10代の頃から夢見た「独立開業」
夕方5時、下北沢南口商店街と茶沢通りを結ぶ路地裏に、「酒場たいよう」と染め抜かれた暖簾がかけられる。「店の名前は、海でぼーっとしているときになんとなく思いついたんです」と朗らかに笑う店主の吉村氏は、長崎県壱岐島生まれ、福岡育ち。中学卒業後から飲食店で働き始めたといい、29歳の若さながら料理歴は16年。薬院の老舗イタリアン「Pasta・Pasta」で働いていた頃に研修で訪れたイタリアやスペインでの経験から、いつか自身もカジュアルで、アットホームな雰囲気の店を作りたいと思い描くようになったという。上京後は池尻大橋「SANKYU本店」などを展開するSANKYU(代表取締役社長:谷口大輝氏)を経て猿屋一家の門を叩き、約5年間働く。さらに渋谷ストリームにあるイタリアン酒場「Petalo」で1年間働いた後、念願叶って自身の店を構える運びとなった。
「いつか自分の店を…と思ってはいましたが、(35歳定年制を提唱している)猿屋一家に入ったことで、『30歳までに独立する』と目標が明確になりました」。キッチンで腕を振るう良き相棒、杉山敬亮氏とも猿屋一家を通じて出会ったのだとか。「もともと、杉ちゃん(杉山氏)は違うお店で働いていて、猿屋一家のお客さんだったんです。飲みながら『いつか一緒に仕事したいね』なんて話していたのですが、杉ちゃんも猿屋一家で働くことになり、より距離が近くなったことで夢が現実になりました」。
独立の地として下北沢を選んだ理由は「お世話になった方に『下北沢が合うんじゃないか』と言われた」ことから。それまでほとんど降り立ったことがなかったと言うが、改めて街を歩いてみたら、多様な人々で賑わう様子が気に入ったという。ほどなくして紹介され、一目惚れしたという物件は、かつて台湾もつ鍋屋があった場所。内装はほぼ取り壊し、12席のカウンターをメインに、キッチンから全ての客席が見渡せるようにテーブル席を配置した。壁にモルタルを塗ったり、余った木材でテーブルを作ったり、カウンターにタイルを貼ったり…とDIYにも挑戦。自身にとっても思い入れのある空間に仕上がったという。
店舗データ
店名 | 酒場たいよう |
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住所 | 東京都世田谷区代沢5-32-3 アクア下北1階 |
アクセス | 下北沢駅より徒歩5分 |
電話 | 03-6804-0773 |
営業時間 | 日~木17:00~25:00 (LO24:30)、金・土曜17:00~28:00(LO27:30) |
定休日 | なし |
坪数客数 | 15.6坪28席(カウンター12席、テーブル16席) |
客単価 | 4000 |
オープン日 | 2022年12月12日 |
関連リンク | 酒場たいよう(Instagram) |