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高円寺に「ニホレモスタンド」が開業。東中野「麺酒場 燿」、高円寺「酒場ニホレモ」に続く新店舗、わずか3.6坪の立ち飲みで、日本酒&レモンサワーに「高円寺おでん」はじめ30品超の多彩な品揃え

12月23日、高円寺に立ち飲み酒場「ニホレモスタンド」が開業した。東中野で「ビストロ de 麺酒場 燿(ひかる)」、高円寺で「酒場ニホレモ」を運営するREQDの3店舗目だ。3.6坪という小さな店舗にも関わらず、名物「高円寺おでん」を始めとした手仕込みのつまみは30種を超える品揃え。カップ酒、オリジナルレモンサワー、どぶづけの瓶ビールや酎ハイなど酒のラインナップも幅広い。さらに、店独自のコインで行う会計システムなど、立ち飲みならではの工夫を凝らした演出でお客の体験価値を高め、常連を掴んでいく狙いだ。

高円寺で人気だった立ち飲み店の物件をそのまま引き継ぎ。客席に冷蔵庫やどぶづけを設置しセルフサービスにすることで効率化を図っている
尾頭付きの鯛で出汁をとり、スパイスを加えて煮込んだ「高円寺おでん」。特製ディップで味変も可能だ
客席の冷蔵庫には、日本酒がぎっしり。特にカップ酒は全国津々浦々の銘酒を揃えており、「おでん出汁割り」(400円)にして楽しむこともできる
左からオーナーの柴崎洋平氏と店長の松原健氏。柴崎氏は、料理の腕もさることながら、松原氏の人を惹き付ける接客が立ち飲みにピッタリだと考え、店長を任せたという

学生時代にアルバイトをしたラーメン酒場を引き継ぎ、独立を果たす

高円寺駅南口を大通りに沿って南下していくと、小路の入口の角地で「ニホレモスタンド」の開放的な店構えが目に留まる。運営会社REQD(中野区)代表の柴崎洋平氏は現在、東中野で「ビストロ de 麺酒場 燿(ひかる)」、高円寺ではバルスタイルの「酒場ニホレモ」を経営しており、今回は3店舗目。兼ねてから柴崎氏が挑戦したいと考えていた立ち飲みスタイルでの出店だ。

柴崎氏が飲食の道に携わったのは学生時代。当時、石神井公園駅にあったラーメン店「らーめん燿(ひかる)」でのアルバイトが始まりだ。そのまま同店に就職して数年間過ごしたのち、「飲食店以外の仕事も経験して、視野を広げたい」と、30歳でIT業界に転職。「3年ほど働いてみて、お客様に対して商品を売るという行為の根底はコミュニケーションにあり、それは飲食もITも変わらないと感じたんです。そう考えたとき『やっぱり飲食が好きだ』と思い至って独立を決意しました」。知見を広げるためにいくつかの飲食店を掛け持ちしていたが、その中のひとつには、東中野に移転し居酒屋寄りのリニューアルを遂げた古巣「ビストロ de 麺酒場 燿(ひかる)」もあった。やがて、師匠でもある当時のオーナーから同店を譲り受ける形で独立。2013年のことだった。「オペレーションの勝手もわかっているし、お客様も付いている。私自身、居酒屋業態を始めたかったので、すごく運が良かったと思います」と、柴崎氏は語る。

「酒場ニホレモ」は15坪で月商500万円に。地域への恩返しをこめて高円寺2店舗目を開業

その後、2018年には高円寺駅北口にバル「酒場ニホレモ」を開業。日本酒とレモンサワーに、イタリアンとスパニッシュの創作料理を合わせた自社初のオリジナル業態だ。「ウチには洋食に強い料理人がいたので、彼の長所を活かす店舗にしたかった。そこに、トレンドにもなっていたレモンサワーと日本酒を組み合わせました。日本酒やレモンサワーなら和食、というイメージがありますが、あえて洋食を合わせる少し変わったコンセプトだったので、立地は若者が多くて新しい文化に比較的寛容なイメージのある、高円寺を選びました」と、柴崎氏は語る。開業当初はやや苦戦するも、柴崎氏の狙いは当たり、徐々に売上は向上。口コミで地域の常連客を獲得していったほか、高円寺の近隣飲食店と互いにお客を紹介しあうなど、仲良くしていた近隣の同業者の力添えが大きかったという。コロナ禍以前の昨年3月までは15坪の店舗で月商は500万円ほどで推移。4月の緊急事態期間中は一時的に売り上げが下がるも、7月、8月には昨対比と同等の数字に持ち直した。

