
1982年東京都生まれ。成蹊大学卒業後、各種広告関係営業、外食企業のプロモーション・広報を経て、2014年1月、31歳で外食メディア「フードスタジアム」フードスタジアム株式会社 代表取締役就任。飲食店若手経営者の会「外食5G(現RX)」初代サポーター企業リーダー。2020年3月、株式会社ミライーツを設立。飲食業界における幅広い人脈、情報を持ち、飲食企業のサポートに従事する一方、本連載「@繁盛店ネタ箱」では独自に記事の取材・執筆を手掛ける。
大山:まずはお二人の自己紹介をお願いいたします。
青木さん:Chef’s valueの代表の青木と申します。もともとは、私も飲食の現場におりまして、「カノビアーノ東京」というレストランで、サービスをやらせていただいていました。その後、飲食のWEB広告業を経て、今は料理人に特化した、人材の支援を行っています。
中川さん:中川ひとみと申します。 前職は株式会社キープ・ウィルダイニングという会社で15年ほど働いた後に、良き出会いがありまして、このChef’s valueという会社に入社をいたしました。 よろしくお願い致します。

大山:ありがとうございます。先日イベントにも顔出させていただいたのですが、改めてChef’s valueの概要をお聞かせください。
青木さん:このChef’s valueという会社は、「プロフェッショナルの生涯価値の向上」と「クライアントの価値創造への貢献」をミッションに映像・ゲーム・医療・建築分野など18分野で開発・請負などを行うC&Rグループ全35社の中の1社です。私たちはその中で料理人の方々に特化して事業を展開しています。
大山:具体的にやっていることというのは、シェフの人材紹介ですか?
青木さん:人材紹介業が中心ではあるものの、料理人の方々の生涯価値の向上になることであれば、積極的に取り組んでいる企業になります。
大山:なるほど、そういった文脈で先日の若手料理人イベントなどをやられているのですね!実際に参加させていただきましたが、素晴らしいイベントでした。

2025年8月31日に開催された若手料理人を若手料理人が一皿に想いを込めてプレゼンテーションを行う「NEXT TABLE 2025」

各料理人の想いが詰まった”一皿のプレゼンテーション”

青木さん:ありがとうございます。。なぜ今回のようなイベントを企画したかというと、料理人を目指す方々はかなり減っているのが現状です。若手のうちから、料理人を目指す「志」というのを高めていただきたいと思っておりまして、それを何か1つ形にできないのか、という想いの中で自分の考える料理を表現する場の提供というのを私たちであればできると思い、このようなイベントを開催させていただきました。今後、定期的に行えればと思っております。
大山:なるほどですね。イベントを通じて、シェフたちの地位向上であったり、インフルエンス力みたいなものを身につけてもらいたいといった感じですかね。
青木さん:そうですね。イベントの目標としては2つありまして、1つは今回お集まり頂いた食の愛好家の方々以外にメーカーさんや飲食関係のお仕事の方々にも参加頂き、シェフのお仕事につながる接点の場にしたいというのがあります。もう1つは、独立をしたいという料理人の方に出資をして下さる方との接点を作りたいと考えています。

