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MUGEN出身の29歳店主が錦糸町に「マグロと炉端 成る」をオープン。「なかめのてっぺん」仕込みの炉端焼に加えて多彩なマグロ料理を提供!

3月15日、錦糸町に「マグロと炉端 成る」がオープンした。店主の宮﨑元成氏は、MUGEN(東京都目黒区、代表取締役:内山正宏氏)出身の29歳。同社の炉端焼居酒屋「なかめのてっぺん」で経験を積み、独立を果たした。メニューは、舞台のような炉端カウンターで焼き上げる「魚炉端」や「肉炉端」に加えて、10種類以上を揃えるマグロ料理が看板商品。錦糸町駅から少し離れたラブホテル街という立地で、「元気さ、明るさ」を発信していく。

錦糸町駅から徒歩6~7分のビルの1階に立地。テント生地を使った特大サイズの暖簾で、存在感を高めている
店舗の主役は炉端カウンター。フロア中央を一段高くし、舞台のような造りにしている
「名物マグロぶつてんこ盛り」。升から「こぼれる」演出でもインパクトを強めている
「豪快‼骨付き中落ちトロたく」。海苔とシャリ、沢庵とワサビも一緒に提供し、ハマグリの殻で取ったマグロの中落ちを「トロたく」にして楽しめるようにしている
魚介をモチーフにした可愛いイラストをあしらったグラスで、本格焼酎のソーダ割りなどを提供
左から2番目が店主の宮﨑元成氏。スタッフは左端が平良真規氏、右二人がモハントゥシャール氏、石井恵美氏

(取材=亀高 斉)


中学生の時に「てっぺん」のDVD。英才教育で飲食の道へ

「マグロと炉端 成る」を開業した宮﨑元成氏の父親は、鮮魚卸「かいせい物産」創業者の宮﨑成人氏。「父が社長と呼ばれているのがかっこよくて、子供の時からいつか自分も経営者になりたいと思っていました」という。そして、居酒屋を選んだのも父親の影響が大きかった。「父は居酒屋の経営者たちと懇意にしていて、『てっぺん』を創業した大嶋さん(現・てっぺん取締役会長:大嶋啓介氏)や内山さん(現・MUGEN代表取締役:内山正宏氏)のことも家でよく話していました。中学生の時、『てっぺん』のDVDも家族で見ました。居酒屋はいいぞ、どこどこの経営者はかっこいいぞ…と、父から刷りこまれてきたので(笑)、自然と飲食の道に入りました」(宮﨑氏)。

高校生の時から居酒屋でのアルバイトを始め、MUGENの店で働き始めたのが大学3年生の時。以来、独立するまで、同社の炉端焼居酒屋「なかめのてっぺん」の横浜みなとみらい店や渋谷ストリーム店、丸の内店で経験を積んだ。途中、約2年間、オーストラリアのシドニーとフィリピンのセブ島に海外留学したが、「なかめのてっぺん」では店長や海外店舗の立ち上げも経験し、28歳で同社を卒業。コロナ禍の影響もあって当初の予定より開業が遅れたが、29歳で「マグロと炉端 成る」を錦糸町にオープンし、「30歳までに独立する」という目標を実現した。

炉端カウンターが「舞台」でテーブルが「アリーナ席」

錦糸町を選んだのは宮﨑氏の地元で土地勘があったからだが、「錦糸町はチェーンの居酒屋が多いので差別化を図りやすい」という戦略的な理由もあった。「錦糸町は大きな街の割に、いい店が少ない…」などと揶揄されることもあるが、だからこそ、「ちゃんとした料理とちょっといいサービス」で勝負しようと考えたのである。錦糸町駅から徒歩で6~7分離れたラブホテル街という立地についても、前向きに捉えている。「居酒屋甲子園でもよく言われるように、店づくりは街づくりだと思っています。僕たちがいい店を作って元気さ、明るさを発信し、この街も明るくしていきたい」と話す。「マグロと炉端 成る」の店舗は視認性の良い路面店だが、駅から離れているので比較的家賃は安く、しかも店前の通行量が月間3万人もある通勤路であることから実は好立地とも言える物件だ。

この物件に決めたのは、宮﨑氏が探していた「15坪~20坪の正方形の物件」に合致していたことも大きな理由。「正方形」にこだわったのは、「どこに立っていても、すべてのお客様や働くスタッフの顔が見える」からだ。「なかめのてっぺん」で主にホールを担当し、接客力を磨いてきた宮﨑氏らしい考え方である。その正方形の店舗は18坪・36席(他にテラス4席)で、炉端を囲むカウンター席を舞台のような造りにしているのが特徴。カウンター席のフロアを一段高くし、その周りに配したテーブル席が「アリーナの観客席」といった感じの造りだ。内装デザインを担当したのはスパイスワークス(東京都台東区、代表取締役:下遠野 亘氏)。炉端カウンターの両脇に大きな「炉」の文字を掲げるなどして「お祭り感」を演出しており、店頭の特大サイズの暖簾も同店のトレードマークになっている。

「マグロ」の多彩な魅力を引き出した充実の品揃え!

