中目黒の住宅地にオープンした「Crab House Eni Seafood & Oyster(クラブハウスエニ シーフード&オイスター)」。エビとカニの一文字ずつ取った店名“エニ”と、ショルダーネームの“シーフード&オイスター”で、甲殻類と魚介を売りにした店であることを謳う。同店は、グローバルダイニング(以下、GD)で鍛錬を積んだ女性オーナー・奥澤友紀氏の独立一号店。オープンから1週間で数回通うリピート客をつけるほど、早くも支持を得ている。 奥澤氏が飲食業に興味を持ったのは、学生時代のアルバイトから。「18 歳のときに行った、代官山の「モンスーンカフェ」で、そこのサービスだったり空間だったりに感銘を受け、ここで働きたいと思ったんです」(奥澤氏)。その想いから、GDへアルバイトとして入った。大学卒業後は飲食から離れ、一般企業の営業職に。父親が自営業だったことから、独立を考え再びGDに戻り、「モンスーンカフェ」のサービスリーダー、「タブローズ」の店長と歴任。退職後は同じGD卒業生の独立店で、自由が丘にある「MIKIYA’S」の立ち上げに携わったという。 業態は、GD時代、L.A.に研修で行った際に見た、シーフードレストランからインスピレーションを受け決めた。ショルダーネームにも名付けた「オイスター」は、シェフが築地に買い付けに行き、原価ギリギリの価格で提供。産地や銘柄は日替わりで、だいたい1個170~300円で用意する。また、ロブスターや鮮魚などはオーダーを受けてから捌き、鮮度の良さを一皿に表現する。「築地からの鮮魚」(価格は日替わり)は、仕入れによって毎日1~4種類の魚を用意。調理法も客の好みで選択が可能だ。そのほか、オマール海老を一匹をまるごと使用する「オマール海老の活々」(1800円)は、生食で提供し、新鮮であることをアピール。余った頭は味噌汁にする。また、タラバガニの足とエビを用いたブイヤベース「海老かに合戦」(2400円)は、締めにパスタかリゾットで提供。一つの料理でも、さまざまな味わいが楽しめるような調理を考えた。 ドリンクのメインは、魚介類に合う赤・白・泡の各種ワイン。イチオシは「ヴーヴ・クリコ イエローラベル ブリュット」。1杯999円で「都内最安値?」とメニュー表で謳い、インパクトを持たせた。ボトルワインのボリュームゾーンは2500~3500円。ほかにも3万円を超す「EXCLUSIVE(高級)」ワインを揃える。「タブローズからのお客様もいらっしゃるので、そういった方々にも満足して頂けるワインを用意しています。良いワインと、カジュアルな料理で楽しんでもらえる構成にしました」と奥澤氏。スタッフが100種類以上を試飲し、セレクトしたワインは「自分たちが100%納得しないものはやめよう」との想いの下、ラインアップ。高品質なものを、圧倒的なコストパフォーマンスの高さで提供し、客の満足度を上げる努力を惜しまない。 GDで共に働いてきたスタッフたちと、今回の独立店舗を立ち上げたという奥澤氏。「タブローズ」のスーシェフとバーテンダー、「ラボエム」「タブローズ」のサービスリーダー、GDの料理、サービスと、その真髄をしっかりと受け継ぎ、そこに奥澤氏の女性らしい視点を取り入れた店を完成させた。「まずは3年で5店舗」と奥澤氏。高級食材のイメージが強い海老と蟹を、もっと手軽に食べてもらえる店を展開したいという。目指すはファーストフードのように手軽に食べられる店。「まだまだやりたいことはたくさんある」と意気込む、奥澤氏の今後に期待したい。
店舗データ
店名 | Crab House Eni Seafood & Oyster (クラブハウスエニ シーフード&オイスター) |
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住所 | 東京都目黒区上目黒1-12-15 |
アクセス | 東京メトロ日比谷線中目黒駅より徒歩4分 |
電話 | 03-5428-8238 |
営業時間 | 11:30〜15:00(L.O.)、18:00〜翌1:00(L.O.24:00) |
定休日 | 21坪・46席 |
坪数客数 | ランチ950円、ディナー3500〜4500円 |
関連リンク | Crab House Eni |