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創業42年の老舗「大衆酒場ジャンプ」の二代目による新たな挑戦。「喫茶酒場 代官山ジャンプ」が開業。昭和レトロな喫茶に大衆酒場をハイブリット、1日を通して幅広い客層を獲得

6月8日、代官山に「喫茶酒場 代官山ジャンプ」がオープンした。代々木上原の老舗「大衆酒場ジャンプ」による新店舗だ。同店は長らく1店舗のみの運営だったが、昨年9月に原宿に「大衆酒場ジャンプ」を出店したのを皮切りに、今回の代官山出店、さらに7月にはラーメン店の出店予定も控えるなど、今後多様な業態の展開に乗り出した。舵取りをするのは、二代目の中島康善氏。「喫茶酒場 代官山ジャンプ」は、自身が好きだというカフェと、これまでやってきた酒場業態をハイブリット。カフェとして、大衆酒場として、さらにワインビストロとしても使える店で、1日を通して老若男女の幅広い客層を取り込む。

代官山駅から徒歩3分のビル2階に立地。間口の広いテラス席は開放的な雰囲気で、換気もばっちり
入って左側の喫茶ゾーン。木目を基調に、カフェ調のイスを配置したスタイリッシュな空間
右側は酒場ゾーン。大衆酒場の趣を感じる空間で、テーブル席に加えてカウンター席も配備
喫茶メニュー。クリームソーダや自家製のプリン、チーズケーキなど。器や盛り付けなどは昭和レトロな雰囲気を意識
イチオシの「ナポリタン」。代表の中島氏が子どもの頃に母に作ってもらった味を再現しつつブラッシュアップしたもの。隠し味にバターと生クリームを加えてケチャップの酸味をまろやかにしている
代官山の土地柄に合わせてワインに合うビストロ的メニューも用意。シェフ渾身のパテドカンパーニュやレバームースなど
写真右から代表の中島康善氏と、妻の映美里氏。映美里氏は料亭「金田中」などで経験を積んできた。夫婦二人三脚で店づくりを行う

父の店を23歳で事業継承。結婚を機に、妻と力を合わせて新たなステージへ!

代々木上原で人気の老舗「大衆酒場ジャンプ」は、もともとは1978年に創業者の中島宏三氏が千駄ヶ谷で仕出し弁当と定食の「ジャンプ」をオープンしたのが始まりだ。その2年後、代々木上原の現在の場所に移転して居酒屋として営業を開始。今では地域の人を中心に多くのお客に愛される名店となった。15年前には、当時23歳だった息子の中島康善氏へと代表をバトンタッチしている。

今年で39歳となった二代目の中島氏。「父が『ジャンプ』を創業したのは私が生まれる前だったので、物心つく前から飲食店は身近なものでした。小さい頃から店の手伝いをしていましたし、店を継ぐのは自然な流れでした」と話す。それからもしばらくは「大衆酒場ジャンプ」1店舗のみで運営をしてきたが、2020年9月、創業41年目にして2店舗目となる「大衆酒場ジャンプ」を原宿の商業施設「JINGUMAE COMICHI」内に出店した。そして今回、「喫茶酒場 代官山ジャンプ」をオープン。昨年からの多店舗展開のきっかけは、中島氏の結婚だったという。「これまで私一人では1店舗を運営するのが精一杯でしたが、和食を中心に飲食で経験を積んできた妻の映美里と結婚したことで、2人で力を合わせれば、これまでにできなかった挑戦ができると考えたんです」。

他店舗展開を開始した矢先のコロナ禍。酒場にこだわらない業態づくりの必要性を実感

代々木上原の店には美容師の常連が多く、同じく美容室の多い原宿は親和性が高いと考え、同様の大衆酒場業態を出店した。ところが、原宿の開業準備中にコロナ禍に見舞われてしまった。今後、飲食業において夜の酒場営業のみで収益を出していくのは難しく、食事業態やカフェなど、酒場以外にも挑戦する必要性を感じるようになったという。そんな折、代官山の同物件を紹介された。「もともと私自身がカフェやコーヒーが好きで、以前からカフェをやりたいという思いはありました。客席フロアがL字型になっているこの物件を見たとき、最初は空間を2つに区切り、カフェと酒場、2つの店舗として営業しようと考えました。ですが、喫茶と酒場を混ぜた店づくりも面白いのではないか?と思ったんです」と中島氏。どの時間帯でも、喫茶としても酒場としても使える喫茶酒場の業態に行きついた。

元はメキシカンだったという物件はスケルトンから造作。店内入って左側を喫茶ゾーン、右側を酒場ゾーンに区画を分けた。どちらも木材を基調としつつ、それぞれカフェらしさ、酒場らしさを感じるデザインに仕上げている。もともとあったテラス席は、コロナ禍の状況を汲み、より間口を広げた換気のよい席に作り替える工夫も凝らした。