店名にもあるように、看板商品は「マグロと炉端」。「なかめのてっぺん」仕込みの炉端焼のグランドメニューは、「浜焼き鯖」(1380円)、「鮭ハラス焼き」(680円)、「赤魚西京焼き」(720円)などの「魚炉端」を5種、「山梨直送!信玄どりもも塩焼き」(780円)、「厚切り牛タン炙り」(1380円)などの「肉炉端」を6種、「どんこ椎茸」(420円)、「赤茄子」(980円)などの「野菜炉端」を5種揃える。一方、宮﨑氏が自身の店で新たに看板商品に据えた「マグロ」のメニューは10種類以上を用意。「名物マグロぶつてんこ盛り」(1380円)、「本マグロの希少部位盛り合わせ」(1380円)、「希少部位マグロのど肉ユッケ」(630円)、「豪快‼骨付き中落ちトロたく」(1680円)、「干物クリエイターふじまさんのビントロ天日干し」(1980円)、「マグロの竜田揚げ~自家製カレータルタル~」(880円)、「天然インドマグロのレアカツ」(1080円)、「マグニラ炒め」(880円)等々、マグロの多彩な魅力を引き出した充実の品揃えだ。マグロを看板商品にしたのは、「マグロ専門店が流行っている」時流や、「下町はマグロ好きが多い」土地柄も踏まえてのこと。父親が社長を務める米川水産から仕入れるマグロの品質の高さも自慢だ。

また、アルコールメニューでは、人気が低迷していると言われる焼酎を若い世代にも飲んでもらうための工夫をしている。まずネーミング。「ヒトツブノムギサワー」(530円/鹿児島・西酒造の麦焼酎「一粒の麦」)、「ピンクサワー」(550円/鹿児島・小正醸造の赤ワイン酵母を使用した芋焼酎「蔵の師魂」)など、麦焼酎や芋焼酎などの本格焼酎のソーダ割りを敢えて「サワー」とネーミングして親しみやすい印象にした。さらに、提供するグラスには、知り合いに描いてもらった魚介がモチーフの可愛いイラストもあしらっている。こうしたインスタ映えの要素なども取り入れることで、メインターゲットの30~50代のサラリーマンに加えて、サブターゲットの20代女性も集客していきたい考えだ。

「みんながプラスになっていく。そんな店を僕も作りたい」

宮﨑氏は29歳とまだ若いが、高い志を持っている。その根底にあるのはMUGENでの学びだ。「内山さんから学んだことはたくさんありますが、中でもMUGENの『すべての人の「幸せの力」に‼』という理念が、僕の心にもストンと落ちるものでした。お客様はもちろん、生産者や業者の方々もみんながプラスになっていくような店を、僕も作っていきたい」と話す。同時に、「居酒屋経営者になるための英才教育」を施してくれた父親への感謝の思いも強い。「僕が開業したことで、親子の間柄だけでなく、業者様と店という関係でも話せるようになりました。父親にとってはそれも嬉しいことのようなので、少し親孝行ができたかもしれません」(宮﨑氏)。

将来的な目標としては、「10人の仲間で100店舗。そんなグループが作れたら」と話す。「一人で100店舗を作ろうとしても、自分だけでは見切れない店が出てきてしまう。一人で運営できるイメージが持てません。それよりも全力の仲間と一緒に100店舗やった方が楽しそうだし、きっといい店を作っていける」という発想だ。「飲食店は『ありがとう』をいただくのが仕事。『ありがとう』がたくさん集まる店を作っていこう!」。そうした店づくりの本質を、スタッフとも共有して錦糸町で「いい店」づくりに邁進している宮﨑氏が、いつの日か、志を同じくする経営者仲間たちと共に、街を明るくする人気店を各地に作っていくことを期待したい。

店舗データ

店名 マグロと炉端 成る
住所 東京都墨田区江東橋4-5-5

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アクセス 錦糸町駅から徒歩6~7分
電話 03-6666-9372
営業時間 平日16:00~24:00 土日祝15:00~23:00
定休日 無休
坪数客数 18坪・36席(他にテラス4席)
客単価 4000~4500円
オープン日 2021年3月15日
関連リンク マグロと炉端 成る(Instagram)
関連リンク マグロと炉端 成る(Facebook)
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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