目指したのは「酒場」ではなく「居酒屋」。“集うこと、居ること”が目的の店に
「タロウヤマダ」はジャンルレス、ボーダレス、ノーコンセプト、枠にとらわれない新スタイル“洋”居酒屋を謳う。吉田氏は「『酒場』ではなく『居酒屋』をつくった」と話す。「専門性が高く、その店でしか体験できない料理や酒が軸になる『酒場』ではなく、その時その場所に集うこと=『居る』ことを目的とした『居酒屋』。スタッフとお客様の関係値がフラットで、型通りのオーダーや時間の使い方ではなく、その場その瞬間を楽しめる店にしたいと考えました」。
今回は物件の都合で五反田での出店となったが、もともとはファッションや音楽などのカルチャーに関心が高い若者が集まる街に出店することをイメージしてつくった業態だという。トレンド感度の高い若い人をメインターゲットに想定しており、例えば原宿などがそうだ。吉田氏自身も原宿に思い入れがある。「ファッションが好きだった10代の頃から原宿は憧れの街。独立前に働いていたグローバルダイニングでも原宿の店舗で勤務していましたし、街の雰囲気はよく知っている。かつて原宿には『中西』や『母家』、ちょっと離れてたけど『SARA』といった、感度が高い街で働く人たちが深夜まで集える居酒屋が多くあった。料理や接客が目的で行くのではなく、皆がそこに集まって、それぞれの楽しみ方で飲み、食べ、笑う。ああいう場をいま、僕らなりの“居酒屋”としてつくりたかったんです」と吉田氏。
店名の「タロウヤマダ」はいわば「ノーネーム=名無しのごんべえ」。英語圏で言うところの「ジョンスミス」、ありふれた苗字と名前の組み合わせで表記見本にも使われるほど没個性な名前で、ジャンルレス、ボーダレス、ノーコンセプト、枠にとらわれないといったコンセプトを表現。ワールドスタンダードにならってファーストネームから「タロウヤマダ」とした。
一方で、経営的な狙いもある。「当社の主力業態の『大衆ビストロジル』や『酒場シナトラ』はお客様の年齢層も比較的高く、コミュニケーションスキルを求められること多いため、それなりに熟練のスタッフ中心で営業せざるを得ない。うちは新卒採用も積極的に行っているので、成長した若手スタッフが主体となって営業できる店をやらせてあげたかった。これからの世代のスタッフが、これからの世代のお客様に受け入れられながら店を成長させていくことが目的。また『この店で働きたい』と思ってもらえる未来の飲食人の採用も目的としています」と吉田氏。
これまでとはひと味違う新しい感性を取り入れた業態を目指し、音楽やアパレルなど飲食以外のジャンルで活躍するクリエイティブチームとともに店づくりを行った。誰もが知る大手企業や有名アーティストの案件も手掛けるチームだそうだが、「最も大切なクオリティが伴わず話題性だけが先行してはならない」(吉田氏)と、チームの詳細はあえて打ち出さないという。

「大衆ビストロ ジル」時代からガラリと変わった店内。コミュニケーションが生まれるオープンなカウンター中心
店舗データ
店名 | タロウヤマダ |
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住所 | 東京都品川区西五反田2-18-3 グレイス五反田 B1F |
アクセス | 五反田駅から徒歩5分 |
電話 | 03-6421-7736 |
営業時間 | 17:00~24:00(LO料理23:00、ドリンク23:30)日祝15:00~23:00(LO料理22:00、ドリンク22:30) |
定休日 | 無休 |
坪数客数 | 23坪40席 |
客単価 | 4000~5000円 |
運営会社 | 株式会社ジリオン |
オープン日 | 2024年12月4日 |
関連リンク | タロウヤマダ(Instagram) |
関連リンク | ジリオン(HP) |