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スペシャル企画

いまの酒場トレンドをつくるオーナーが集結!ドリンク座談会~Z世代が求める“多様性”を酒場はどう表現する?~


酒場に“多様性”を求めてアナログ回帰が始まっている?

狩野氏:コロナでデジタル化が加速し、モバイルオーダーを導入する店が増えているなど飲食業界でもデジタル化が進んでいますが、フードテック先進国のアメリカでは、いま、一周回って紙のメニューを使っているところも増えているようですよ(笑)。

一同:ええっ。

狩野氏:生活にスマホが浸透し、日常ではずっとスマホを見ている。だからこそ、飲食店に来た時くらいはスマホを見ない。飲食店に求められるのは”リアルなもの“。だからモバイルオーダーから紙のメニューに逆戻りしているそうです。ネットの普及により、一時は「ネットにすべての情報がある」と思われましたが、実際はそうじゃなかった。確かにネットには膨大な量の情報がありますが、「自分が探そうと思って探した情報」しか手に入らない。ネットだけに頼っていては、多様性がなくなり、意見が偏る。一方、飲み会の場なら、同席した人、隣り合った人、否応なく様々な意見が入ってくる。リアルな場での偶然の出会いこそが人生を豊かにすると人々は気づいてきているんです。

ですので、酒場に求められるのはやはり多様性。ネットにはない多様性のある情報に触れたいから、皆、酒場に行くんです。だからこそ酒場にも多様性を受け入れる用意がなくてはならない。お酒を飲む人も、飲まない人も楽しめる場でなくてはならない。最近オープンした「サンチャマリア」は、クラフトサワーをウリにしたバーですが、サワーと同じ種類だけのノンアルドリンクも用意しています。どんな趣味嗜好の人も「自分にぴったりのドリンク」を楽しめることが大切です。

新井氏:店側から一方的に「自信作のこれを食べて!」とプロダクトアウトの考えで商品を出すはもう時代錯誤。お客様が求める多様性を考慮したマーケットインの考え方が主流になる。一方通行ではなく、相手の声を聞く商品づくり。一人一人の嗜好に合わせてカスタマイズ性の高い商品は、多様性を求めるZ世代にぴったりですよね。こうした時代の流れから、ビアボールのようなアレンジの多様性がある商品が生まれたのは必然だったように思います。メーカーと飲食店、そしてお客様と一緒になって作っていくビアボールは、時代を象徴する商品になると思いますよ!今後、ドリンクひとつをとっても飲食店が様々な飲み方を発信していくようになるのではないかと思います。

―今の若い人はお酒を飲まない、お金を使わない、などと言われる中でも、繁盛店を作っている皆さんは「対価に価値が見合っていればちゃんと評価してもらえる」と実感しているのですね。加えて、多様性を認める店づくりもこれからの時代のキーワードになりそうです。今日は貴重なお話をありがとうございました!

(取材=大関 まなみ)

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