麻布台ヒルズに“１万円居酒屋”の「居酒屋うちやま」が開業。MUGEN代表の内山氏が自ら現場に立つ！そしてもう一つの大きなニュース、マルハンにグループインした理由とは？

M&Aで経営基盤を強化。さらに“無限の可能性”を秘めた居酒屋＆高級業態グループに！

パチンコホールを中心に総合エンターテイメント事業を展開するマルハンの北日本カンパニーは、観光事業展開に向けて2022年に設立した子会社KITAI resortを通じ、2023年11月30日にMUGENの発行済株式の80％を取得した。KITAI resortは、成長産業と見込まれる観光産業の中でも、特に富裕層向け観光事業をターゲットとして2022年に設立。「富裕層向け観光事業に必要不可欠な圧倒的食体験に関して、MUGENの持つ、人材・教育・流通・アイデアなど各種リソースを最大限に発揮し、双方にとってwin-winとなることを想定している」（プレスリリースより）というM&Aだ。これによってMUGENはマルハンのグループ会社になった。

このM＆Aは、元々は内山氏が１年前から仲介会社に依頼して相手先を探し、実現したものだ。その背景については、「これまでMUGENは経営の様々なことを僕が一人で決めてやってきました。それが強みではあったものの、幹部を上手く育てられなかった点などに課題があったのも事実。個人商店から変われなかったところもあった中で、経営基盤を強化する方法としてM&Aも有力な選択肢の一つになった」という。ただし、M&Aが成立しても、いい意味でMUGENという会社が変わらないことが条件だった。「株式を売却してイグジットできても、次に僕が何をやりたいかと言えば、またMUGENをやりたい。だから僕が経営を続けることができ、MUGENが築いてきた文化や風土も変わらず大切にしてもらえるという条件で相手先を探しました。成立しなければ、それはそれで構わないと思っていましたが、運よく良縁に恵まれました」と内山氏は話す。契約にも、「今後最低でも８年間は内山氏に社長を続けて欲しい」という意味合いの項目が含まれている。

内山氏が毎日現場に立つことで、会社の経営面が少し弱くなってしまうリスクがあったが、結果的にM&Aによってその懸念も小さくなった。今後も「僕がやった方がいいことと、僕がやらなくてもいいことの棲み分けを進めていく感じになる」（内山氏）という。さらに、内山氏はこんな本音も打ち明けてくれた。「みなさんは僕のことをどう見ているか分かりませんが、実は僕は自分でヴィジョンを作って人を鼓舞するよりも、誰かのヴィジョンを形にする方が得意な面がある。社長の大嶋を僕が副社長として支えた『てっぺん』がまさにそうでした。今回もマルハンが掲げるヴィジョンのお手伝いができることに大きなやりがい感じています」。これまでは海外進出も中小企業の限界値があったが、今後はより大きなスケール感でチャレンジできる可能性が膨らむ。M&Aによって新たなスタートを切ったMUGENは、その名の通り、さらに“無限の可能性”を秘めた居酒屋＆高級業態グループとして、今後の展開がますます注目される。

代表の内山正宏氏

（取材＝亀高　斉）

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