二子玉川に「Herbal Chinese STEAMAN（ハーバルチャイニーズ スチーマン）」がオープン。フレンチシェフがつくる中華に、自然派ワインやクラフトビールを多彩に用意

油を控え、軽さを意識した中華と、感度の高い人にも新しい発見のある酒のラインナップ

同店が打ち出すのは、新しいヌーベルシノワ。「本来『ヌーベルシノワ』とは、中華の料理人がつくるフレンチを指すもので、僕らがやろうとしているのはその逆。ただし、フレンチと中華の融合という点では同じ。僕らなりの新しいヌーベルシノワを提案しようと思いました」と増子氏は話す。

「SINPLE-分かりやすさ- CLEAN-雑味のない- DELICATE-繊細さ- HEALTHY-健康的な-」をキーワードに、フレンチの素材や技法を織り交ぜた中華を用意する。特にせいろから立ち上る湯気がシズル感を演出する蒸し料理をメインに据え、「小籠包3種」（1200円）、「肉汁焼売２個」（850円）などの点心から、「ムール貝のマリニエール」（1400円）、「蒸し野菜 エストラゴンマヨネーズ」（800円）などフレンチ色の強い品も用意。それ以外にも、冷菜から温菜、主菜、〆、デザートまで用意。例えば、イカスミを使い真っ黒なソースをかけた「黒いエビチリ」（1800円）は、トマトケチャップではなくトマトソースとアンチョビを使用。「ピータンと無花果」（1200円）はサワークリームとハーブで和えているなど、随所にフレンチシェフらしい工夫が光る。

料理で重視したのは「軽さ」で、油の量や使い方を意識し、たくさん食べても胃もたれない中華を目指したという。「中華だと多くの素材を油通しして使いますが、代わりに湯通しや低温調理に置き換え、油の使用量を控えています。スープもうま味調味料ではなくブイヨンをとるなど、フレンチをベースに、自然なおいしさを意識しました」と渡邉氏。

ドリンクも多彩なラインナップだ。ワインはより料理に合うものを提案すべく、シェフの渡邉氏とスーシェフの西田氏の料理人がセレクトしていることがこだわり。自然派を中心に40品を取り揃え、グラス800円～、ボトル3900円～。クラフトビールは日本に加えて台湾や香港などのアジア圏のものを中心にアメリカなど、缶や瓶で70品ほどを用意し、660円～。ほか、「アサヒ生ビール マルエフ」「陳皮ハイボール」「レモンサワー的な」「ナチュールに漬け込んだサングリア」（各770円）など。白酒を使ったサワーやカクテルも試作中だという。千葉の蒸留所「mitosaya」のボタニカルオー・ド・ヴィーといった珍しいアルコールも取りそろえ、「二子玉川にはグローバル企業の楽天のオフィスがあり、海外出身の人や感度の高い人が多い。そうしたお酒に詳しい人にとっても新しい発見があるラインナップを意識しました」と増子氏。ノンアルコールとして中国茶（各種1100円～）も用意し、たっぷりカップ6杯分が楽しめる大きめのポットで提供する。

「小籠包3種」。色とりどりの3種類は、トリュフ、蟹、プレーン

「清流鶏 四川よだれ鶏」（1100円）は、真空低温調理したむね肉とボイルしたもも肉に、レバーとハツはコンフィでとろっと、異なる鶏肉の部位をそれぞれ最適な調理法で火入れしたよだれ鶏

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