時18品(680円~1280円/150ml)をとりそろえる。「徳島産生スダチ酎」「ノンワックス国産レモン酎」(各580円)などのサワー類は、すべてコンクを使用せずにフレッシュの素材を使用するほか、国産ウィスキーにこだわったハイボール、自然派ワイン、クラフトジンなどがそろう。
「“大人の酒場”を目指し、ターゲットは25歳以上の“脱チェーン店”したい男女。川崎はチェーン店が多いので、大手には真似できない商品や接客で、ファンを獲得していきたい」と菊池氏。川崎はオープンになる物件情報が圧倒的に少なく、好立地は家賃が高いため大手チェーン店が取得してしまい、個店にとっての物件探しは困難だという。常日頃から、川崎の街を自らの足で街を歩き、物件を探していた菊池氏。今回も、その中で運よく同物件を見つけたことで、開業に結び付いた。
「当社の店づくりの方針は“超個店主義”。ひとつひとつの店舗に独自性を持たせ、同じ街で同じ業態はやりません。川崎で多様な業態の店舗を展開し、お客さまにはその日の気分に合わせて当社の店舗からお店を選んでもらえるようになるのが理想です」と菊池氏は話す。今回の鮮魚と炉端焼きというテーマのように、店づくりの際には“今の川崎にないもの”をキーワードとして業態を考えるという。「生まれ育った川崎の街を、飲食で盛り上げたい」と、川崎の街を愛する菊池氏だからこそ、街が求めるニーズを鋭く察知し、形にすることが可能で、それが菊池氏の店づくりの強さの秘訣と言えるだろう。今後は南武線沿線に展開し、ゆくゆくは海外展開も目論む菊池氏。第5世代の経営者として、さらには川崎の街を盛り上げる存在として、期待が高まる。
店舗データ
店名 | 魚炉魚炉(ぎょろぎょろ) |
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住所 | 神奈川県川崎市川崎区駅前本町14-3 |
アクセス | 京急川崎駅から徒歩2分 |
電話 | 044-221-0203 |
営業時間 | 17:00~24:00 |
定休日 | 無休 |
坪数客数 | 13坪26席 |
客単価 | 4200円 |
運営会社 | 株式会社Sunrise |
オープン日 | 2018年1月9日 |
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