大山:それはいいですね。実際に店舗の運営されているんですよね?
青木さん:はい、「Cassolo」という店舗です。「Cassolo」とは飛行機が離陸・着陸する「滑走路」から名付られており、この店舗で様々な挑戦をした料理人たちが次々と飛び立つと同時に、一緒に飛び続けるための帰還場所でもあるというコンセプトを表現しています。
ここで働いてくれたシェフが外に出て行き、さらに生涯価値を上げてもらいたいというのはもちろんのこと、逆に出て行った方がまたここに戻ってきて、改めて自分の価値を見直すという場所でもあってほしいと思っております。
大山:中川さんは私は前職から存じ上げているのですが、どういった経緯でChef’s valueにジョインされたのですか?
中川さん:ありがとうございます。 キープウィルダイニングからは、有難いことにのれん分けをさせていただく直前まで行ったんです。ただちょうど人生の転換期にあたってしまって、本当にいろいろありまして、結局そうしないっていう判断に至ったんですね。それが自分の人生のターニングポイントとなっていて。前職のことは今も大好きですが、一旦卒業という形を取りました。そこで初めてちょっと休んでみようと思って、1年弱ぐらいお休みをしていたんです。
まずは自分のメンテナンスといったところで斜視の手術だったんですけど、術後は充血しちゃって接客に向いていないのと、1年がかりになってしまって。 出来る限りお休み期間はそこに振り切ったのですが、完了するまでは事務作業の派遣社員を挟みまして。前職で育てて頂いたスキルと人間力の土台があったおかげで、派遣とは思えないって言われるようなチームができたり、そういう業界の人たちと出会った期間がありました。新鮮でとても楽しかったですが、やはり食に携わる仕事がしたいって渇望していたかもしれません。楽しかったですけどね!
大山:それでChef’s valueに出会うわけですね。
中川さん:はい。色々見た中で、Chef’s valueが気になってしょうがなかったですね。
大山:何がChef’s valueに入社したいと思わせたのですか?
中川さん:転職というものが初めてだったので、エージェントを利用したのですが、他の求人は例えば「新規オープンのレストランの立ち上げ」とか求人サイトでよく見るような募集がほとんどだったんですよね。ただこの Chef’s valueは「料理人の生涯価値の向上」であったり、先ほど青木が申し上げたように「Cassolo=滑走路」といったストーリーがあって、飲食店って長く勤め上げることが良いとされることが当たり前だと思っていたのですが、いつ飛び立っても、いつ帰還しても、というスタンスに感銘を受けました。「なんかここは、ただの人材ビジネスや飲食店をやってるような会社じゃないな」っていうのは感じました。おもしろそうだなって。 募集の概要としては人材エージェントとしての募集だったんですけれども、その人材エージェントをやりながら、店舗運営にも参加できるわけです。 こんな会社は、他を探してもないぞというふうに思いました。それで入社を決断しました。
大山:飲食店経営だけではなく、飲食業界を広くサポートできるというところは確かに中川さんの立場だったら魅力に感じますよね。
中川さん:はい。現場経験があるからこそ、困ってる飲食人に寄り添えるんじゃないかと思いました。あとは今まで居た業種と違うシェフ達と関われる機会も欲しかったです。といっても、決め手は面接の時から感じていたのですが、まず青木と一緒に働いてみたいと思いました。
企業理念の「料理人の生涯価値の向上」といったところを本気で体現したいんだろうなというのがすごく伝わってきたので、この会社に入社を決めました。なんか、とても久々に痺れてしまったんです。うわー!この人のビジョン叶えたーい!っていう、湧いてくるような感覚がありました(笑)。おこがましいですが、これから一緒に創っていければと思っていますし、青木が思う理想の形にしたいなと思っています。
大山:素晴らしいですね。実際に人材紹介会社ということなので、登録しているシェフ・料理人がいるってことですよね?
青木さん:はい、大体今で延べ5,000名程います。
大山:登録されている方々はフリーの方とか、勤めてる方、どちらが多いんですか?
青木さん:勤めている方のほうが多くなっておりますが、将来的には独立したいという方も多いですね。まだどこかで働いてるけれども、いい話があれば、話を聞いてみたいというような方が中心です。
大山:なるほど、シェフたちのキャリアアップ・キャリア支援にも繋がりますね。
青木さん:そうですね。私達の所には企業から、新規開業の為に料理長を任せられる方がいないかや投資会社からミシュランで星を獲り、複数店舗展開できる料理人がいないかなど様々な相談を頂いていますので、直接的にキャリアアップをして頂く事もありますし、今回のようなイベントや私達のコミュニティーを通して間接的に価値を高めて頂く事もあります。

写真提供:クリーク・アンド・リバー社
大山:今後の事業の方向性といったところをお聞かせください。
青木さん:まず一つ目は、私たちが運営する店舗「Cassolo」を軸に、今後は店舗数を増やし、登録シェフの皆さんが新たに挑戦できる場を広げていくことです。 料理人が“自分の料理を試せる場所”を増やし、現場を通じて成長できる環境を整えていきます。
もう一つは、料理人同士の強いつながりを築くコミュニティ形成です。これまでにも、さまざまなイベントを通して交流と学びの機会をつくってきました。たとえば、第1回は浅草かっぱ橋の包丁ブランド「貴和美」さんとコラボし、 どんなキャリアの方でも参加できる【包丁研ぎ体験イベント】を開催。改めて“道具と向き合う時間”を、共有できる機会になりました。
また、【食育×キャリア】をテーマにしたイベントでは、 子どもたちが選んだ野菜を料理人と一緒に調理するワークショップを実施。 「誰かのために料理をつくる」という原点を再確認できる場となりました。ちょうど夏休みの時期だったこともあり、親御さんも一緒に参加してくださり、 家族で初めて食べる野菜にチャレンジしたり、 「家に帰ってまた作ってみたい!」という声が聞こえるなど、 食への関心を家族ぐるみで高められる素敵な時間になりました。
最近では、料理人の海外修行や渡航の機会が減っている現状を踏まえ、「海外に挑戦したい方の背中を押せる企画」を強化しています。10月14日には、 『海外での挑戦がキャリアを創る〜海外挑戦と帰国後のリアルストーリー〜』 というテーマで、フランスと日本2か国のライブ配信ウェビナーを開催しました。 フランスで独立したシェフ、日本でキャリアを築いたシェフが登壇し、 海外での経験や帰国後のリアルなキャリア形成について語ってくださいました。さらに、2026年4〜5月にはアニメ「フェルマーの料理」とのコラボレストランを企画中です。 普段のレストランでは体験できない“IPコラボ”という新たなチャレンジを通して、 料理人が多様な経験を積める場を今後も創出していきたいと考えています。
大山:最後に、フードスタジアムは経営者の方が多く見てくださっているのですが、読者の方々へメッセージがございましたらお願いします。
青木さん:株式会社Chef’s Valueは、料理人の無限の可能性とその能力を最大限に引き出し、貴社の事業成長と競争力向上に直結する価値を提供します。昨今の人材不足や原価高騰など大変な事も多いと思いますが共に食の可能性を広げていけたら幸いです。こんなことがしてみたい、こんな人と繋がってみたいなどのご提案がありましたら、お気軽にご連絡ください!
−ありがとうございました!

NEXT TABLE第二弾 開催決定!皆様のご参加をお待ちしております
予約などの最新情報は下記Instagramより随時発信いたします」
◾️こちらの企業・サービスに興味・関心、各種コラボ希望等、連絡を取りたい方は下記フォームよりお問い合わせください。弊社が中継し、ご連絡させていただきます。(メディア取材、各種コラボレーション等)


