「酒場ニホレモ」の業績が安定し、高円寺での認知度も徐々に高まってきたことを実感していた柴崎氏は、新店舗の開業に動き始める。「開業当初の苦しい時期を、高円寺の人々の支えで乗り切れたので、少しでも街に貢献できるよう、もう1店舗出店したいとは思っていたんです。それに加えて、コロナ禍で気持ちが落ち込んでしまった人が世の中で多いように感じていたので、人の暖かみを感じられる立ち飲みを作り、元気を与えたいなとも考えました」と、柴崎氏。そんな折、同業者からの情報提供により元は立ち飲みだった物件と出合い、12月に「ニホレモスタンド」を開業した。

「日本のインド・高円寺」になぞらえたスパイス仕立ての「高円寺おでん」を看板に、全30品のコスパ高めの手仕込みメニュー

店舗の狭さをカバーするため、オペレーションが簡潔なおでんを看板に決めた柴崎氏。「どうせおでんにするなら、高円寺の新しい名物になるようなものを」と、スパイスの効いた鯛出汁で煮込み「高円寺おでん」(600円)と銘打った。「高円寺は様々な職業や人種が暮らしていることから、『日本のインド』と呼ばれています。スパイスを使うことで、高円寺らしさを出せたらと思いました」と柴崎氏は語る。

また、他のつまみはイタリアンを始めとした様々な料理を経験してきた店長・松原健氏が担当。中でも、「ビストロポテサラ」(400円)や「ニホスタ唐揚げ1枚~台湾風~」(500円)は「高円寺おでん」に並ぶ名物だ。その他、「蟹味噌グラタン」(600円)や「ズワイガニのアヒージョ」(600円)といった、缶詰の素材を活用し、その缶詰に盛り付けて提供する料理も多数用意。「イブリガッコマスカルポーネ」(500円)、「〆金華サバのカルパッチョ」(500円)、「やわらかローストポーク」(500円)、「猪肉&鹿肉のソーセージ」(600円)と、工夫を凝らした手仕込みのメニューが30種類以上も品書きに並ぶ。

酒は、「ニホレモスタンド」の店名の通り、日本酒とレモンサワーが看板だ。日本酒は、省スペースと鮮度確保のために飲み切りの「純米カップ酒 1合」(700円)を中心に構成。一方で一升瓶でも用意し、日替わりで「本日のおすすめ日本酒 1合」(700円)として3種類ほどで回転を図っている。

オリジナルのレモンサワー(各500円)は姉妹店の「酒場ニホレモ」から引き継いだ「本気(マジ)レモンサワー」や「白レモンサワー」、「ホッピー塩麹レモンサワー」に、同店だけで提供する「スパイスレモンサワー」、「ソルトレモンサワー」の5種を用意。その他、瓶ビール(400円~)や酎ハイ(各400円)、ホッピー(500円~)などは客席に設置したクーラーにどぶづけし、お客が自分で手に取ったり、作ったりするスタイルだ。「ハイボール」(400円~)、「カップワイン」(赤・白各500円)、「果実酒」(500円)なども取り揃え、幅広いニーズに応える。

独自のコイン制がお客同士のコミュニケーションツールに。今後は近隣の活性化に貢献できる店舗を目指す

「ニホレモスタンド」では、コインシステムという独特の仕組みを導入している。お客は来店時にコイン(1000円/1枚100円×10枚、もしくは2000円/1枚100円×22枚)を購入し、メニューの値段に応じた枚数を渡して注文。足りなければ追加で購入、使い切れなければストック分の枚数が記載されたカードを渡され、次回来店時にその枚数のコインがもらえるという仕組みだ。「もともとオペレーションの簡略化を狙ったシステムだったのですが、いざ始めてみると別のグループ同士でコインを分け合って注文したり、他のお客様にプレゼントしたり、お客様の方で、私たちが予想していなかった使い方をしてくれて新鮮でした」と、柴崎氏。図らずも、柴崎氏が重要視しているお客同士のコミュニケーションに一役買うツールとなった形だ。また、今後については「姉妹店と共に高円寺で認知度を上げて、自店舗だけでなく街も盛り上げられるようになりたいですね」と、柴崎氏は語る。

(取材=高橋 健太)

店舗データ

店名 ニホレモスタンド
住所 東京都杉並区高円寺南4-7-1コーポカトレヤビル107

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アクセス JR中央線高円寺駅南口から徒歩5分
電話 070-3337-5996
営業時間 15:00~23:00
定休日 無休
坪数客数 3.6坪 10人
客単価 2000~2500円
運営会社 株式会社REQD
オープン日 2020年12月23日
関連リンク ニホレモスタンド(HP)
関連ページ 酒場ニホレモ(記事)
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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