喫茶メニューは昭和を意識した“絶妙なダサさ”を意識

メニューは「喫茶メニュー」と「酒場メニュー」で分かれるが、ランチセット以外は1日の全時間帯でどのメニューでも注文が可能だ。

喫茶メニューは、昭和の純喫茶をイメージした軽食やスイーツ、ソフトドリンクが揃う。「代官山は最先端のおしゃれな飲食店が多い。そうした店と差別化するためにも、昭和を意識した“絶妙なダサさ”を目指しています」と中島氏は話す。フードには、「小倉トースト」(495円)や「ピザトースト」(605円)、「手作りジャンボメンチカツ」(935円)、「エビピラフ」(770円)、「濃厚デミのオムライス」(935円)など、昔懐かしい喫茶店にありそうな品がずらり。イチオシは「ナポリタン」(770円)で、これは中島氏の母が作っていたものを同店のシェフが再現した自信作。子どもの頃はケチャップの酸味が苦手だった中島氏。隠し味にバターと生クリームを加えて酸味をまろやかにしているのが特徴だ。「チョコレートパフェ」(880円)、「チーズケーキ」(550円)などスイーツも充実するが、特に人気の高いのが「プリンアラモード」(880円)で、自家製プリンにフルーツをたっぷりと盛り合わせ、写真映えすることもあり若い女性に人気が高いという。

ドリンクはコーヒーや紅茶、ジュースなどのベーシックなソフトドリンクが各種400~600円。「自家製レモネード」(550円)や、「クリームソーダ」(580円)もよく出るという。

長年愛される「大衆酒場ジャンプ」のメニューを踏襲、ワインビストロ使いできる品も

一方の酒場メニューは、「大衆酒場ジャンプ」の品を踏襲。同店の人気メニューが揃い、「肉豆腐」「レバニラ」(各660円)、「ニラタマ」(550円)、「もつ煮込み」(495円)、「ポテトサラダ」(385円)など。酒に合う味わいでボリュームがありつつもリーズナブルなつまみは、老舗で長年にわたり愛されてきた間違いのない品々だ。メニュー表では、「刺身」「揚げ物」といった品目のカテゴリではなく、100円・200円・250円・300円……のように値段きざみで並べているのもポイントだ。ドリンクには生ビール(サッポロ黒ラベル、中473円・大638円)やホッピー(セット605円)、ハイボール(各種385円~)、チューハイ(各種330円~)、日本酒、焼酎など、これも「大衆酒場ジャンプ」と同様のラインナップ。「代官山ジャンプ」独自のドリンクとしては、昼に人気のクリームソーダに焼酎を加えた「クリームソーダハイ」(660円)や、「ハイカラカクテル」と称したカテゴリの「フルーツポンチサワー」(605円)、「自家製レモネードサワー」(605円)など、喫茶メニューから派生したもの用意する。

さらに、大衆酒場メニュー以外にもワインに合うメニューも充実している。シェフが丁寧に手仕込みする「パテドカンパーニュ」(1098円)や「レバームース」(858円)など、実はフレンチビストロ的な使い方もできるのも隠れた魅力だ。「代官山の土地柄、ワイン好きの方も多いと睨み、こうした品を充実させました」(中島氏)。ワインは赤・白が6品(グラス693円~、ボトル330円~)に「グラスシャンパーニュ」(1265円)で、銘柄はお客が飽きないよう今後入れ替えていく。

老若男女の幅広い客層を獲得。今後は時代の変化に対応できる、多様な業態を展開

オープンから2週間ほど。「コロナ禍でのオープンですが、思った以上のお客様に来店いただき嬉しく思います。日中はSNSを見た女性客や、子ども連れ、夜には仕事帰りのサラリーマンが1杯ひっかけていくなど、幅広い客層があり狙い通りです」と中島氏。

さらに7月には、代々木上原に鯛出汁ラーメンの店「麺処ナカジマ(仮称)」をオープン予定だ。今後は渋谷区内を目安に目の届く範囲で、街に密着した店づくりをモットーに展開していく意向だ。「コロナ禍のように、時代に大きな変化があった際にも柔軟に対応できる体制づくりが必要。酒場に限らず、あらゆる業態を視野に入れたい」と中島氏は話す。老舗二代目による新展開に注目だ。

(取材=大関 まなみ)

店舗データ

店名 喫茶酒場 代官山ジャンプ
住所 東京都渋谷区代官山町13-4 セレサ代官山2階

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アクセス 代官山駅から徒歩3分
電話 03-6455-1815
営業時間 12:00~22:00(ランチメニューLO14:30)
定休日 月曜
坪数客数 30坪60席
客単価 喫茶1000~1500円、酒場2500~3500円
オープン日 2021年6月8日
関連リンク 喫茶酒場 代官山ジャンプ(Instagram)
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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