好立地ゆえしっかり勝負できるコンセプトを2年かけて模索
THINK GREEN PRODUCE(東京都渋谷区、代表取締役:関口正人氏)は、「1杯のコーヒーから街づくりを考えるコンテンツ・プロデュース・カンパニー」をテーマに、飲食店やホテル運営から商業施設プロデュースまで多岐にわたり事業展開をしている。2018年から渋谷・宇田川町にオフィスビルを構えているが、2020年9月、そのビル1階に開業したのが「CHOWCHOW」だ。本社を構えてから同店のオープンまで2年の期間を経ているが、その間は同社のテストキッチンとして活用しつつ、入念にコンセプトを練っていたという。「この奥渋谷エリアは人通りもあり、食に対する感度も高い。飲食店をやるのに非常にいい立地だったので、しっかりとしたコンセプトで勝負すべきと時間をかけて模索していました」と話すのは、同店の開発担当で、同社FB事業部本部長の菅原 悠氏。
当初は和食の案もあったが、ナチュラルワインとイタリアンというコンセプトが固まったのは、店長の山田隆未氏、料理人の荒井清成氏と山中哲生氏の3人のスタッフの存在があったからだという。3人とも大のナチュラルワイン好き。山田氏と荒井氏は同社のカレー専門店「トライアングルカレー」で働いていたが、「もっとナチュラルワインを扱いたい」という思いがあったという。荒井氏の知人だった、同じくナチュラルワイン好きの山中氏を誘い、スタッフが揃ったことでコンセプトが固まった。「ここはワイン好きが集うエリアでもあり、立地にもマッチする。何より3人のナチュラルワインへの情熱が大きな武器。このコンセプトならいけると開業に踏み切りました」と菅原氏は話す。
クラシックなイタリアンから「ハツパッチョ」「からすみめん」遊び心ある品も
山田氏を中心に3人がセレクトするナチュラルワインは、常時グラスで赤・白それぞれ3~4品ほどで1杯750~1200円。「長年飲み続けてきた中で、自分たちが好きだと思うものを」と選び、ややフランスの銘柄が多いという。ボトルは5250~9000円がボリュームゾーン。店内奥にはウォークインセラーがあり、約700本のボトルが格納されている。「セラーはナチュラルワイン好きにとっては宝箱のような空間。中にはワイン選びに夢中になり30分ほど出てこなかったお客様もいました(笑)」と山田氏は話す。ワイン以外は生ビールの「エーデルピルス 樽生」(680円)と、ハードリカー各種。
代官山のフレンチ「Ata」やイタリアンで経験を積んできた荒井氏が腕を振るう料理は、前菜からパスタ、メイン、デザートまで。イタリアンを基調としつつも遊び心ある品も交え、ワインだけでなく食事にもしっかりと力を入れている。特に独自性のあるのが、低温調理したハツの「国産牛のハツパッチョ」(1480円)と、蒸した中華麺にからすみをたっぷりとかけたイタリアン焼きそばの「からすみめん」(780円)だ。加えて「荒井さんが頑張って作ったサルシッチャ」(980円)、「カルボナーラ」(1380円、+1000円でイタリア産トリュフのせがオススメ)、「オマール海老のパスタ」(3500円)といったクラシックなイタリアンまで約30品。季節の素材に応じてメニューは常時変化する。
ワインのエキスパートである3人のスタッフが最大の店の魅力!
オープン後は積極的な販促をしていないものの、通りすがりからの認知や口コミで多くの人が訪れ、おおよそ1日2回転する盛況ぶりだ。「エリアのニーズにうまくハマり、狙った客層が来店しているので手ごたえを感じています。3人はナチュラルワイン好きの知人も多く、そこからの広がりもありますね」と菅原氏。
立地やメニューの力もあるが、好調の要因は何より3人の接客だ。ナチュラルワインを熟知し、「ワインのことなら何でも聞いてください」とは、ホール担当の山田氏。主に料理を担当する荒井氏と山中氏も同様で、好みや気分、合わせる料理によってオススメしたり、ワインや作り手のストーリーを伝えたりと、ただ単に注ぐだけでないワインへの情熱を生かした接客をしていることが最大の魅力だ。「たくさんの人にワインを好きになってもらうことを毎日考えています」と山田氏。「家でもワインは飲むことはできる。それでもわざわざここに来てワインを飲みたいと思ってもらえる店を目指しています」とも話す。
ワインカルチャーの発信基地として長く根付く店に。会社としてはECにも注力
「まずは街に根付いた長く続く店を。新規客を取り込み続けるというよりは、コアなファンを増やしていくことがキモ。美味しいものは家でも食べられる時代。気持ちのこもった料理、ワインを通じてのスタッフとのコミュニケーションなど外食にしかできない“体験”の提供を大切にしていきたい」と菅原氏。「私はワインカルチャーを広めたい。それは『カルチャーを作る』という会社の理念とも一致する。ワインってカジュアルに飲める楽しいものなんだ、ということをこの店を通じて知ってほしいですね」と山田氏は意気込む。
同社としては店舗と同時並行してECにも注力。同社の運営する「Megan – bar & patisserie」で作るチーズケーキやチョコレートテリーヌの販売などを開始している。「リアル店舗で外食の楽しさを提供する一方、これからは店舗を増やすのにも限界がある時代。コロナ禍で人々のEC利用のハードルは下がったと感じているので、店舗とオンラインの両輪で展開していきたい」と菅原氏は話す。
店舗データ
店名 | CHOWCHOW(チャウチャウ) |
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住所 | 東京都渋谷区宇田川町37-14WHARF渋谷宇田川町1F |
アクセス | 渋谷駅から徒歩10分、神泉駅から徒歩7分 |
電話 | 03-6407-0163 |
営業時間 | 17:00~22:30(LO) |
定休日 | 日曜、不定休あり |
坪数客数 | 18坪26席+テラス5~6人 |
客単価 | 5000~7000円 |
運営会社 | 株式会社THINK GREEN PRODUCE |
オープン日 | 2020年9月1日 |
関連リンク | CHOWCHOW(Instagram) |
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