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国分寺に居酒屋「肉ドシ」がオープン。26歳代表によるドミナント展開4店舗目は、既存店「鳥どシ」の姉妹業態で“豪快肉とワイン”がコンセプト

2月23日、国分寺駅西口からすぐの場所に「肉ドシ」がオープンした。26歳の若き代表、船木崚氏率いるArmy Ant(東京都国分寺市)による4店舗目だ。同社は国分寺を中心にドミナント展開するが、今回は、“鳥とサワーが旨い店”がコンセプトの既存店「鳥どシ」の姉妹業態として、“豪快肉とワイン”をコンセプトにしたワイン居酒屋に仕上げている。ビストロをかみ砕いて若者にも親しみやすい店作りを意識し、名物には「ドシ焼きサーロイン」や「ドシのハラミステーキ」をはじめとする肉料理を用意。早くも近隣住民から好評を得ている。

駅から30秒、視認性の良い2階の好立地。大きな看板で国分寺駅の利用者にもアピール
窓が大きく広く感じる店内。カウンター6席、テーブル70席で、1人飲みも70名の宴会需要も取り込む
炭火で焼き上げる「ドシのハラミステーキ」。”がっつりお肉”メニューは、団体客の盛り上げ役としても活躍する
「牛タンパッチョ レギュラー」。皿からはみ出す盛り付けがインパクトも抜群
左から、店長の阿久津大樹氏、社員の勝又亮哉氏、代表の船木崚氏

(取材=福井 晶)


物件ありきでオープン。「30坪以下」の物件で不況に強い店を

代表の船木崚氏は、大学在学中にArmy Ant(東京都国分寺市)を立ち上げ、起業5年目を迎える。現在は新店舗を含めて、国分寺に3店舗、立川に1店舗の計4店舗を運営。今回の「肉ドシ」は、3店舗目にオープンした「鳥どシ 立川店」と同じく、物件ありきで新店舗オープンを決めたという。場所は同社のホームタウンともいえる国分寺の駅前。窓の大きい2階で視認性も良い好立地とあって、業態は未定のまま、先に物件を契約した。「実は2年前からお話をいただいていたのですが、諸事情で交渉がストップしていたんです。時間はかかりましたが、好条件で契約となりようやくオープンにこぎつけました」と船木氏は話す。

同氏が店作りや店舗運営で大切にしているのは、「人材や食材などの資源をいかに効率的に回すか」。例えば、物件選びでは“30坪以下”が絶対だという。「広くて席数の多い店を作ると投資効率はいいのですが、規模を大きくし過ぎると、なにか起きたときにうまく回らなくなって、他の店まで共倒れになってしまう」と同氏。資源を無駄なく使える小回りのきく物件を選んだ後、それに合った業態を開発し、リスクが少なく不況に強い店が作ることで着実に事業を成長させるというのが船木氏の戦略だ。さらに今回は元フレンチだった物件を居抜きで引き受けたため、ワインセラーや厨房機器、空調、カウンターの椅子など、使える資材を流用。可能な限り開業時のコストも抑えたという。

学生が多い国分寺に合わせて、ビストロをかみ砕いた居酒屋業態を開発

今回の「肉ドシ」の徒歩10分圏内には既存店、和風の個室居酒屋「ありんこ酒場」や、フォトジェニックさを意識した居酒屋「鳥どシ」があるため、喰い合いを防ぐためにコンセプトを変えた新業態を開発。当初は既存店よりも客単価を上げたビストロを検討するも、性別年代問わず多様なシーンで利用される店を作りたいと考えに至った。「学生が多い国分寺で、幅広い客層を獲得するには業態のキャッチーさが必要。“ビストロ”というワードだけで20代が敬遠する可能性もある」と考え、軸はあくまで「居酒屋」にこだわった。好調店の「鳥どシ」の姉妹業態として、肉が名物のワイン居酒屋「肉ドシ」としてオープン。「20代の来店ハードルを下げるべく、ビストロを噛みくだいて、ロゴなどをコミカルに仕上げました」と同氏。

