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東池袋に「EAT GOOD PLACE(イートグッドプレイス)」が開業。“eat good=食べる事から生まれる良いサイクル”を提唱してきたepietrizが、14年続いた「麹町カフェ」をコロナ禍で閉店し新たなスタート

12月12日、「EAT GOOD PLACE」がオープンした。東池袋駅近くの公園、イケ・サンパーク内に立地するカフェだ。運営はepietriz(エピエリ)、“eat good=食べる事から生まれる良いサイクル”を理念とし、無添加や自家製で身体によいものにこだわったカフェやベーカリーを展開してきた。今回の新店舗は、14年続いた「麹町カフェ」をコロナ禍の影響で閉店、その移転として池袋で新たなスタートを切るかたちだ。ビジネス街から一転、公園に囲まれた開放的な空間で、同社が大切にしてきた“eat good”のメッセージをささやかにも強く伝えている。

豊島区最大の広さを誇る公園、イケ・サンパーク内で営業。公園を訪れた人や地域の人でにぎわう
130坪の広々とした店内は木を基調とした老若男女がくつろげるデザイン。天井高6mと開放的な空間だ。店内には、同店のオープンを機に閉店した「麹町カフェ」で使用していた家具を散りばめている
公園を臨むテラス席も。芝生広場で子供たちが駆け回るのどかな光景が広がる
週末限定のモーニングメニュー「全粒粉のパンケーキ ソーセージとスクランブルエッグ」(1200円)。ソーセージ含めすべて手作りで、調味料も自家製。粉や卵、野菜などひとつひとつの素材についても、身体によいものを前提に生産者のストーリーも理解しながら厳選している
ベーカリーの「FACTORY」と「Manufacture」を運営する同社。同店でも、国産小麦と自家製酵母を使用し店内で焼き上げるパンを提供。ベーグルやブリオッシュなどを揃え、店内で楽しむほか、テイクアウトもできる
写真左からepietriz代表の松浦清一郎氏、店長の西島悠幾氏

(取材=大関 まなみ)


“eat good”を理念に、カフェやベーカリー、チリビーンズ専門店などを都内で展開

2020年7月に開業したイケ・サンパーク。東池袋駅から徒歩5分、豊島区が整備を進めてきた約1万7000㎡の土地で、広大な芝生広場を中心に周辺にはフード販売の屋台も立ち並び、家族連れをはじめ地域の人が集まるのどかな公園だ。その一角にオープンしたのが「EAT GOOD PLACE」。“eat good=食べる事から生まれる良いサイクル”を理念に飲食店を展開するepietriz(東京都千代田区、代表取締役:松浦清一郎氏)が運営する。

同社代表の松浦氏はニュージーランドの大学を卒業後に帰国、グローバルダイニングでアルバイトを始め、飲食業にのめり込んでいった。そこで知り合った古里太志氏(現・SEED-TANK代表取締役)が独立する際に誘いを受け、2001年、西麻布「Furutoshi」の立ち上げメンバーに。その後、2003年、妻の亜季氏とともに麹町に8坪12席の小さなカフェをオープン。その3年後、物件は立ち退きとなってしまったため、同じく麹町にある50坪40席の物件に「麹町カフェ」として移転オープンした。その後も、2009年、九段下にベーカリーカフェ「FACTORY(ファクトリー)」、2012年には同じく九段下にチリビーンズ専門店の「Chili Parlor9(チリパーラーナイン)」、2015年には、浅草に食堂「SUKE6 Diner(スケロクダイナー)」とベーカリー「Manufacture(マニファクチュア)」の2店舗を同建物内にオープン。すべての店舗で一貫して“eat good”をコンセプトにしてきた。

コロナ禍を機に「麹町カフェ」を閉店。豊島区の掲げるSDGsのテーマにも共感

今回の「EAT GOOD PLACE」の開業にあたっては、14年にわたり営業してきた「麹町カフェ」を閉店。その移転というかたちでオープンしている。その経緯について、松浦氏はこう話す。「今回の『EAT GOOD PLACE』の話は、それ以前の2年前からいただいていて、どうしようか考えていたところでした。そんな折、昨年の春頃から新型コロナの影響が出始め、多くの企業がリモートワークに切り替えたことで、ビジネス街にあった『麹町カフェ』は大きな打撃を受けました。前身のカフェから数えれば16年という長い期間にわたって続けてきた『麹町カフェ』。当初は夫婦2人で始めた小さな店も気づけば大きな組織となり、今思えば無理をしていた場面もありました。加えて、長い間営業してきたことによる店舗の老朽化の問題もあった。これを良い機会と捉え、無理なく持続できる店や組織づくりを実践するために、新しい土地に移るのも悪くないと思ったんです」。

