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スペシャル企画

廃棄される酒粕を「街の資産」に再生! “循環”する社会を目指し、富山の居酒屋オーナーが「SAKEKASU syrup」を売る理由とは?


米をコンセプトにした「米のこじま」で提供すべく、試行錯誤を繰り返しながら完成

―小嶋さん、河内さんが「SAKEKASU syrup」を知ったのはいつ?

布村氏:2020年に新店舗「酒場ヤマ富」をオープンした際、河内くんや小嶋くんらの居酒屋オーナー仲間がお祝いに駆けつけてくれました。その時に初めて店で出していた「大人のカルピス」を飲んでもらったんですよね。

小嶋氏:まず“酒粕をサワーにした”という発想が新鮮だし、「大人のカルピス」という名前もキャッチーでいいなと思いました。しかも、飲んでみて美味しい!あのときは皆ハマってそればかり飲んでました。早速、どう自分の店でパクろうかと盛り上がったよね(笑)。

河内氏:さわやかでゴクゴク飲めるけど、酒粕の風味が今までにない味。ちょっと玄人心をくすぐる良きコンテンツだなと思いました。

―2人はどのように関わっていったのでしょうか?

河内氏:これは良い!広めましょうと言ったのは僕です。僕は新潟出身で、地元に酒蔵も多く、やはり新潟の酒蔵も酒粕の廃棄には悩んでいて、これはその問題を解決する糸口になるのではないかと思いました。布村さんの「循環させる」というコンセプトにも強く共感しましたね。

布村氏:早速、手を挙げてくれた河内くんのお店で試験的に提供を始めました。その時はまだ施策段階でレシピも定まっておらず、製造も今のように工場ではなく店舗で私がしていました。鍋で酒粕がだまになって飛び散るのでたくさん火傷しました(笑)。

小嶋氏:そうそう。それを知らず「コマル」に行ったらメニューにしれっと「大人のカルピス」があって「抜け駆けか!?」と(笑)。すぐあっちゃん(布村氏)に「俺もやりたい!」と電話しました。ちょうど「米のこじま」のオープン準備を進めているタイミングで、「米のこじま」は米をテーマにした店なので、米にまつわるドリンクを出したいと考えていた。酒粕というのはぴったりでした。「SAKEKASU syrup」のコンセプトを詳しく聞くと、さらに興味を持ちました。「循環」を目指すというのは、これからの時代に合ってると思う。

布村氏:そこから、試験提供してもらっている河内くんと、「米のこじま」のオープン準備を進める小嶋くんの2人からあれこれ意見をもらいながら製品をブラッシュアップしていきました。

河内氏:当初はヨーグルトを加えて濃厚な感じにしていたよね。そうすると味わいが重いのか2杯目のお代わりにつながらなかった。小嶋さんがヨーグルトなしの方がすっきりしてていい、ということで現在の形に落ち着きました。

布村氏:甘味も当初のグラニュー糖から、精製されていない甜菜糖にたどり着き、すべて国産、自然由来の無添加のものでつくるようにしました。それによって健康志向の人や子どもにもオススメできるし、味わいもどこか優しくなったと思います。

―シロップ自体はノンアルコールなんですね。

布村氏:私自身あまりお酒が飲めないこともあり、ノンアルコールドリンクとしても可能性も広げられたらと思っていて。今は首都圏の居酒屋でサワーとしての取り扱いが中心ですが、ソーダで割ってノンアルとして出してもいい。居酒屋以外の業態、カフェなどでコーヒーと合わせたり、スムージーにしたりと、ノンアルコールドリンクとしても活用され始めています。

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