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三軒茶屋に「ちるとSake」が開業。「すこぶる」など三軒茶屋の飲食店で長らく活躍した小池一翔氏が独立。全長8mのカウンターの空間で、気の利いた酒とつまみ、「チル」な時間を提供

6月6日、三軒茶屋に「ちるとSake」がオープンした。全長8mのカウンターを置く落ち着いた空間で、気の利いたつまみと酒を提供し、「チル」な時間を演出する大人の酒場だ。三軒茶屋で、18歳から三軒茶屋の飲食店で経験を積んできた小池一翔氏による独立店。小池氏が「自分が飲みに行きたい店」を具現化した同店は、地に根付く酒場を目指す。

太子堂商店街の新築物件1階で営業。奥には住宅街が広がる落ち着いた立地だ
奥へと伸びる店内には、全長8m、圧巻のロングカウンター。木を基調に、シックな色合いを組み合わせた内装デザイン
カウンターの他、テーブル席も配備し、グループ利用も可能
「自家製ベーコンエッグ」。旨味の強いベーコンは自家製のものだ
「塩辛のアヒージョ」(770円)。アンチョビの代わりに塩辛を使い、エビ、マッシュルーム、ジャガイモのアヒージョ
写真右から店主の小池一翔氏、スタッフの中島信也氏。中島氏は恵比寿の「酒 秀治郎」の料理長を務めた後、「ちるとSake」の社員に。自身も独立に向けても邁進中だ

(取材=大関 まなみ)


独立目指し、様々な飲食店で研鑽を積む。コロナ禍でも、物件の出合いもあり開業を決意

三軒茶屋のメイン通りである茶沢通りを下北沢方面に進んだ先、東に折れると現れる太子堂商店街は、生活密着したのどかな通りだ。6月6日、「ちるとSake」はそこにオープンした。店内奥に伸びる全長8mのカウンター席をメインに、大人がカジュアルに楽しめる「チル」な酒場だ。

店主の小池一翔(いつか)氏は、長らく三軒茶屋の飲食店で経験を積んできた人物だ。父は三軒茶屋の人気イタリアン「ヨーロッパ食堂」のオーナーで、飲食業も三軒茶屋の地も小池氏にとっては身近なものだった。アクセサリーの専門学校を卒業後、カフェや和食、バー、居酒屋など飲食店を掛け持ちしながら働いた。独立前にいた「すこぶる」では、立ち上げから計7年ほど勤務し、人気酒場の成長に貢献した。

「20代の頃から『いつか自分の店を』という気持ちはあり、経験を積むと同時に資金を貯めていました」と小池氏。2020年初頭の時点で、独立に向けて「すこぶる」を退職することは決めていたが、その矢先にコロナ禍に。そんなタイミングだったが、折しも物件との出合いにも恵まれた。「『すこぶる』の常連さんが持ち主の新築物件を紹介されました。ずっと三軒茶屋で過ごしてきたので、それ以外の街で開業はあまり考えていなかった。落ち着いた店をやりたかったので、にぎやかな茶沢通りではなく、1本入った太子堂商店街のこの場所はイメージにぴったり。コロナ禍の状況もいつ落ち着くかはわからないし、ズルズルと引き延ばすよりも挑戦してみよう、と考えました」。

あえて名物は決めず、その日の食材や気分で出すつまみが揃う

店は、奥へと長く伸びる長方形。その形に添うように置いた全長8メートルのカウンターは圧巻だ。その横にはグループ客の利用にも対応するテーブル席や、入口手前には立ち飲みスペースも配備。内装は、知人のグラフィックデザイナーと相談しながら、木を基調としてそれに合う配色をしていった。

フードは日替わりで35品ほど。あえて名物は作らず、その日の食材や気分で作りたいものを提供。これまで調理経験が長い小池氏だからこそできるスタイルだ。「真鯛」「縞鯵」(各880円)などの刺身から、「白身魚の青唐なめろう」(800円)、「鰹タタキ薬味ポン酢」(960円)といった鮮魚を使ったものも。「自家製ソーセージ」「自家製ベーコンエッグ」(各770円)は常時ラインナップ予定。「トマトと枝豆の白和え」(600円)、「自家製ツナとゴーヤのチャプチェ」(520円)などの野菜のおばんざい、「椎茸と海苔のクリーム炒め」(770円)、「手羽元とじゃが芋のうま煮」(770円)など炒め物、煮込み、揚げ物や「ネギ焼きそば」「スパイスカレー」(各820円)の〆まで、酒に合うアテが充実。1人客にはハーフポーションの対応も行う。「まだオープンしたばかりなので、やりたいのにできていない料理もたくさん。今後は肉料理も充実させたい」と話す。

ドリンクは「エビス生」(630円)から「レモンサワー」「すだちサワー」「トマト割り」(各600円)など各種サワー・チューハイなど。「プロフェッショナルサワー」(660円)はすだちとレモンの両方を加えたサワー。実は、レモンが足りない際に即興ですだちを入れたものがレギュラーメニュー化したという品だ。自家製の漬け込みビネガーも豊富に取りそろえる。取材時は「ビーツ甘夏クローブ」「パインミント」(各630円)など、季節のフルーツとスパイス・ハーブをビネガーに漬け込み、サワーやソフトドリンクとして提供。ワイン(600円)、焼酎・日本酒(550円~)、ウイスキー(820円~)などは、出数を見つつ、よく出るものは種類を充実させていく予定だ。

1日2回転弱の盛況、早速新規客もリピーターに。「誰もがゆるっと楽しめる店」を目指す

オープン直後から満席状態が続く同店。おおよそ1日2回転弱する盛況ぶりだという。現在のお客の多くは小池氏の知人だが、4割は地元の新規客で、早速、それらのお客がリピートするようになっている。「コンセプトや戦略など、細かいことは考えていません。目指したのは、シンプルに自分が飲みに行きたい店、スタッフが休みの日に飲みに来たいと思う店。ターゲットも絞らず、誰もがふらりと来てゆるっと楽しめる、そんな店にしていきたいですね」と小池氏は意気込む。

店舗データ

店名 ちるとSake
住所 東京都世田谷区太子堂2-22-11 1F

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アクセス 三軒茶屋駅から徒歩6分
電話 03-4567-0045
営業時間 【平日】17:00~24:00(LO23:00)【土日祝】16:00~24:00(LO23:00)
定休日 不定休
坪数客数 13.45坪22席+スタンディング2名程度
客単価 4000~5000円
オープン日 2021年6月6日
関連リンク ちるとSake(Instagram)
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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