加えて、公園を管轄する豊島区は内閣府から「SDGs未来都市」に指定されるなど、街づくりで「SDGs」をテーマに掲げていたことも決め手のひとつだったという。「豊島区のそうしたテーマは僕らの理念にも重なる部分がある。店は街とともにあるべきもの。そんな街の価値を上げる店になれたら、と出店を決めました」と松浦氏は話す。

16年かけて培った“eat good”を詰め込んだ、同社の集大成となる店舗に

店名にも掲げている通り、同店でも“eat good”の理念を貫く。ただ、それをお客に押し付けるようなことはしたくないというのが松浦氏の考えだ。「僕らは安全安心な素材や、無添加で手作りすることには徹底的にこだわっていますが、それをお客様に向けて全面的にアピールはしていません。そうしたこだわりは、お客様に自然と気づいてもらい、そこから興味が広がっていく。それが“eat good=食べる事から生まれる良いサイクル”の一つだと思っています」と松浦氏。

営業時間は朝8時から平日は18時、金曜・土曜・祝前日は22時まで(※取材時。コロナ対策で変更の可能性あり)。時間帯に応じたメニューを提供し、1日を通じて公園を訪れた人や近所の人の憩いの場となる気軽なカフェだ。

朝には「自家製グラノーラ&ヨーグルト またはミルク」(870円)、「自家製ハムのクロックムッシュ」(1000円)などモーニングメニューが並ぶ。ランチには、メインディッシュに前菜、スープ、パンがついた「本日のプレートランチ」(1600円)はじめ、公園には親子連れが多いことから、キッズメニューとして「青森県産リンゴと豚肉のカレー 有機栽培米(7分づき)」もしくは 「お野菜とトマトソースのペンネ」にドリンクがつくセット(650円)を用意。ディナー営業をする金曜・土曜・祝前日の夜はディナーコース(3000円)があり、選べるメインディッシュにスープや前菜、デザートがつくコースだ。そのほか、サラダや前菜、肉料理までのアラカルトメニューも提供する。

ドリンクは、オリジナルブレンドのコーヒーに、厳選した業者から仕入れる茶葉で入れる紅茶や煎茶、フルーツジュースなどのソフトドリンク各種が500円~。アルコールはビールや自然派ワイン、カクテルが揃う。

料理に使用するパンは店内で焼き上げるほか、ソーセージやベーコンなどシャルキュトリーをはじめ、調味料に至るまで可能な限り自家製し、無添加にこだわる。素材のひとつひとつについても、生産者の背景までのストーリーを理解したうえで使用しており、素材だけでなく、食器やスタッフのユニフォームも生産者に共感したストーリー性のあるものを選んでいる。こうした生産者とのつながりは、創業から16年にわたって松浦氏が培ってきたもの。同店は、これまでのつながりを詰め込んだ集大成としての店でもある。

ビジネス街から公園内カフェへ。新天地で持続可能な店づくりを目指す

「新型コロナは店舗運営を見直すきっかけになりました。当社でも少なからず打撃はありましたが、『これだ』という挽回策はなく、日々、店が街に根付くようコツコツと地道にやるしかないと思っています」と松浦氏。「店は持続できなければ意味がない。お客様に喜ばれ、同時にスタッフにとっても働きやすい環境を作ることは経営者である僕の責務。『麹町カフェ』から公園内のカフェに移転したことで、主な利用シーンが、ビジネス街の方々の憩いの場から、家族連れはじめ大切な人との時間を過ごす場所へとシフトしました。“eat good”の理念はぶらさず、これまでの運営で培ってきたものを糧に、新たなステージで、多くの人が幸せになれる持続可能な店づくりを実践していきたいですね」とも話す。

※外観・内観写真の撮影は高山幸三氏

店舗データ

店名 EAT GOOD PLACE(イートグッドプレイス)
住所 東京都豊島区東池袋4-42 IKE・SUNPARK内

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アクセス 東池袋駅6番出口から徒歩5分
電話 03-6914-1192
営業時間 8:00~18:00、金・土・祝前日は8:00~22:00 ※現在はコロナ対応のため金・土・祝前日は20:00閉店
定休日 無休
坪数客数 130坪140席
客単価 朝1000円、昼2500円、夜4000円
運営会社 株式会社epietriz
オープン日 2020年12月12日
関連リンク エピエリ・松浦清一郎氏インタビュー(記事)
関連リンク SUKE6 Diner(記事)
関連リンク epietriz(HP)
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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