“がっつりお肉”をメインとして、サイドメニューの豊富さで幅広い客層をキャッチ

名物はメニュー内で”がっつりお肉”とカテゴライズした炭焼きステーキで「ドシ焼きサーロイン」(230g 1280円、460g 2380円)や、「ドシのハラミステーキ」(150g 980円、250g 1580円、450g 2880円)、「無菌豚肩のロースソテー」(1180円)、「骨付鳥の香草焼き」(880円)の食べ応え抜群の4品。「牛タンパッチョ」(レギュラー980円、ハーフ580円)、「九条ネギのレバテキ」(630円)など、ステーキ以外の肉料理も多数。その他、幅広い客層を獲得すべく、サイドメニューも豊富に用意し、「もやしとクレソンのナムル」(480円)、「ししとうフリット」(380円)、「ペペロン枝豆」(480円)など、手軽なつまみは18種類を揃える。〆料理に「鳥玉ペペロンチーノ」(680円)や「肉屋のミートソースパスタ」(780円)、デザートには「バスクチーズケーキ」(580円)などが並ぶ。メニューのほとんどは新しく開発したもので、他店舗と共有している食材は2割ほどだという。「メニュー開発は、“リサーチによる効率的利潤確保”を大切にしています。表現を変えれば、色んな店で食べ歩き美味しいと思ったものは、アレンジを加えて自社に落とし込む。いい店を作るための基礎だと考えています」と同氏は話す。

ワインは一杯480~500円とリーズナブルに提供

ドリンクはワインと居酒屋で定番のドリンクの2軸でラインナップ。ワインはメニューにあう銘柄をバランスよく選定し、グラスは赤白で各3種類、一杯480円からとリーズナブルに提供。ボトルは赤、白、泡を合わせて20種類以上、2800円から用意する。女性には、こぼれスパークリングの「白スパークリング」、「赤スパークリング」(各500円)が人気だという。船木氏は「他業態ではワインの種類を豊富に扱っていなかったため、ワインソムリエに講習を開いてもらうなどスタッフと一緒に勉強中です。これから知見を深めていきたい」と話す。ワインの他にも「生ビール」(520円)、「強炭酸ハイボール」(390円)や、「ウーロンハイ」、「レモンサワー」(各450円)などのサワー類も用意する。

昨今の新型コロナウイルスの影響を受けながらも、現在の客足は悪くないという。既存店の常連客のみならず、抜群の立地と業態のキャッチーさで新規客も獲得している。客層は年代問わず感度の高い近隣住民が多く、「鳥どシ」と比べると、客単価は数百円上回る3500円から4000円、滞在時間も30分ほど長い1時間半ほど、と他業態との棲み分けも狙い通りに推移している。船木氏は「いま、飲食店は世の中的に苦境にありますが、それに負けずこのまま順調に顧客を増やして軌道にのせたい」と前向きに展望を語る。今後はドミナント展開を脱出し新しいエリアにも進出していきたい考えで、地方での出店も夢見ている。「これまで壁にぶつかることもありましたが、事業拡大は物件ありき、人ありき。40名のスタッフと地道に店舗展開を進めたい」と話す。

店舗データ

店名 肉ドシ
住所 東京都国分寺市本町2-10-5 近藤ビル 2F

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アクセス 国分寺駅駅より徒歩30秒
電話 042-316-8448
営業時間 17:00~24:00
定休日 無休
坪数客数 26坪76席(カウンター6席、テーブル70席)
客単価 3500円から4000円
運営会社 株式会社Army Ant
オープン日 2020年2月23日
関連リンク 肉ドシ(HP)
関連リンク 株式会社Army Ant(HP)
関連リンク 鳥どシ(記事)
関連ページ 鳥どシ 立川店(記事)
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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